ナルシソ・イエペス「アランフエス協奏曲」、アルヘンタ シューベルト交響曲「ザ・グレイト」 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日始めに聴いたのはホアキン・ロドリーゴ 作曲「アランフェス協奏曲」。なるしそ・イエペスのギター、アタウルフォ・アルヘンタ指揮スペイン国立管弦楽団の演奏。1957年に録音された物で、イエペスが3回録音している「アランフェス協奏曲」の最初の録音、のようです。

 

録音されてから67、8年経った音源ですから音質はどうかと思いましたが、記事冒頭に掲載したYouTube音源は(アナログレコードからの復刻音源だそうです。)意外なほどリアルで生々しい音を聴かせてくれます。もう子供の頃から知らぬ間に聴いてきた音楽ですから、特に第2楽章など涙が出るくらい懐かしく懐かしく…。やはりギターの響きも良い物だよなぁ、等と改めて呟いてみたりしました。

 

「アランフエス協奏曲(西: Concierto de Aranjuez)は、ホアキン・ロドリーゴが1939年に作曲したギター協奏曲。1940年11月9日にレヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサのギター、セサール・メンドーサ・ラサーリェの指揮、バルセロナ・フィルハーモニー管弦楽団によりバルセロナにて初演された。
この曲の第2楽章はその哀愁をたたえた美しい旋律から広く知られている。古典派以来の一般的な協奏曲は第1楽章が最も長いものであるが、この作品は緩徐楽章である第2楽章が最も長い。

ロドリーゴはスペインの古都アランフエス(マドリード県南部にある都市で、宮殿が有名)が作曲当時のスペイン内戦で被害を受けたことから、スペインとアランフエスの平和への想いを込めて作曲したと言われている。第2楽章については、病によって重体となった妻や失った初めての子供に対する神への祈りが込められているとも言われている。

第1楽章の主題は、1978年作のギター曲『トリプティコ』の第3曲「スケルツィーノ」(scherzino)に転用されている。
第2楽章はポピュラー・クラシックとして編曲されるなど広く知られており、ギル・エヴァンスの編曲を得て1959年に演奏されたトランペット奏者マイルス・デイヴィスのアルバム『スケッチ・オブ・スペイン』のバージョンは有名である。ジャズ界では他に、モダン・ジャズ・カルテット、ジム・ホールやマンハッタン・ジャズ・クインテットも取り上げた。また、チック・コリアは自身の楽曲『スペイン』のイントロに第2楽章のフレーズを用いている。ギイ・ボンタンペリがフランス語の歌詞を付け「恋のアランフエス」「我が心のアランフエス」と名付けた。
第3楽章は、スペインの平和を願って作られたものである。」(Wikipedia アランフエス協奏曲 より )

 

イエペスの「アランフェス協奏曲」を聴き終わったところで、上記の録音で共演していたアタウルフォ・アルヘンタと言う指揮者がちょっと気になりました。名前は記憶のどこかにあったのですがあまり演奏を聴いた記憶が無かったのです。

「アタウルフォ・アルヘンタ(Ataúlfo Argenta、本名:Ataúlfo Exuperio Martín de Argenta Maza、1913年11月19日 - 1958年1月21日)は、スペインの指揮者。
(中略)
第2次世界大戦中は、マドリード・スペイン国立管弦楽団に入団して、ピアノやチェレスタなどの鍵盤楽器を担当する。1944年にマドリッド室内管弦楽団の指揮者に就任し、1945年10月10日よりスペイン国立管弦楽団を指揮するようになった。1947年より終身音楽監督に就任した。
アルヘンタはかねてより結核を患っており、1955年から1956年の間に5か月間の療養を余儀なくされる病状であった。1958年1月21日、スペイン・マドリード市ロス・モリノス(英語版)で自家用車の暖房をかけっぱなしにしている間に換気を怠り一酸化炭素中毒で死去。同乗者は助かったが、アタウルフォは間に合わなかった。44歳没。」(Wikipedia アタウルフォ・アルヘンタ より )

 

生まれた年や期待されながら若くして亡くなったことなど、フリッチャイやカンテッリを思い出させられます。ほぼ同年代に優れた才能が輩出して、その中の最も期待されていた人たちが夭逝してしまった。なんだか彼らの無念が伝わってくるような気もします。

 

アルヘンタが亡くなる1年前くらいに録音したシューベルトの「ザ・グレイト」を聴きました。これ、なかなか凄い演奏です。先日ご紹介したモントゥーのライヴ盤と争うくらい活き活きと活力に溢れた演奏。しかし音は明晰で見通しが良く、隅々までどんな音が鳴っているか見渡せるようです。ドイツの指揮者やオーケストラの演奏では聞こえてこない音が聞こえてくるような気がします。何だかワクワクしそうな演奏です。

 

こちらから、アタウルフォ・アルヘンタ指揮チェント・ソリ管弦楽団 「シューベルト 交響曲ハ長調「ザ・グレイト」D.944」全曲お聴きになれます。

 

チェント・ソリ管弦楽団って聴いたことのないオーケストラだな、と思ったのですが、「パリ音楽院管弦楽団」、「コンセール・ラムルー管弦楽団」のメンバーによって(録音用に(?))臨時編成されたオーケストラらしいとのことでした。

 

 

決定盤/アランフェス協奏曲

 

 

 

 

Schubert: Sym Nos 8 & 9

 

 

 

 

 

 

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