ものがたり西洋音楽史 ルネサンス音楽は「言葉を収める伽藍」 オケゲム ミサ・プロラツィオヌム | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

 

数日前から岩波ジュニア新書の「ものがたり西洋音楽史」と言う本をKindleで読んでいます。

 

「ジュニア新書」ですし「ものがたり」なんて言うタイトルですから小中学生あたりが対象なのかも知れませんが、楽譜が全くないのを除けば内容はかなり濃い物で、使われている言葉もちょっと小中学生には難しすぎるのでは、という感じです。(いや、今時の小中学生は私などよりレベルが高いのかも知れませんが(笑))

 

こう言った音楽史の本の中では中世からルネサンスあたりの記述も比較的多く、私にとってはちょうど興味を持っていたことも割と多く含まれていましたので、予想外にとても読み甲斐のある本に当たった、という感じがしました。

 

中世の音楽は「言葉の乗り物としての音楽」、ルネサンス時代は「言葉を収める伽藍としての音楽」を目指して技術的に凝った音楽が構築され、バロック時代になると「「音楽の劇場」の実現を目指して展開した」と著者は書きます。そしてそれ以後は現代に近い時期まで「芸術としての音楽」が追求されてきたのだ、と。

 

冒頭に掲載した動画は、フランドルの音楽家、ヨハネス・オケゲムの「ミサ・プロラツィオヌム(種々の比率によるミサ曲)」

 

ルネサンスの音楽家が実現した高度に手の込んだ技術の例としてあげられていた曲です。

「この長大なミサ曲は、全体が厳格なカノンでできていて、しかもその多くの部分では、二つの二声部のカノンが同時に組み合わされています。その構造はきわめて複雑でー(中略)ー、そのために聴いただけでカノンのしくみを認識することはほとんどできません。」

 

とりあえず、あと少しで読み終わりますが、もう一二度は読み返す必要がありそうです。

 

しかし、やっぱり、これどうして「ジュニア新書」なんだろう(笑

 

 

 

 

 

ものがたり西洋音楽史 (岩波ジュニア新書)

神への祈りの言葉から始まった、中世の教会音楽。多声音楽が花開いた、ルネサンス期。オペラが誕生し、器楽が興隆した、バロック時代。そして「芸術としての音楽」が追究された、古典派、ロマン派、モダニズム。時代を代表する作曲家と作品、演奏法や作曲法、音楽についての考え方の変遷をたどり、西洋音楽史を俯瞰する

 

 

The Hilliard Ensemble

イギリスの男声ヴォーカル・グループ「ヒリヤード・アンサンブル」が、EMIの古楽シリーズ「レフレクセ」にセッション録音したルネッサンス音楽のアルバムを集めたお得なセット。ヒリヤード・アンサンブル初期の美声を良い音質で楽しめるほか、入手困難だった音源も含む注目の内容となっています。

 

 

 

 

 

そえだ信「臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい」

「掃除機探偵の推理と冒険」に続きこちらもよろしくお願いします。

4編の倒叙ミステリーからなる連作中短編集。ユニークなキャラクターが魅力的です!

 

ツイッターに感想がよせられています!

 

「・・・相手を援護(まも)ろうするトウコと、余計なことを言う彼女を黙らせたい犯人。両者のやり取りがクセになるミステリである。」

 

 

「昨日の予告通り、そえだ信 さんの『臼月トウコは援護りたい』の感想を、ブログにアップしました。 もうちょっと素直に読んでも良かったかも、という気もしないでも無いですが、私のようなヒネクレ者にも楽しめる、良い作品です。」

 

 

「そえだ信「臼月トウコは援護りたい」面白かった。 被疑者の無実を証明しようと証言を剃ればするほど、被疑者のアリバイを崩していくキャラクターにまつわる、すっきりするミステリ短編集!」

 

「掃除機探偵面白かったので購入。 完璧なアリバイを用意して犯行に及んだ犯人たち。雇ったばかりの臼月トウコの援護によって追い込まれていく連作倒叙ミステリ。 風変わりのキャラと独創的なトリックの面白さが際立っていて、楽しめました。」

 

「「臼月トウコは擁護りたい」、読了!倒叙モノの醍醐味の一つに犯人の焦燥感があると思うのですが、本作はこれが思う存分に楽しめて良いですね。使えないバイトとして犯人の目の前に出現する上に、自分の犯罪の弱点はきっちり刺してきて、クビだ!!!にいたる様式美が好き。ドラマにも向くのでは?」

 

「『臼月トウコは擁護りたい』読んだぜ。 北海道(主に札幌)を舞台にした連作倒叙。犯人が上手く警察の追及を避けられたかな、ってところにふらりと「そうですよーこの人が犯人なワケないじゃないですかー」と加勢しに来たかと思ったらスーパー余計なことを言って急転直下事件を解決しちゃう臼月さんは」

 

 

こちらで第一話全文無料で読めます。

 

 

 

 

 

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

 

 

文庫版「掃除機探偵の推理と冒険」発売中

 

 

 

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)

 

タイの次は、台湾、でした。