皆さんは「北風と太陽」というイソップ童話をご存じでしょうか。


【北風と太陽】

    ある時、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、通りすがりの旅人の外套を脱がせることができるかという勝負をすることになった。


    まず、北風が力いっぱい吹いて、旅人の外套を吹き飛ばそうとする。しかし、寒さを嫌った旅人が外套をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。


    その次に、太陽が暖かな日差しを旅人に照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から外套を脱いでしまった。こうして太陽の勝ちとなった。


    私は横須賀のお店から今いるお店に異動したときに今いるお店の店長から一つの課題をいただきました。


    それは長い期間にわたり「新トニン」を買いに来られる方がいらっしゃって、その方に「新トニン」を買うのを止めさせたいので力を貸してくれ、というものでした。


    私はすぐさまイソップ童話の「北風と太陽」を思いだし、まずは「新トニン」の販売時に法令で定められている販売手順に従って販売するときに、体調とか世間話をすることにしました。


    そういうことを繰り返すうちに、次第によく話すようになり、次の情報をえることができました。


○30年くらい続けてる

○たばこは吸うけどお酒の代わりに飲んでいる


    ある時は、私が軽いのりで「あれっ、もう(クスリ)切れちゃいました?」と訪ねると「いえいえ、そうではないんですけど。いつもすいませんね」と少し笑いなからお話されてました。


    私はこの方の体調を気にしながら、お客さまのの気持ちが変化するのを待ちました。


    すると、3月の上旬にこの方からついに止めようとする意志が表明されました。


お客さま「もう止めようかな」

私「急にどうしたんですか」

お客さま「だってどこも売ってくれなくなってきたんだもん」

私「そうですね。それと一本1100円ですしね」

お客さま「治すのには安定剤とか飲まないとダメなんですかね」

私「おそらくそうだと思いますが、飲まないとどうなりますか」

お客さま「落ち着かなくなります」

私「急に止めると禁断症状が出て苦しくなりますから、よい病院を探しておきますから、それまでは急に止めるのはやめて、専門のお医者さんの指導のもとで止める方向に持っていきましょう」

お客さま「入院しなければならないですかね」

私「それはわかりませんね。それでどちらにお住まいですか」

お客さま「越谷です。仕事でこちらに来ています」

私「越谷とこの辺の病院のどちらが良いですか」

お客さま「どちらでも大丈夫です」

私「わかりました。では、次回来店された時にお知らせしますね」


    このような会話をして帰って行かれました。


    私は良さそうな病院を直ぐに調べました。


   一つは埼玉県越谷市にある順天堂の附属病院で、もう一つは品川区には良さそうな病院がなかったので小平市にある国立病院をピックアップしました。


    そして一昨日、お客さまはやってこられたので、私が書いたメモをお客さまにお渡ししました。


   そうしたところ、


お客さま「へぇ、越谷に順天堂があるんだ。あ、袋山かぁ」

私「お近くなんですか」

お客さま「はい。最寄りは越谷なんですが、その隣の隣ですね。ここにしょうかな。治療のため仕事を休ませてもらえば良いしな。ありがとうございました」


と言って帰って行かれました。


    もちろん今日も「新トニン」は買っていかれました。


    実際に病院に行かれるかどうかはわかりませんが、行ってくださることを信じています。


    店長からいただいたこの課題を4ヶ月で前進させることができました。


    私は今のお店のメンバーとは円満な人間関係を築いております。先日も店長のテンションが低かったので、


私「店長、今日はやけにテンション低いじゃないですか」

店長「そうなんですよ。連休したからですかねぇ」

私「それなら私が元気にしてあげましょう」

店長「そうならば、先生はずいぶんこの店に慣れてきたので、医薬品部門の売上管理をお願いできませんか。私はそこまで手が回りませんので…」


    ということで、長期的な仕事を頼まれてしまいました。こんな感じで、私は常に北風であるよりは太陽でありたいという行動指針のもとこれからも活動して行こうと思ってます。