またまたNo.2の話になるが、楽しい話題ではないので、見たくない人はここまでで読むのをやめてくださいね。





















では、本題です。


「ここで長く勤めるのは難しいと感じたので、辞めようと思います。」


カウンセリングに来た新入社員が開口一番に言った言葉だ。退職を願い出る人は毎年一定数いるので、珍しいことではないのだが、続けて放たれた言葉に驚いた。


「おかしいなと思ったのでそれを上司に報告したら、逆に自分が怒られてしまって、文句を言わずにやることをやれ!と罵倒されたんです。」


詳しくは書けないが、ざっくりこんな感じだ。この新入社員の指摘は正しいことで、上司は真摯に受け止めて改善するべきだ。そう思った俺は、


「長く働くかどうかはあなたの判断だから、ここでは無理に引き止めようとはしないよ。ただ、今聞いた話は放置できないから、今からあなたの上司を呼んで事実確認をしようと思う。良いかな?」


新入社員、

「あ、はい。でも、怖いです。私が告げ口したと報復されたりしませんか?」


俺、

「あなたのことは絶対に守ります。組織として放置できない問題だと私は考えています。今後のこともあるので、上手く処理できたらと思っています。退職するのはそれを見届けてからでも遅くはないんじゃないですか?」


新入社員、

「わかりました。」



そしてすぐに問題の上司に電話をかけて呼び出した。

新入社員は隣室で待機させて、


俺、

「あなたの部署で〇〇について上手く機能してないんじゃないかという指摘がありますが、いかがですか?」


上司、

「はい。おそらくダメだと認識はしています。」


俺、

「認識はしている。ではなぜ改善しないのでしょうか。このままだと歪みが大きくなるだけですよ。」


上司、

「改めようとは思っていたのですが、No.2の指示もあって私では聞き入れてもらえませんでした。」


俺、

「No.2?その人、専門外ですよね。なぜ口出ししてきてるんでしょうか?おかしいですね。」


上司、

「何度か陳情してはみたのですが、聞き入れてはもらえなかったんです。iceさん、一緒にNo.2のところに行ってもらえませんか?私も問題は把握しているのですが手の打ちようがなくて。」


俺、

「わかりました。だいたい事情は把握できました。すぐ行きましょう。」



No.2の部屋に着きドアをノックすると、


「はい、どうぞ。」


俺、

「失礼します。〇〇の件で伺いました。」


ソファに座るとNo.2が、

「2人揃ってどうした?何か問題発生か?」


俺、

「〇〇の件ですが、No.2はどんな指示を出したのでしょうか?」


No.2、

「ごく一般的なことだ。それの何が問題なんだ、なぁ!上司!」


上司、

「あ、はい。以前から何度も改善を要望してきましたが以前のやり方に戻させて欲しいんです。」


No.2、

「以前の?それがダメだから私が指示したんじゃないか。何が問題なんだ?」


俺、

「何を根拠に今の指示を出したのか分かりませんが、社員も疲れ切ってます。このままだとここの部署は機能しなくなります。」


No.2、

「係長風情が偉そうなことを言うな。決定権はこちらにある。言う通りやっていれば良いんだ。上手く回していくのも君たちの腕の見せどころじゃないのか?違うか?」


???、風情?言う通りやってろ?こいつ、何言ってるんだ?

この失礼な物言いに気分を害したが極めて冷静を装い、


「以前のやり方は、長年改良を加えながら構築したものです。まだまだ改良の余地はあったにせよ、今のやり方よりははるかに現実的です。」


No.2、

「だからなんだ?俺のやり方には従えないということか?」


俺、

「従うとか従わないとかの話をしているんじゃないですよ。こっちの方が社員の疲弊も軽減されるし結果的に作業効率が上がりますよ。そちらに戻しませんか?と僭越ながら意見をさせていただいているだけです。」


No.2、

「はぁ?気に入らないならやらなくても良い。以前のやり方に戻せば良いじゃないか!それで何か起こっても俺は責任は取らんからな!自分たちで責任を取れ!」


俺、

「わかりました。戻しても良いというお返事がいただけたと認識しましたがよろしいですね?」


No.2、

「今後、何かあっても俺のところに泣きついてくるなよ?もう知らんからな!!」


俺、

「こちらは話し合いをしに来たつもりですが、なぜそんなに声を荒げているのでしょうか?恫喝ですよね。それに、係長風情が!と言いましたよね。明確にパワハラに該当する発言です。そこは認識されてますか?責任も取ってくれないような上司ならいてもらっても困るんですよね。」


No.2、

「ぱ、パワハラ?そんなつもりはない。」


俺、

「あ、もう結構です。係長風情が出過ぎた真似をしてしまい申し訳ありませんでした。では失礼します。」



一緒に来た上司と部屋を出ると帰りの廊下で、

「本当に元に戻しても良いんでしょうか?」


俺、

「はい、構いません。現場は現場でやりやすい方に持っていけば良いですよ。何かあったらまたいらしてください。一緒に解決していきましょう。」


上司、

「ありがとうございます。」



これで遺恨は残ったが問題の一つは解決した。

今後もNo.2とは何度かぶつかることになるだろう。係長風情がなどと言われて気分も悪いし、いつかNo.2には思い知らせてやりたい(笑)