とても迷いました
書くべきなのか それとも
でも 私は ポンコのために 書き残します
ちっちゃなポンコが 生きた証を
一生懸命生きた証を
ごめんなさい ポンコ
ポンコは ニャンコの名前です
遠い昔の お話です
とても寒い夜でした
ポンコが ひとりで 旅立ちました
何日か前から ポンコは歩けなくなりました
体は ますますやせて 体は とても熱く
お水も のめません
もうすでに 意識も無いのでしょう
夢見ているのでしょうか
でも 私のことは わかるのでしょうか
そばにいくと
いっしょうけんめい 動こうとします
コタッの上に ポンコの寝床をつくりました
コタツの暖かさで すこしは 楽になるかなと
ポンコを 新しい寝床に つれてゆくとき
両手に乗った ポンコの体 あまりにかるい
ずっとずっと からだを なでていました
まるくて ちっちゃな お顔も
黒い影に つつまれています
何日も たちました
もう ちいさな息も とだえがちになりました
私は ほんのひと時 眠りました
あさく夢をみました
ポンコが歩いてくる夢です
ヒザのうえにかるいかるい 重さを感じて
目を覚ましました
動けるはずの無い
息をすることも とだえがちな ポンコが
私の膝のうえに おりました
どうして 動けたのでしょうか
さいごの いのちをふりしぼって
私の膝まで
私の膝を しっかり掴んで
二度と離さないぞと おりました
どうして どうして
なぜ ひとこと さよならと泣いてくれなかったのか
もしお別れを知らせれば 私が哭いちゃうからでしょうか
さいごの さいごの おもいでしょうか
ありがとう ポンコ
ごめんね ポンコ
なかよくしてくれて ありがとう
私は信じています
私が旅立つ日
ポンコが ポコポコしながら
かならず むかえにきてくれる
私のヒザのうえで
もう二度と離れないように
ゆっくり おやすみなさい