ホンモノ | 便所の落書きを、真に受けてはイケナイ。

ホンモノ


いつだったか。

「五木ひろしのマネをするコロッケのマネ」なんて
のが、TVで流れていたのを思い出した。
ちゃっかりした芸だな、などと感じながら、それでも
腹を抱えて笑わせてもらったように憶えている。

「笑わせてもらった」ということは、まがりなりにも
芸であり、その芸には価値があった、いうことなの
だろう。


では、その元になったコロッケさんは、というと、
ご存知のとおり、モノマネを極めたような人物だ。

「五木ひろしのマネをするコロッケのマネ」をして
いた人の何十倍も努力をしてきたハズなのだから、
こちらの芸にはさらなる価値があるのだろう。


では、その元になった五木ひろしさんは・・・「歌」
という芸で、これまでも人々を惹きつけてきた方
なのだから、その価値については、もはや、繰り
返すまでもない。
「ホンモノ」だからこそ、人の心を打つ曲を唱い続
けてこられている。
ただただ、コロッケさんに、芸の端の端、かけらを
デフォルメされたに過ぎない。


こうして考えていくと、いくら上手なコピーが生み
出されていったとしても、「ホンモノ」が価値を失う
ことは、決してない。
電化製品にしても、お菓子にしても、アニメにして
も、日本人が作り出した「ホンモノ」は、マネされる
ことはあるかもしれないが、その価値を失うことは、
決してない。


図らずも、日本人の持っている「ホンモノ」が世界
の目を集めているようだ。
その一々を取り上げることは避けるが、東北関東
大震災の被災地・被災者の方の辛抱強さと、被災
地・被災者の方へ向けるやさしさと。
大きくは乱れない国民性。
もちろん、こんな天災なんか起きなくてよいわけで、
見えてくる必要なんてなかったかもしれない。

だけど、
今は、この「ホンモノ」を誇っていいと思う。


これが、日本人なんだ。