平和軒 @ 大崎広小路(東急池上線) | CroquettePunchの “ 呑んでたまるか!”

平和軒 @ 大崎広小路(東急池上線)

残念博覧会な日のお話です.

 

 

《 平和軒 》

 

 

盛大に老朽摩耗した暖簾が目立たぬ路地裏に揺れている.

 

風月を弄した佇まいは私をしてこれを潜らしむるを禁じ得ない.

 

 

チャーシューワンタンメンをいただきます.

 

万人が得心する安堵の香りが丼上に立ち昇る.

 

ここに来るお客さんのマジョリティが注文する逸麺です.

 

 

そこでだ,残念博覧会のお話.

 

ねえんですよ,どこにも見当たらない.

 

ビールはおろかアルコホルのアの字もねえんです.

 

 

卓上メニュウにはなく壁表記というお店もあります.

 

それこそ目を皿のようにして店内をくまなく物色する.

 

ではありますがアレです,どこをどう探してもねえんです.

 

 

ほのかな期待をもて冷蔵ケースを覗く.

 

セルフの麦茶だけでやはり姿を見出せない.

 

 

意を決してご主人にうかがってみる.

 

「お酒は置いてないんです,大変に申し訳ありません」

 

と丁寧にお答えくださった,何故か恐縮した気持ちになった.

 

 

前に来たのはおそらく10年以上も前だったからなあ.

 

その時は呑んだと記憶しているのですが,思い違いでしょうか.

 

 

腑に落ちない気持ちで麺をすする.

 

ワンタンを口中に投ずる,やっぱり美味ちい.

 

 

舌上の美徳にアルコホルの寄り添わぬ境涯.

 

私をして断腸の思いを抱かさざるを禁じ得ない.

 

 

ラーメンもお店の風情も特上博覧会です.

 

それだけにアルコホルだけが残念博覧会というお話です.

 

 

私は数々の外道()に手を染めてきましたが.

 

今後このお店でそれを遂行するかといえば,しない.

 

その理由は不問といたしますが,うふふ,しないのです.

 

 

しかしアレですなあ,実際の話.

 

路地裏に佇むこの風趣は絶世ですねえ.