凍てつく疾走妙な暖かさが、一時、この街を包んだが、 それは、ほんの一時のことだった。 雨が降るたび、急速に冷え込んでいき、 なかなか振り払えない。 そんな中、この時期は異常に忙しいオレは、 猛スピードで、疾走し続ける。 必死で、生に抗うように、 ステップを踏み、拳を出し続ける。 いや、生ではないかもしれない。 運命とかいうものへの、必死の抵抗かもしれない。 凍てつく寒さの中、 それでも、疾走し続けるしか術はない。