陸奥宗光は、戦前の日本最高の外政家として

評価されているらしい。

(自分としては、戦後も含めてほしい)

その功績の一つとして、個人的には始めから反対であったのに

遼東半島を、内政上の配慮から、ひとまず割譲させ、

のち、列強が反対すれば、後退するという道を

選んでいる。(国民が、せっかく勝ったのにと怒るから)

その経験から「 蹇蹇録」には、品格ある文章で、

といってもムズイし、長いので、高坂先生曰く、卑俗な言葉で、

「急に成功した、いわば、成り上がり者の成功と

ナショナリズムほど嫌な恐ろしいものはない、

というようなことを語っている。

そのバランス感覚や、巧みな交渉術をもつ

かれは、日清戦争直後に、4つの選択肢を閣議に

かけている。

その中の一つ、

朝鮮を名目上はともかく、実質は日本の保護国とする。

を私たちは選択してしまった。他の3つの提案は、

いずれも現実感覚にすぐれたものだったと思う。

今にいたっても、朝鮮半島は以前困難な情勢にあり、

日本外交の悩みの種である。

19世紀末の朝鮮問題は、朝鮮国が自治能力に

欠けていたことに基本的原因があった。

自分の見解としては、依然として彼らに内政・自治能力が

あるようには見えない。

竹島のようなささいな問題で、ナショナリズムを煽り、

現政権の、もしくは、内政上の問題を外部に向ける。

これは、統治能力にかける、また、大衆民主主義に引きずられる

国に多く見受けられる現象である。

よって、やはり北朝鮮だけではなく韓国も、

あまり自治能力があり、すぐれた社会構造をもっていない

ように見受けられてしまう。(自分だけかな?)

自分たちの国の現政府に統治能力があると

露ほども思っていません、ただ、優れた国民が多いだけ。

おそらくは、良識派の韓国・日本の官僚・政治家たちは

あんなもの(竹島)なんか、消えてなくなってほしい

ぐらいの感覚を持っていると思われる。

もっと自分の見解を言えば、

もしかして、六カ国協議で、

あのおばさん頭に、

「テポドンさあ、誤射して、竹島ぶっとばしてくんない、

ほんなら、新幹線とかプレゼントしちゃおうかな?」

とか言っててくれていると、素敵な現実感覚を持つ

人々だ。あんなもんなけりゃ、揉め事なんざふっとぶ。

つまらない自分の話で、腰を折ってしまった。

高坂先生の1991年10月のすぐれた見通しをひいて、

すこし品格を持たせます。

「(前略)朝鮮半島の状況は今後十年から二十年の間

困難なものであり続けるだろう。われわれはそれに関わらなくては

ならない。(中略)われわれはできるだけグローバルな視点に立ち、

できるだけ国際機構を利用し、そのなかで外交を進めなくては

ならない。国際機構には限界もあるし、欠点もある。

しかし、いくつかの利点もある。そのうち重要なひとつは問題を

国際化し、過去において辺境地域ともいうべき――19世紀末の

極東はそうだった――地域において関係者が絞られ、対立が

明白になり、したがって妥協的解決が困難になって軍事力が

使われるという危険を小さくすることである。

この利点は日本にとってまことに大きなものではなかろうか。」

これが、真の現実主義者の視点ではなかろうかと思う。

陸奥も問われれば、同様のことを語ったのではないか。

先生は、向こうからハラハラして、見守っていてくれているだろう。

北朝鮮に関する政策は、ドイツに関して語り終わってから、

高坂先生の視点を借りて、いずれ、述べたいと思う。

アレ?  大人な歴史を語るつもりだったのに、

時事問題にふれてしまった・・・・(><;)



ぱくった本は、

「世界史の中から考える」(高坂正尭・新潮選書)

読んでいただければ、もっと、詳しくわかりまつ。



自慢していいでつか?

自分は、高坂正尭全集を持っているのだ。第一版なのだ。

う~、高かったよ、(>_<)