日本の四季は、美しさと共に、桜餅、かしわ餅、ぼたもち、おはぎ、お団子、ういろう、などの伝統的な和菓子を生み出しました。これらの和菓子は、祭りや行事、季節の移り変わりを祝うために作られ、楽しまれてきました。それぞれの和菓子が持つ独特の風味と形状は、日本の自然と文化を反映しています。これらの和菓子の魅力と歴史を紐解いていきましょう。ニコ

 

 

 

 

 桜餅の深い話

 

桜餅は、春の季節を象徴する和菓子で、桜の葉で包まれています。関東と関西で異なる2種類のスタイルがあります。

関東風桜餅(長命寺)は、東京都墨田区の長命寺が発祥地とされ、小麦粉の生地で餡を包んだクレープ状の菓子です。主に関東地方、東北地方(宮城県を除く)、北陸地方(福井県を除く)、長野県、山陰地方で人気があります。ウインク

関西風桜餅(道明寺)は、大阪府藤井寺市の道明寺が名前の由来で、蒸したもち米を乾燥させて粗く挽いた道明寺粉で餡を包んだ饅頭状の菓子です。関西地方をはじめ、北海道、宮城県、福井県、甲信越地方(長野県を除く)、東海地方、山陽地方、四国地方、九州地方でよく見られます。照れ

どちらのスタイルも通年で楽しまれ、特に雛祭りの時期には欠かせない菓子となっています。ピンク色の着色が施され、桜を象徴しています。元々は雛祭りの定番ではありませんでしたが、ピンクの色が雛祭りのイメージに合い、柏餅が端午の節句に定着していたことから、桜餅は上巳の節句に食べられるようになりました。

 

 

 かしわ餅の深い話

 

柏餅は、上新粉の餅に餡を包み、カシワまたはサルトリイバラの葉で包んだ和菓子です。徳川家の時代に端午の節句の供え菓子として登場し、子孫繁栄を願う縁起物とされました。餡はつぶあん、こしあん、みそあんなどがあり、特に京都では白味噌餡が用いられることもあります。

カシワとサルトリイバラの葉の違いは、主に地域性と利用可能な植物によるものです。どちらの葉も同じ目的で使用されますが、地域や季節によって利用可能な植物が異なるため、これらの違いが生じます。これらの葉は神聖視され、新芽が出るまで古い葉が落ちないという特性から、子孫繁栄を願う象徴とされています。

餡を餅で包む所作が神を拝む「柏手」に似ていることから、節句のお菓子として広まりました。包む葉は食用ではありませんが、香り付けや包装の目的で使用されます。食べるかどうかは個々の好みによります。ニコニコ

 

 

 牡丹餅とお萩の深い話

 

ぼた餅とおはぎは、どちらももち米とうるち米を混ぜて作られる日本の伝統的な和菓子です。ぼた餅は米を半分潰し、餡をまぶします。一方、おはぎは米を丸めて餡やきなこで包みます。名前の由来には諸説あり、春のものを「ぼたもち」、秋のものを「おはぎ」とする説や、もち米主体が「ぼたもち」、うるち米主体が「おはぎ」であるとする説があります。

 

また、「ぼたもち」の名前は、春に咲く牡丹(ぼたん)の花に由来するとも言われています。一方、「おはぎ」の名前は、秋に咲く萩(はぎ)の花にちなんでいるとも言われています。これらの花々は、それぞれの季節を象徴し、和菓子の名前にもその季節感が反映されています。

これらの和菓子は、お彼岸の供物として食され、地域や家庭によっては餡の種類で名前が変わることもあります。その素朴な味わいは、多くの人々に愛されています。爆笑

 

 

 お団子の深い話

 

お団子は串に刺さったもので、3個のものと4個のものがあります。具体的には、花見団子は通常3個で1串ですが、みたらし団子は通常4個で1串となっています1。

なぜ4個になったかというと、江戸時代には、串団子は「5つ刺し」が主流で、1本あたり5文(江戸時代の貨幣単位)で販売されていました。しかし、1756年頃に4文銭が誕生したことで、混雑のお店で4文銭1枚しか支払わず、5文の「5つ刺し」の団子を食べるという不正をする客が増えてしまったのです。そこで、困ったお店側が苦肉の策として団子の数を4つにしたようです

 

 

 

 外郎(ういろう)の深い話

 

ういろうは、もっちりとした食感の和菓子で、米粉と砂糖を混ぜて蒸籠で蒸し上げます。その起源には諸説あり、色が外郎薬に似ていることや、元王朝の亡命者が足利義満に献上した菓子に由来するとされています。

 

日本各地に名産地があり、特に名古屋ういろうは他の地域のものと異なり、米粉を主原料とし、餅のような弾力のある食感が特徴です。一方、山口の外郎は、主成分としてワラビ粉を使用しています。これにより、もちもちとした食感とプルプルとした弾力が特徴となっています

 

これらの情報から、ういろうは地域や製造者によってさまざまな特徴を持つ、日本の伝統的な和菓子であると言えます。この素朴な味わいは、多くの人々に愛されています。

 

これらの和菓子は、それぞれ独特の風味と歴史を持ち、日本の四季を彩ります。それぞれの季節に合わせて、これらの和菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

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