本来ならば,明日のスポーツの日にあたる2020年7月24日に,世界の注目のもと,東京オリンピックが華々しく開会式を迎える予定でした。
しかしながら,新型コロナで状況は一変しました。人生をかけてオリンピックに臨もうとしてきたアスリートにとっては本当に不運としか言いようがありません。国内の新型コロナの感染者数が連日で過去最多を更新する状況下では,1年後の東京五輪開催も無理ではないかという世間の声が日増しに高まっています。不安と闘いながらも,来年の開催を信じて練習に励むアスリートの心中を思うと何ともやるせない気持ちになります。
1年後のいまがどうなるかわかりませんが,多くのアスリートにとっての希望の光が消えてなくならない未来を私は信じたいと思います。
新型コロナによって,多くの人が苦難に直面する中,音楽アーティストも前例のない苦境に立たされています。コロナ前の音楽業界は,ストリーミング再生の普及でCDの売上高は激減し,それを補完するかたちで多くのアーティストはライブ活動に力を入れてきました。その結果,CDを買うという「モノ消費」から,ライブを体験するという「コト消費」にファンの嗜好も移り,CD市場の縮小に逆行して,ライブ市場は年々拡大傾向にありました。
ところが,新型コロナによって,その流れは突然断ち切られます。ライブは軒並み中止となり、大型コンサート施設から小さなライブハウスまで,アーティストのライブでの表現の場が完全に失われてしまいました。そんな逆風の中,「アーティストが一発撮りでパフォーマンスをする」というコンセプトのもと,動画投稿しているYou Tubeチャンネル「THE FIRST TAKE」がいま人気となっています。
内容としては,飾り気のない真っ白なスタジオの中で,単独のアーティストが出演し,楽曲に関するコメントを交えながら歌や演奏を一発撮りで披露するという,非常にシンプルなものです。2019年11月にスタートしたばかりのこの動画チャンネルは,現在,登録者数150万人を超えています。映像は全て4K(フルハイビジョンの4倍の画素数)で撮影されていて,パソコンの全画面表示で視聴すると鮮明な画像と音質の良さに引き込まれます。リップノイズや小さな息遣いなどもそのまま収録され,アーティストのパフォーマンス前の緊張感をリアルに感じ取れるのも,これまでの音楽系の動画配信にはない魅力の一つになっています。
ライブの良さは「再現性のない音楽の楽しみ方」を体験できることです。「THE FIRST TAKE」がいま支持されているのも,生ライブのような編集の許されない一回限りのパフォーマンスを,臨場感あふれる動画を通して視聴者が体験できることだと思います。
動画のロゴデザインやサムネイルの写真(縦横に伸びたカラーのラインが目を引きます)に関しても,とてもスタイリッシュで魅力的ですが,空間上における贅沢な余白を意識して,かなり緻密にデザインを考えたと,スタッフのインタビュー記事で読みました。
「THE FIRST TAKE」を見ると,アーティストのライブ活動が制限される中,今後,有料の生動画配信など,アーティストの新しい表現の場の可能性も感じます。コロナ後にどんなに世界が変わろうとも,ライブの魅力は永遠に失われることはありません。音楽業界もアーティストもコロナ禍で先の見えない手探りの状態は続きますが,多くのファンに音楽の魅力とその力を伝え続けてほしいと願います。
下記の動画は「THE FIRST TAKE」の中で,特に印象深かったものです。緑黄色社会(略称リョクシャカ),マカロニえんぴつ,milet(ミレイ),YOASOBIなど,今後の飛躍が楽しみです。特にリョクシャカは大ブレイク前にここで古参アピールしておきます(笑)。
▼LiSA-「紅蓮華」
▼DISH//(北村匠海)-「猫」
▼Little Glee Monster-「ECHO」
▼緑黄色社会-「sabotage」
▼緑黄色社会-「Shout Baby」
▼マカロニえんぴつ-「hope」
▼milet-「inside you」
▼milet-「us」
▼YOASOBI-「夜に駆ける」
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