震災から1カ月が経ちました。
人それぞれ様々な感情に向き合った1カ月。
私は故郷の宮城で、生まれた時から過ごしていた
田舎の家が津波によって流されました。
小さい時にはこの庭を走り回ったり、
夏には花火をしたり、小さなプールに水を入れて遊んだり、
正月にはストーブでお餅を焼いて地元のおせちを食べました。
田舎の空気でしょうか。水なのでしょうか。
ご飯もみそ汁も、この家で作るだけで、みんなで囲んで食べるだけで美味しかった。
広い広い家なので、何家族もがこの家に集まりました。
そして、、
そこに集まる人達からたくさんの愛情をいただき、
今の自分がここにあります。
お陰様で人への感謝を想うことが出来ます。
人を愛する気持ちを持つことが出来ます。
お盆にご先祖様をお迎えする提灯。
尊敬する祖母が毎年一生懸命に、家族の無事を祈りながら
ご先祖様をお迎えしてくれます。
その姿からも、自分が愛されていることへの感謝を感じました。
この家は既に住まいとしては使用しておらず、
いつも集まっていた祖母や親せきは全員無事でした。
無事を確認し、電話で声を聞いた時は言葉が出ませんでした。
100年を超える家です。
0歳から36歳まで心を支えてもらった家です。
でも、一瞬でなくなりました。
正直今でもこのことが現実なのか分からない時があります。
ですがこの現実をしっかりと感じきった時、
今あることすべてが当然ではないことが分かりました。
この家があったから、この家をなくしたからこそ、
たくさんの想いや感情、感謝に気付きました。
日々起こることすべてに、この心を忘れずに照らし合わせ、
これからの人生につなげていきたいと思います。
いつものどかな風景でした。
ここでの時間、ここで伝えられた心、愛された心、
この町に行くたびに、心が洗われました。
宮城県石巻市雄勝町明神。
この町の復興にも力になりたい。
そういう想いも生まれました。
心からは消えることのない、心に残り続ける故郷の姿。
これからもこの風景を想い、生きていきたいと思います。
最後に、
生きていてくれた祖母達へ今まで以上の感謝を。