カフェバー|credo|下高井戸駅1分 -2ページ目

カフェバー|credo|下高井戸駅1分

バータイム店主による日々雑感


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 ◆8月某日
 前回で書いたとおり、店のエアコンの効きが悪いので、メーカーの人に見てもらった。エアコン自体は故障していないが、この暑さに対してパワー不足なのだという。アヂアヂのばか夏に加えて、冷蔵機器などが多い飲食店、ビルの3階(真上は屋上)という悪条件がそろっているのも原因だそうだ。

 

 よおし、買い替えだあ、と特急のタイミングで現地調査を実施してもらった。送られてきた見積もり書によると、総額は50万円近く。金額を見てひるんだけれど、このままもたもたしていると、客はどんどん去っていき、夏とともに店も終わってしまいそうなので、即座にサインアップした。ただ、無い袖は振れないのでリース契約にしてもらった。

 

 従来のものよりも1・5倍のパワーがあるというエアコンが設置され、はたして快適な店番となった。


 ◆8月某日
 店のエアコンを取り替えた数日後、自宅のエアコンが突然壊れてしまった。3台あるエアコンのうち、2台が頑固に動かない。見てもらったら、2台につながっている共同の室外機がもうダメで、古い部品のために修理はできず、買い替えしか道はないとの説明。エアコン1台はまだ生きているが、これだけではひとつの部屋しか冷やすことができない。家族4人が夏を乗り切るのは無理だろう。

 

 よおし、こっちも買い替えだあ、と電気店に連絡すると、明日から約1週間、お盆休みに入るので、メーカーから製品が届かないという。大手の家電量販店ならどうかと問い合わせると、店舗はやっているが、設置業者が休みに入ってしまい、おまけに注文の混みあいで、最短でも1週間後の取りつけになるとの宣告。仕方ないのでそのスケジュールで量販店に注文した。

 

 みんな、辛抱の1週間になるが、がんばって乗り切ろう、と妻や子どもに話しているすぐそばで、テレビが「来週も関東地方は厳しい暑さが続きます」などと言っている。

 

 家族4人はこの先の気温予想をぼうぜんと眺めるのであった。

 

 

2018年8月28日
バータイム店主

 

 


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 6月某日

 仕事仲間が、世田谷区経堂にカフェと焼き菓子の店「パドブレ」を開店した。経営者の女性2人は、これまでもイベント出店や販売などでコンビのように活動してきた。1人はわが店のカウンターにも立っていた人なので知っているお客もいると思う。

 

 当店とは「提携店」という関係で、うちのオリジナルドレッシングや自家製レーズンサンドは「パドブレ」でも購入できる。

 

 オープン日からなかなかの盛況ぶりだ。内装はなるべく自分たちの手で仕上げていた。数カ月間、額に汗して開店準備を進めてきた2人のようすを見てきただけに、順調な滑り出しに拍手拍手である。

 

 

 

 

 6月某日

 わが家の犬が死んでしまった。だいたい16歳ぐらいのプードル犬だった。「だいたい16歳」とあいまいなのは、家族みんながよく分からないからだ。近所の人から子犬を兄がもらい受け、兄の引っ越しに伴い、いつからかこの家にやってきたのだ。

 

 寝たきりになったのはたったの1日。その夜は、店を早めに閉店し家に帰った。虫の息で寝ている犬の頭をなでて、水を口に含ませてやると、目がすーっと開いて、顔が細かくけいれんした。数秒で止まったかと思うと、そのまま死んでしまった。

 

 名前は「パット」といった。専門の業者に火葬してもらって骨は家で引き取った。

 

 

 

 7月某日

 ばかに暑い日が続いている。3階建ての3階にあるわが店では、屋上の熱が天井に伝わっているようで、昼間はとくに店内が暑くなってしまう。冷房を夜中のうちからフル稼働して、サーキュレーターを2台回しても、陽が昇って、お客が入ってしまうと、たちまち室内温度が上昇してしまう困った店なのである。

 

 屋上に日陰を作るといいと聞いたので、日よけシェードやブルーシートを張ってみたが、快適な実感は得られず。いくぶん効果はあるようだが、今年のばか夏に無駄な抵抗は止めたほうがいいようである。早いうちにエアコンをもっとパワーのあるものに取り替え、昼の営業は例年よりも長い夏休みを取ろうと思っている。

 

 で、屋上はこんな状態なので、バータイムの屋上開放を今夏は取りやめます。

 


2018年7月17日
バータイム店主

 


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 ふらりと神社に立ち寄ることがよくある。ぼくが行くのは「世田谷八幡宮」と「小網神社」の2つ。いずれも仕事でよく通りかかる生活動線上にある神社である。急ぎの用事がなかったり、天気が良かったりすると、つい寄ってしまうクセがついてしまった。

 

 心配していることや不安に思っていることがあると、それらがすっきり解消されることを願ったりするが、こうも毎週毎週行っていると、いちいち願かけするのが面倒になってしまった。最近はなにも思わずに、ただ手を合わせるだけ。さい銭はいつも100円。

 

 小網神社は、いまでも店の定休日に通っている以前勤めていた会社の近くにある。人形町と日本橋の中間あたり、オフィスビルの間にひょっこりあらわれる。その会社の新人社員だった約20年前、大きな仕事がうまくいくようにとお願いしに行ったのがツキアイのはじまりだ。ここ数年はパワースポット的な人気を集めていて、小さな神社だけど、平日の昼間でも結構な数の人がいる。

 

 世田谷八幡宮は、現在の店や自宅の比較的近くにある。店で提供する酒、食品、消耗品などの買い出しの際、バイクでよく通りかかるので、しばしば立ち寄っている。

 

 住宅地にあるので小網神社とは違い、大きくてひっそりしている。平日には広い境内に自分以外に人が見あたらないこともある。この時のしんとした空気が心地いい。

 

 このあいだ、そこの静かな参道を歩いていると、ずっと思い出すことのなかった昔の記憶がよみがえってきたので不思議な気分だった。

 

 小学生のころ、この「八幡様」へ遊びに来た時の記憶だ。自転車が乗れるようになったのがうれしくてあちこちに遊びに行っていたころだったから、7、8歳だろう。近所か学校の友だちとちょっとした遠出気分でここまで来たのだった。

 

 子どもなりに、今で言う「アウェイ感」を覚えたから、そこを本拠としている知らない男の子たちの様子を気にしながら、境内をめぐってみた。

 

 すると、大きな木のあたりで、何人かが固まってざわざわしているのが見えた。その輪にそーっと近づいてのぞいてみると、真ん中にいる男の子の腕にヘビが巻きついているではないか。

 

 頭をぎゅっとつかまえられたヘビの胴体が手首からひじのあたりまできれいにぐるぐる巻きついていた。生きているのか死んでいるのかは分からない。もっとも、ぼくらがヘビを見たのはそれが初めてだったので、そんなことは関係なかった。でも、やっぱり生きていてなにかの拍子で腕から逃げ出し、しゅるしゅるしゅるとこちらに向かってくるかもしれないと想像すると、自然とじりじり後ずさっていた。

 

 ヘビを巻きつけていた男の子はぼくらより何歳が年上で体が大きかった。少し赤くなった顔で「どうだ、みたか」という表情をしていた。家に帰ってから、8歳上の長兄にこのことを話すと「アオダイショウだな」と言った。初めて聞いた「アオダイショウ」という名前が、またおそろしかった。

 

 ヘビの太さは掃除機のホースぐらいあったように思っていたが、それはあとから付け加えられたニセの記憶だろう。ヘビを初めて見て、しかもそれが自分とそう歳の変わらない男の子の腕に巻きついていたという衝撃的な光景が、再び思い出した記憶を誇張させたのだと思う。

 

 ずっと思い出すことのなかった40年近く前のことが、同じ神社を歩いていて、ふいによみがえってきたのは、お知らせ的ななにかだろうか。ヘビと神社、という取り合わせも怪しげな「おはなし」のようである。

 

 自分に都合よく開運方面にとらえて、宝くじでも買おうかと思ったけど、なんとなく止めておいた。

 

2018年5月8日
バータイム店主

 

【お知らせ】

5月10日より営業時間を下記の通り、変更します。

ランチ&カフェ 11時30分~16時

バータイム   19時~25時(ラストオーダー)

 

 

 


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 3月中旬、店に10代のころからの旧友8人が集まった。大半が同じ生まれ年で今年46歳。れっきとしたおじさんたちの同窓会である。

 

 この会が始まったのは5年ぐらい前。最初のころはまだ30代の気分を残していたから、よーし、今日はじゃんじゃん飲もうぜ、などといきがっていたけど、50歳の大台が「おいでおいで」と手招きしているいま、そんなことを言うやつは誰もいなくなった。

 

 彼らとは年に1回のペースでこうして顔を合わせては酒を飲んでいる。これが25年ぶりの再会ともなれば、お互いの変わった姿にギョッとするかもしれないけど、毎年顔を合わせているせいか、加齢による変化がよくわからない。そもそもみんな見た目が若いのだ。

 

 サラリーマンをずいぶん前に辞めてしまっているやつが数人いて、自由なペースで仕事をしているのも「ふけ方」のスピードに関係しているのかもしれない。フリーの雑誌編集やデザインを生業にしているやつらは仕事中もジーンズ、ヒゲ、サングラスといった軽快なナリでいるようだ。世間一般の40代後半、会社では結構エラくなっている人たちに比べれば、まあそりゃ若く見えるだろうな。そして怪しいおじさんに見えるのだろうなあ。

 

 わが身はどうか。そもそもバーの営みに適正年齢なんてものはないから、「ふけ」についてはどうでもいいし、あらがうつもりもないのだが、それよりも46歳の店主にはどういう態度物腰が求められるのだろうか、ということが気になっている。

 

 店をスタートしたのは38歳。いまの歳になれば、渋く落ち着きのある店主像を想像していたが、どうもそっちの方向には進んでいないようである。お客との会話に年相応の重みなし。身なりも昔とたいして変わらず。青春地代の洋楽を流しては、常連とキャッキャ騒ぐ。うーむ、こんなことで俺の人生はいいのだろうか、とハタと気づく。

 

 そういえば、飲食店主の知り合いは結構いるが、不思議と同じ年齢の人と会ったことがない。ぼくよりずっと若いか、先輩である。彼らのカウンターの中での立ち居振る舞いはとても勉強になるけど、年相応の「あるべき店主像」の指標がいまだに持てないのは、同じ歳の同業者がいないという理由もある。

 

 年齢の話はさておき、店を8年近くやってみて、よくわかってきたのは、小さな店では店主の人間性、知識、経験がもろに問われてくるということだ。それは酒や食べ物についてというより、もっと人間的な部分についてである。

 

 少し気障な言い方をすれば、その人が本来持つやさしさ、強さ、大切にしているルールや矜持。これまでに知ったこころの痛みや悲しみ。ユーモアとか、酒の飲み方とか――。 それらは自分が思っているよりも店の空気に反映されていて、お客にきっちりと伝わっているということがわかってきた。

 

 じゃあ、おまえの店は一体どうなんだ、と聞かれれば、これにはただうつむくしかないのだけれど、46歳になってもまだまだ勉強の身ととらえ、あせらず行けばいいのだと、やや強引に自分で納得している。

 

 

2018年3月27日
バータイム店主

 

 

 


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 カフェやバーを取り上げた雑誌をぱらぱらと読むことがある。一応、同業者であるからね。読むと、「おっ、やるな」とか「かっこつけちゃって」とか、まあいろいろと思うのだけど、どうも好きになれない話がいくつかある。ひとつがコレクションの話だ。

 

 よくあるでしょう、蔵書やレコードコレクションが豊富な店と店主の記事。それらがずらりと書架を埋める店内で、談笑する店主の写真。こうした写真を見るたびに、「ややっ、また出たな」と警戒するのである。ロクな本もレコードも持っていないし、洒落た雑誌の特集企画なんてものには見向きもされないので、これには個人的なひがみが大きく作用しているのだけれど、そればかりではないよ。

 

 あくせくやらなくても、多くの固定客をつかんでいそうな余裕と自信。商売っけを出さないくせに、きちんと趣味と経営を両立させている手腕。雑誌の写真をしげしげ眺めるたびに、へそ曲がりのジリ貧店主たるワタクシなどは、イラ立ちと敗北感がない交ぜになった気持ちを覚えるのである。

 

 そんなものをたくさん持っていたってえらくもなんともないじゃないか、と思う。うちの店のパソコンにも2万を超える音源が入っているけど、実際にBGMとして使っているのはせいぜい2000曲ぐらいだ。2万曲はきっと無駄なのだろう。だから、オープンからこの7年間に一度もかけていない曲などをちょこちょこ消してスリム化しているところだ。

 

 特定のモノを極端な数まで収集しているコレクターがたまにテレビなんかに出てくるけど、その表情にはどこかオタク的な恥じらいが見え隠れしている。例えば模型のコレクションとする。数千体の模型の前でカメラを見る主の目には「いい大人がこんなことにうつつを抜かしていて、なんだかすいません」というものを感じるのである。

 

 これが蔵書やジャズなどのレコードになるとどうだ。雑誌で見るそれには、恥じらいの色はなく、むしろ文化人的なこだわりと含蓄が顔ににじんでいるではないか。店主の口ひげや着ているシャツも味わいがあってかっこよく見えてきたぞ。読めば、喫茶店やバーとして商売の歴史は長く、街にすっかり定着。客は常連ばかりでなく、その店主の知識とセンスにつられて新しい客が扉を開けてくるという……すてきな話ですねぇ。じゃなかった、こういう話、鼻持ちならないんだよねぇ。

 

 いけないのは雑誌である。こうした特集ばかり組んでいる雑誌にひとこと言いたい(取り上げられないヒガミじゃないよ)。こうした大きな本棚のあるカフェや、アナログレコードぎっしりのバーなどを少し持ち上げ過ぎじゃないだろうか。自分の趣味など出さず、地味だけど真面目にやっている店にも目を向けるべきではないか。

 

 実際よりもよく見せるのが誌面の妙味と聞くから、こうした店の本当の顔はわれわれとたいして違わず、そんなかっこいいものではないと思いたい。実は経営はかつかつ、家族からは「そんなもの早く売るか捨てるかしてちょうだい」と毎日のように言われていたら、そっちのほうがいい話だなあ。

 


2018年2月27日
バータイム店主

 

 

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