男のぶりっこ的与太話 | カフェバー|credo|下高井戸駅1分

カフェバー|credo|下高井戸駅1分

バータイム店主による日々雑感

◆2月21日昼


 近所の三省堂書店に行ったら、直木賞受賞の『宝島』(真藤順丈著)、大沢在昌の新作『帰去来』、柚木裕子『盤上の向日葵』が並んでいたので、すべて手にしてしまう。さびしいわが財布事情につき、新刊の単行本3冊をまとめて買うのにややためらいがあったが、気合いを入れてレジに向かってしまった。今年もやっぱり2月は店がヒマである。これくらいの“夜のお供”がおれには必要なのだ。

 

 さて、どれから読もうかと考えた。真藤順丈は初めて手に取ったので気構えがいるなと思った。初期の新宿鮫のころからファンの大沢在昌はうれしい警察モノだけど、食べず嫌いのSFタッチでやや不安。トップバッターは安定したものがいいと思い、柚木裕子に決める。寒い冬の夜に、柚木裕子の佐方貞人シリーズのような男っぽい物語が読みたかったのだ――とかなんとか言って、本当のところはレジに向かう段階ですでに決めていたのだった。迷うフリをしていたのだ。こういうのをおじさんのぶりっこというのだろうな。ああやだやだ。

 

◆同日夜

 

 で、客のいないわが店のカウンターで読み始めて約20分、「あっ」と思った。「いや、そんなはずないぞ」と自分に言い聞かせ、読み進めるが、すぐさま、「うわぁ」と今度は声に出してしまった。間違いなかった。一度読んだ本であった。

 

 思えば、話の導入2ページ目で、「ん?」という最初の既視感はあった。さっき書いた「ああっ」と声を出したなんていう話は真っ赤なウソで、ただ、往生際わるく、「1900円もったいなかったな、あーあ」となどと思いながら、未練たらしく粘って読んでいただけの20分なのであった。なんともセコい話を書いてしまった。ああやだやだ。

 

◆2月26日

 

 ソラナックスがなくなってしまったので、かかりつけの医師のところへ。

 

 病院の帰りに日比谷公園の喫煙所でタバコを吸っていたら、向こうのほうに絵に描いたような古い売店があったのでぼんやりみつめる。近くに行ったら、古いけどよく整頓されているのが分かった。なかなかいい光景だったので写真を撮っておいた。

 

 

 

◆3月5日

 

 堀込泰行の公演を見に渋谷へ出かける。会場に入ると、バーカウンターのところで、わが店クレドのなじみ客であるSさんにバッタリ会う。ビール片手に、やあやあ、どもども、それじゃまたね、などと言い合う。

 

 堀込泰行はおととしから3回も見ているので、途中で飽きるかなと思ったけれど、そんなこともなく楽しかった。

 

 終演後、同じ公演を見ていた伊藤忠商事グループの広報IRマンKさんと桜丘に移動。前職時代にKさんとよく行った居酒屋で酒を飲んだ。Kさんはライブ後半でやった『最低速度を守れ』にいたく喜んでいた。店を出て駅に向かう道すがら、少し酔ったKさんの鼻歌からこの曲のメロディーが聞こえた。

 

 

2019年3月12日
バータイム店主