現代に通ずる袁氏世範 | クリエイジ コラム ◆ 一週一冊良い本を読もう ◆
2010-08-28 00:00:00

現代に通ずる袁氏世範

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 宋代(10-13世紀(960-1279年)日本の平安時代から鎌倉時代)に中国社会は大きく変革した。科挙制度導入、貴族に代わる士太夫登場、宋銭流通、小麦普及による食の拡充、周辺国への進貢外交などである。これにより平和が維持され文化が花開いた。近代の礎が固められた時期である。袁氏世範は宋代の役人であった袁采が子孫のために著した庭訓である。袁采の深い洞察に基づく考えが綴られている。その感性は現代の我々にも十分通用する。例えば子どもが誕生すると一途に嬉しい。だがその可愛い子は不幸を孕んでいる可能性がある。成人するに及び、資産を費消し、一家を離散させることがある。袁采は子を見極め、早めに対策を打てと言う。財産を分与して僧侶として寺に預ける、相続者から外し養子に出すなど。まるで船場の商家の訓えそのものである。
 ところで我々の中国観は総じて上滑りではなかろうか。孔子、老子の教えや三国志、水滸伝、聊齋志異などの小説や映画がその土台である。さらに理解を深めるには社会文化と結びついたこうした労作の読み解きが肝要である。

(推薦書籍)
宋代地方官の民衆善導論-「琴堂諭俗編」訳註
リーダーのための中国古典 日経ビジネス人文庫 グリーン も 5-1
東京夢華録-宋代の都市と生活 東洋文庫 598
宋代官僚制度の研究 北海道大学大学院文学研究科研究叢書 16
訳注「名公書判清明集」戸婚門-南宋代の民事的紛争と判決
知識人の諸相-中国宋代を基点として
中国都市の形象
宋銭の世界
中国古典小説選 7 宋代

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