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神田明神と神保町書店街

 正月には神田明神に商売繁盛を祈念した。神田明神は天平2年(730年)に創建され、江戸時代には幕府の尊崇する神社となり、明治時代に入り社名を神田明神から神田神社に改称した。地下鉄神保町駅の南に「学士会館」があり、この建物正面玄関の前に「東京大学発祥の地」の石碑が建っている。5代将軍綱吉は、現在の神田錦町、一ツ橋一帯に広大な密教の大寺院「筑波山護持院元禄寺」を建立した。護持院が享保2年(1717年)正月の大火で焼失した跡地が「火除地」となり、護持院ケ原と呼ばれた。明治初頭、護持院ケ原は、東京大学のほか東京外国語大学、学習院、一橋大学の発祥の地となった。
 この学生や先生を顧客に新書や古書の店ができ、約200店の神保町書店街が形成され、それに関わる出版社、印刷業、紙屋が集積した。さらに明治大学、日大、専修大、順天堂大、東京医科歯科大、東京理科大、東京電機大、共立女子学園などの私立大学も開校し、神田は教育・文化の中心地の一つとなった。

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