86.僕がレースで負けても悔しくなかった理由 | 鈴木 孝志

鈴木 孝志

レース歴はミニバイクを2年半程。
2015年からロードレースへの挑戦が始まりました。
2012年〜2014年NSF100
2015年〜2016年CBR250R
2017年〜 NSF250R






それは、負けたと思っていないから。
リザルトで下位に沈んでいても、僕の方が上だったんじゃないか?と多少疑問じみていても思えるから。




結果で負けている以上はただの負け惜しみでしかないのは分かっていますが、
終わったからヨシ。では片付けられない事もありました。

負け惜しみだと思う方はそれで良いと思います。
信じてくれる方はそれでも良いと思います。

僕はそれでも、この件について記事にすることが出来るくらい、自信を持って納得がいっていないのです。





それでは僕の言い訳を綴りますので、マイナスな記事を読んで気分を害されたくない方は読まないで下さいね。(笑)

意地悪ではありません。真実を、レースの内容を知って頂きたいだけです。









まずレース1の内容。
予選走らずしてトップでチェッカーを受けたBクンに負けて、颯くんには勝ちました。
僕は2位でした。




僕はレースのつい前日まで頭は痛いし体はだるいし喉も痛くて咳が続いて
レースの準備段階の評価としては大馬鹿野郎です。
本当は誰とも話したくないくらいだるいし疲れていました。





レースは万全の状態を備えるのが当然。


それでもレース当日は体調も良くなり、ギリギリ間に合わせた感じで迎えました。
今までの努力はプラマイゼロになっちゃったかな、という状況。








レース当日、BBクンは自分のマシンの調子が悪く、オイル漏れや電気系がふっとんだり
エンジンの腰上までも故障して、絶望的な状態で、予選を走れず。


ALTECの若い衆の一人であるカズマの善意で別の方からマシンを拝借し、BBクンのマシンのサス等を移植してレース1を走りました。

そんなBBクンに僕は負けました。





理由、、異常なマシン差。
それと、バックマーカーの運。


たまに鈴鹿を走っていると同じクラスのマシンなのに、いくらコーナーを速く走り、早くアクセルを開けても
異常なマシン差で抜けないことがあります。

僕はそれを美浜で体験しました。
CBR250ではそれ程ストレートが長くない、美浜で。
進入は追いつく。曲がる、開ける、負けていなかった。

バックマーカーの運は仕方ない。
それは確かに抜かれるキッカケの一つにはなったが、運営側がビギナーとエキスパートを混走すると言えば、参加者全員がそれに従う。
みんな同じリスクを持って戦う訳だ。
その事について、何も言及するつもりはないし事が終わった現在では僕の判断が間違っていた。としか言いようがないのだ。
正直にそう思っている。



BBクンは言いました。
「楽勝だったーって言えばいい??ディヒヒ」

僕は言いました。
「好きに言いな」



そんなマシンでは勝って当たり前。

勝って当たり前・・・
そんな言葉は今まで反対派だった僕ですが、そんな事も言いたくなるくらいの差でした。
なんで僕の方が早く向きを変えて早く開けているのに、ストレートで離れる??

君はそのマシンにどんな苦労を費やした?



レース中に僕が後ろについている時は、前の車両がアクセルを開ければ分かります。
だいぶタイミングが違う。
開け始めから、全開のタイミング、ラインまでどれを取っても僕の方が良かった。
僕が後ろに居たから冷静にそう評価出来る。


マシンが良くなかった?そんな訳ない。僕のは調子のいいマシンだ。
きちんと整備してきたし、全体的に見てマシンは速い方だから言える。



そんなどうでもいい事をネタにブログが書けるくらい、衝撃的な差だった。
「知らない人にマシンを貸すなんて非常識だし、余程の自信があるマシンなんだろうね」
と誰かが言っていたが、そのとおりだった。(笑)



まあ、同じ事柄でも状況でコメントが変わるBBクンのコメントはいつにもまして面白かったのでこれくらいにしよう。
僕が言いたいのは、自分が何もしなくてもただラッキーなマシンで勝ったその事実だけで、今までの全てを覆す程のコメントが出来るなんて、関心するなぁ。という事だ。
その結果だけを見て評価する、哀れな人達。
レースは結果が全て。とはよく言うが、何の内容も知らない人たちが評価しようする、リザルトだけで評価出来てしまうそんなこの世界が、幸せなんだな、と思った。

僕はそんな風にボケない人間になろうと誓った。



レースで万全の状態を整えるのは、自分であるべきだからだ。

そんな相手に負けても悔しさはなかった。
でも当然、僕は楽しくはなかった。

だけど現実的に可能な話だ。当人さえ納得すればそれで良いのだ。
不条理な世界だ。とちょっぴり思った。




3位でチェッカーを受けた颯くんとは、バトルしていない。
僕の後方を、単純に同じペースで付いてきていたので、バトルしなかった。
それだけだった。








レース2の内容。ここでも一件あった。

グリッド整列。レース1の順位でグリッドが決まる。
レース1で勝ったBBクンがポール、2番が僕、3番が颯くん

BBクンを追う気はなかった。それ程のマシン差だった。
バックマーカーと絡むこともあり、ヒヤッとした瞬間は何度かあったが、順位は変わる事なく周回を重ねた。
電光掲示板の表示は残り3周。



あと3周か、、後ろには颯くんがいる。岡山のレースで上位に食い込む実力者だ。
前にはペースが落ちてきたBBクンがいる。コーナーがめちゃめちゃ遅い。
なんとか颯くんだけは押さえ込んで、BBクンにも仕掛けられたら。。

またもバックマーカーが非常に微妙なタイミングで、、
無理やり入る。ゴメンナサイ。。
少し接触してしまうも、どちらも転倒なし。

颯くんとの距離が少し近づいてしまう、、BBクンはもう射程圏外になった。

颯くんにバックストレートエンドで抜かれる。
次のコーナーで抜く。


電光掲示板を見る。
残り2周か。


その周のバックストレートエンドで、4速から3速に落とす際に幻のNギヤに入った。
ミスった。。。汗

それがキッカケで次の定常円コーナーで颯くんに抜かれる。
僕はミスをしたのはバレたと思ったけど、詰められるコーナーは分かっている。
チャンスはある。というか今回の美浜では悪い言い方ではあるが敵ではなかった。
すると定常円の次は最終コーナー。

颯くんは、インを閉めてきた。
「最終コーナーを閉めてきたか。焦っているのか?1コーナーで仕掛けよう。」
立ち上がりで颯くんのリヤタイヤのアウト側に僕のフロントタイヤが入り込んだ。
次の1コーナーでは、僕がイン側を取れる。



「最終ラップで次の1コーナー、確実にいける!!」





ストレートの途中で、颯くんはアクセルを緩め体を起こした。



???



前を良く見るとBBクンがガッツポーズしている。


電光掲示板に残り周回数の表示はなく、赤の表示灯が点灯している。




なんだ・・・?




赤旗・・・?いや、違う。
周囲を見渡して分かった。













レースは終わっていた。










僕のマシンに取り付けてあるラップタイマーは、美浜では反応しないので、電源は切っていた。
だから、サーキットの電光掲示板の情報を元にレースをしていた。

前の周で残り2周の表示があったのに、次の周にはレースが終わっていた。


僕はレースが終わってピットに戻った。
レースを見終わった方たちが駆けつけてくれた。


僕はすぐに聞いた。
「今の10周走った?」


「分からない。でも残り2周の次の周でチェッカーを振っていた」
たくさんの人がそういった。その中には、さっきまで一緒に走ったライダーもいた。




だよねー
レース中でも今日の僕は冷静だった。
見間違えるはずがないのだ。

すぐに管理棟へ向かった。
「今のレース、残り2周で終わっちゃったんですけど。。」

そこには軍団長がいた。
「本当か!?確認してみる。」


美浜サーキットスタッフの声。
「10周しとるわ。大体証拠も無いし。L1の表示はコントロールラインの下で出したからそういう言われはないよ。まず証拠がないからね!!」








美浜サーキットに、こんなヤツがいるんだなと思った。ショックだった。
居なくなればいいのに。と思った。



軍団長は言った。「サーキット側の言い分は、L1の表示出しとったで、電光掲示板で残り2周って表示されとったとしても、仕方ないけど納得するしかないわ。」


「はい。」


その通りかもしれない。
ただ僕が納得出来なかった。

管理棟を出る時には何も感情がなかった。
訳が分からないままレースが終わっていた。
怒りさえも覚えなかった。







レースは、運営も環境も参加者も、ルールにのっとって行われる。

路面は整備され、何かが落ちていても文句は言えない。
マシンが飛んできて、接触して転倒してしまっても文句は言えない。
それがルールだからだ。


前回の記事にも書きました。
レースは整備されたバイクで、
整備された路面、環境、運営で初めて正式なリザルトが成り立つと思っています。


コントロールラインの架台上で、黄旗や赤旗は出したりするのに、なんでL1(ラストラップ表示)は架台の下で出すのか。。
僕はバイクがへたくそで周りも見えないし、ただでさえ見難いL1ボードが見難いコントロールラインの下でなぜか表示されてしまうので、いつも電光掲示板を見てレースしていた。


今回も、同じだった。
でも裏切られた。
運営に嘘の表示を出され、それを信じた僕は、負けた。

機器が調子悪いなんて聞いていない。もちろん調子が悪いなんて事はなかったらしい。
残り2周表示しちゃってもL1表示を出したからOKなの?
それを両方確認したライダーが居るのなら、間違いなく混乱するだろう。
混乱するような状況を作っても、運営側は自信満々なのだ。




そんな僕は3位でチェッカーを受けたのだった。
2位で受ければ、シリーズランキング2位でグランドチャンピオンシップの出場権がもらえる。
僕自身あまり興味はなかったけど、周りの方々の後押しで、出てみてもいいかな。
もし出れるなら、精一杯頑張ろう。と思っていた。

でも僕は3位だった。
シリーズランキングは3位。
グランドチャンピオンシップの出場権など、ない。

雲泥の差だった。



Bクンのマシンのお話は当時どうでもよかったのだが、この表示違いの一件でそれさえも、、何もかも納得出来なくなってしまった。
巻き込んでごめんねBBクン。
でも、あのマシンは普通じゃない。
そして君のではない。
「エンジンじゃないよ、あのマシン、リヤサスが柔らかいおがけなのか、開けやすいもん!!」
と言い訳した事で
君のセット能力の無さが証明された瞬間でもあったんだよ。
自分の今のマシンセットで、同じような走りが出来るかな?




なんで知らない人のマシンが速くて、こんな事が。
なんで電光掲示板の表示が違ったのか。
なんでL1表示出したからそれで良いと言えるのか。

なんで、、、一番勝ちたかった美浜サーキットの重要な最終戦で、こんな事が。





レースは整備されたバイクで、
整備された路面、環境、運営で初めて正式なリザルトが成り立つと思っています。
体もマシンも、周りの助けを借りながらでも最終的に自分が作っていくもの。
それも含めて全部レースだと思っています。

その中でクレバーな戦いをしたかった。
数々のライバルと共に、今までの下準備の成果と知恵と魂で
熱いレースをしてお互いに高みを目指したかった。




今回のレースのリザルトは納得していません。
皆が皆、自分のマシンで走っていたら。
サーキットの運営がしっかりしていたら。


結果は変わっていただろうと思います。






もう散々な一日だった。
そんな感じで僕は至上初の全然楽しくも悔しくも無いレースに時間とお金を掛けて



ただの負け役者になった。




















そんな事さえも関係ないくらい速いライダーだったら。
そうなる為に努力を続けていきます。


努力は報われるものではありません。
報われたいから努力する、それだけなのです。