『競争の番人』 新川帆立              講談社

352p

 

 

弱くても戦え! 『元彼の遺言状』著者、注目の新鋭が放つ面白さ最高の「公取委」ミステリー。

ウェディング業界に巣食う談合、下請けいじめ、立入検査拒否。市場の独り占めを取り締まる公正取引委員会を舞台に、凸凹バディが悪を成敗する!

公正取引委員会の審査官、白熊楓は、聴取対象者が自殺した責任を問われ、部署異動に。東大首席・ハーバード大留学帰りのエリート審査官・小勝負勉と同じチームで働くことになった。二人は反発しあいながらも、ウェディング業界の価格カルテル調査に乗り出す。数々の妨害を越えて、市場を支配する巨悪を打ち倒せるか。ノンストップ・エンターテインメント・ミステリー!

「デビュー2年目の勝負作です。わくわくドキドキ、ちょっぴり身につまされ、不思議と力が湧いてくる。理屈抜きで面白い王道エンターテインメントを目指して書きました。エンタメの幕の内弁当、どうぞ召し上がれ!」―新川帆立(Amazon)

 

 

この本は必要に迫られて、一晩で読みました。

結構ボリュームがありますが、とても読みやすく、面白かったです。

公正取引委員という名称はよく聞きますが、実際には幅広いお仕事なんですね。

ただ漠然とこういう方がいらっしゃるという認識だけでした。

警察でも検察でも税務署でもない、つまり権限がない。

その中で戦うことの難しさ。

でも絶対不可欠な職業で、公正取引委員のおかげで社会は安定して成り立っているのですね。

 

登場人物もその名前も個性的です。

ハーバード大出身の癖のある審査官との掛け合いもテンポがよく面白いです。

刑事物とはまた異なり、こんな悪が存在するのだと驚きました。

人を出し抜き、隙あらば正直な人たちを騙して儲けようとする悪に立ち向かう姿が

印象的です。

 

ドラマ化されたこの作品、読む価値ありです!