モロッコ 1 - 0 ポルトガル

序盤からポルトガルはモロッコの守備に苦戦する予想通りの展開。

グループリーグのクロアチアとベルギー、決勝トーナメントに入ってもスペインでさえも崩せなかったモロッコの堅守。
時間の経過と共にいつしかモロッコから、ポルトガルが開幕戦と決勝戦で2度に渡って敗れた2004年のEURO覇者のギリシャの影が重なり始めました。



そんなことを考えてる間に試前半42分、左サイドからヤヒア・アティヤット・アッラーがクロスを長身のユセフ・エン・ネシリが打点の高いヘディングを叩きつけ、モロッコに先制ゴールを奪われてしまいます。

思い起こせばEURO2004の決勝戦で奪われた決勝ゴールもアンゲロス・ハリステアスのヘディング…一瞬僕の中であの時の悪夢が頭をよぎりました(>_<)。

ポルトガルは前半終了間際にオタヴィオのロングボールを右サイドのディオゴ・ダロトが頭でつなぎ、エリア右のブルーノ・フェルナンデスが浮き球をダイレクトボレーを放ちますが、クロスバーに阻まれ同点ならず(>_<)。


後半入ると、開始早々の6分にこの日もベンチスタートづだったクリスティアーノ・ロナウドを投入し、ここからやっと攻撃のリズムが生まれ出します。
ほとんどをモロッコ陣内でプレーするポルトガルですが、途中から5バックに変え、さらに厚みを増したモロッコの守備を切り崩せません。

後半37分には相手のクリアミスを拾ったリカルド・オルタが折り返し、中央のロナウドがワンタッチで落とすと、反応したジョアン・フェリックスが左足でミドルシュートを狙いましたが、相手GKヤシン・ブヌのファインセーブに阻まれます。

さらに後半アディショナルタイム1分、スルーパスに抜け出したロナウドが右足を振り抜くも、またしてもGKブヌにセーブされ、どうしてもゴールを奪えません。



結局ポルトガルは最後までたったの1点が遠く、このまま敗戦…。
18年前のあの悪夢が再び再現されたかのようになりました…。

攻撃陣にタレントを揃え、ラウンド16では堅守と呼ばれたスイスを相手にほぼほぼロナウド抜きで戦いながらも6得点を奪って自信を掴んだはずのポルトガルを持ってしても崩せなかったモロッコ。

この勝利によりアフリカ勢初のW杯ベスト4進出を達成。



チームとしてのまとまりや強さはもちろんそうですが、
僕がその大きさを感じたのはサポーターの存在。

90分間鳴り止むことのなかったその大声援。
モロッコに対しては拍手と歓声、ポルトガルに対しては激しいブーイング。
それはまるで僕もかつて過ごした埼玉スタジアムの浦和レッズサポーターを思わせました。

チームを勝たせるためのスタジアムの雰囲気…モロッコのサポーターは完璧にそれを作り出せていました。

全てにおいてこの日のポルトガルは完敗でした。




18年前にギリシャにやられた時と全く同じパターン…。

僕と同じような気持ちを持っていたのか、ロナウドはあの時と同じように試合後に涙を流しました。
若い時は『cry baby(泣き虫)』と揶揄されていたロナウドですが、本当に悔しくて泣いたのはあのギリシャ戦以来だった気がします。

長年のライバルであるアルゼンチンのリオネル・メッシは、今大会が最後のW杯と既に公言しているのに対し、ロナウドは、
『体が持つようなら次もやるかもしれない。』
という相変わらずの前向き思考な発言をしています。

まだ本人の口からどうするかはコメントされていませんが、僕としては納得するまでやってほしいですし、
クロアチアのモドリッチや日本の長友佑都、はたまた野球でいえば我らが東京ヤクルトスワローズの青木宣親や石川雅規など、形は違えどベテランの存在がチームを支えることもありますので、まだまだ彼には代表チームにいてほしいと個人的には思います。
彼には後悔のない決断をしてほしいです。



そして、初めての本格的な代表レギュラーとなってからの初めてのメジャー大会となったわが愛しのジョアン・フェリックスにとっても悔しい形での最後となりました。

今大会は4試合にスタメン出場して1ゴール2アシスト。
数字としては地味ですが、普段アトレティコで見せてくれているようなプレーを随所に見せてくれましたし、僕としては満足ですし、上々のデビュー大会でした。

大先輩であるロナウドも、19歳の時メジャー大会デビューとなったEURO2004で決勝戦でギリシャに敗れる悔しさから始まりました。


現在23歳の彼にとってはここからがスタート。
いつの日か必ずやポルトガル代表を初めてのW杯制覇やEURO王者奪還へと導いてくれると信じます。

スワローズが日本シリーズで敗れた時にも言いましたが、ここからが、『Starting over』。

僕はずっとこれからもポルトガル代表を熱烈応援していきます。