こんばんは。


寝られない夜に、ずっと公開したくて書いていた記事を。

場面緘黙症と場面緘動症についての記事を公開します。


特に私の困り事である、場面緘動症をお伝えしますね。

今回は長くなってしまいますが、お付き合いください。


『場面緘黙症』という言葉を、一度は聞いたことがあるでしょうか。


不安障害の一種で、「家などの慣れた場所では話すことができるのに、学校や職場などの症状を持つ本人が不安や緊張を感じてしまう場面では、声が出せなくなってしまう」疾患になります。

場面緘黙症の対策として、誰かと会話をする代わりに、筆談やメールなどの、声以外の手段でコミュニケーションを取る方もいるようです。


対して、『場面緘動症』という言葉を聞いたことはあるでしょうか。


『場面緘黙症』のいわゆる体バージョンで、本人が不安や緊張を感じる場面において、「体が動かせなくなってしまう」症状のことをいいます。


私が困っているのは、『場面緘動症』「体が動かなくなる」症状になります。

不安や感覚過敏を抑える薬を飲んでも症状は強く、難しさを感じています。


私の場合は、人が大勢いる場所に身を置くことや、人から見られていると感じる場面が、体が動かなくなる症状の引き金となる気がします。


私が不安や緊張を感じて恐怖心が極限に達すると、私の脳が私の身を守るために、体の動きを止めるのでしょう。動悸や発汗や発赤など身体症状は出ていないのに、体が動かなくなると突然、まるで棒人間のようになってしまいます。


動けなくなってしまうため、例えば外では、バスや電車に乗るための列に並ぶことや、そのまま歩き進んでバスや電車に乗ることができません。

駅でずっと棒立ちのまま、立ち往生してしまいます。

動けなくなっている時には声も出せなくなっているために、突然どうしたのか、どうしてほしいのかが、周囲の他人には全く伝わりません。

いつまでも無表情で棒立ちの私を見て察して下さった方が、そっと声を掛けて手を引いてくださり、その場から移動することができています。


誰にも気づかれないなどスルーされ続けた場合、最長記録では、駅中で1時間動けずにずっと同じ場所に立ちっぱなし、ということがありました。

この時は最終的に、駅員さんが私を車椅子に乗せタクシー乗り場まで連れて行ってくださり、タクシーに移乗させてくれて帰ることができました。


全く動けなくなっているということは、会社に電話やメール連絡をするために、手を動かすことすらもできなくなってしまっているのです。


場面緘動症の症状を会社に伝えてからは、「遅刻しても連絡は要らないから、とにかく安全に会社に着くか、移動が難しい場合には、引き返して休んでも良い」ということになりました。


以上が主に私が外出時に困っていることです。


社内で困っていることは、エレベーターに乗り降りできないことと、飲食ができないことです。


エレベーターの乗り降りは毎日のことなので、会社のフロアに辿り着き社内に入るまでは毎回気が重いですが、動けなくなった時は、上司や同僚の手引きで何とか移動することができます。


社内での飲食、昼食については、他の社員と昼食時間をずらしてもらい、私一人だけで休憩室を使える時間をもてるようにしてもらっています。

休憩室に他人が入ってきてしまってはもう体が動かせなくなってしまい、手を動かせず食事を摂ることができなくなってしまうために、誰もいない間に昼食を食べ終えるように努力しています。

社内懇親会などの会食ではきっと、体が固まり手が動かせなくなって「食べる」という行為ができないはずなので、お誘いを受けても気持ちだけ受け取り、実際には全て断るようにしています。


水分補給も、周囲に人がいる状況では、全くできなくなってしまいます。

手が動かなくなってしまうのでコップを持つことができなくなるのです。


対策としてストロー付きの水筒を買って、もし動けなくなって手を動かせずにコップを自分の口に運べない時にでも、顔を少しでも動かすことができれば、あとはストローから飲み物を吸い込めば水分補給ができるようにとしたのです。

ところがそれは失敗に終わりました。体が全く動かせなくなるために、ストローから飲み物を吸い込むことも、運良く吸い込めたとしても、今度は、飲み込むことができなかったのです。


困るのはこれからの季節です。夏になって飲まず食わずでは、脱水症状になってしまいます。


主治医やカウンセラーさんに相談したところ、やはり「真夏にその状態では死んでしまう!」とのことで、会社に頼んで自分のデスクにパーテーションを設置してもらうことにしたのです。

パーテーションを置き自分の机をボックス型にして他人の目を遮るのです。そして、パーテーション内の自分の机の中にたくさん飲み物を置き、他人から見えない状態で水分補給をするのです。少しでも水分補給ができればいいなとの希望でパーテーションを購入していただきました。

主治医もカウンセラーさんも、「飲み込みまできかなくなってしまうなんて、早く在宅勤務日数を増やしてもらえるといいね」と言っていました。


こんなぎこちない状況ですが、私は何とか社会生活を送れています。


長くなりましたが、私がこの記事を通して伝えたいことがあります。


それは、「困っていそうな人がいたら、ぜひ声を掛けてほしい」ということです。

場面緘黙症や場面緘動症は、なかなか外見では困難さが伝わらないかもしれない。

もしかしたら、助けてあげようと手を貸したのに、断られてしまうかもしれない。


それでも、助けてほしい。

助かる人は必ずいるはず。

私もいつもそうなのです。


ガチガチに固まった体も、そっと声をかけてそっと手を添えていただいたら、ふっと緩みます。

その人なりのタイミングではあるけれど、誰かのおかげで不意に動き出せることもあるのです。


だから、助けていただいたらありがたいです。

街中では、どうぞよろしくお願いいたします。


ちなみに、今回の記事を書くにあたり、事前に読んだ本が2冊あります。


杉之原千里 『みいちゃんのお菓子工房 12歳の店長兼パティシエ誕生 〜子育てのアンラーニング〜 (PHPエディターズ・グループ 2024年)と、

モリナガ アメ・高木潤野『話せない私研究:大人になってわかった場面緘黙との付き合い方』(合同出版 2020年)という書籍になります。


小児期・児童期の『場面緘黙症』についての本はいくつかありましたが、

思春期から大人の『場面緘動症』についての本は見当たりませんでした。


そんな中で見つけたのがこの2冊。

youtubeには、動画もありました。


ぜひ参考にされてみてくださいね。


ではまた。