原発と戦争を推進する日本の暴走(6) | 日本と世界の情報ブログ

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(6)溶け落ちた炉心を冷やすために注水が汚染水を増やしている!

 事故から4年半が経ったのに、どうしてまだ水を入れ続けなければならないのか? それは崩壊熱があるからである。原子力発電と言うのは、ウランを核分裂させて、その時に生じるエネルギーを取り出して電気を作る仕組みである。しかし、何かトラブルがあれば、先ずは原子炉を止める、つまり、ウランの核分裂連鎖反応を止める。そして、原子炉の運転を止めれば、自らは発電することができなくなる。だが、原子炉内にはウランを核分裂させた約200種類もの放射性物質が大量に留まっている。これを核分裂生成物と呼んでいる。この核分裂生成物が原子炉の運転をストップしても延々と発熱し続けるのである。これが崩壊熱である。

 福島原発の事故で原子炉が止まった直後、この崩壊熱は1号機でも10万キロワットくらいあった。3日経った後も5000キロワットを越えていた。電気ストーブ5000個分、家庭用のお風呂に張った水が1分で蒸発して空になるほどの熱さである。この熱を、とにかく冷やさなければいけないので、どんどん水を入れているのである。でも、圧力容器の底は抜け、格納容器すら壊れているので水が漏れ出し、格納容器内の水位が上がらないのである。それでも、冷やし続けるためには間断なく水を入れるしかなく、入れれば入れるだけ、どんどん放射能汚染水が外部に流出してしまうというジレンマに陥っている。

 毎日増え続ける放射能汚染水を、防ごうと現場では労働者が苦闘している。1日に働く労働者は約7000人で、もちろん東電の社員ではない。下請け、孫請け、そのまた下請け、孫請けと多重な下請け関係の中で、次々と賃金をピンハネされ、個々の労働者の手に渡るときには、最低賃金にも満たないというのが現状である。そして、半数以上が作業経験が半年未満だという。このままでは廃炉作業が破綻してしまう。

 チェルノボイリ原子力発電所の場合、事故を起こした原発は1基だが、60万とも80万ともいわれる軍人、退役軍人、労働者、一部の囚人が、事故の収束作業に駆り集められた。福島第1原発の事故で壊れたのは4号機も含めると4基であり、どれだけの労働者を集めることができるのか想像もつかない。それにしても問題なのは、「福島第1原子力発電所はアンダーコントロール下にあり、安全だ」と、緊急事態解除もしていないのに、世界に宣言した安倍首相の言葉である。結果として東京オリンピック開催が決まったが、残念ながら、福島の現場では、いまだに苦闘が続いている。原子力緊急事態宣言を、4年半たっても解除できないにも関わらず、オリンピックなどに浮かれていることが恥ずかしいことか、日本政府も東京電力も国民も自覚すべきである。

 原発労働者の被曝限度は平時で年間50ミリシーベルト、5年間で100ミリシーベルトと決まられている。しかし、2011年3月11日、東京電力福島第1原子力発電所で未曾有の過酷事故が起きると、緊急作業時の100ミリシーベルトと言う被曝限度は到底守れないことになり、想定外の緊急事態だから、その上限が250ミリシーベルトに引き上げられた。そして、2013年4月中旬、厚生労働省の検討会が、「原発で今後、大事故が遭った場合、緊急作業にあたる作業員の被曝線量の上限を、100ミリシーベルトから自動的に250ミリシーベルトに引き上げる」との報告書をまとめたという。

 本来なら、作業員の健康に配慮し、被曝限度を下げるのが役目であるはずの役所が、事故終息のために積極的に作業員の被曝を容認するのであるからグラックジョークである。確かに、苦闘している労働者のおかげで危機的な状況をある程度抑えることができている。しかし、環境に放出する放射性物質の量を少なくしなければならない。政府は、法律で守れなくなると、その法律を兵器で反故にする。この原発労働者の被曝線量の上限を、状況によっていつでも勝手に引き上げようというのであるから呆れた政府である。

 原発は危険で事故を起こすものだということが前提になったのは当然である。それゆえ、原発の再稼働を許さないことが大切である。しかし、残念ながら、九州電力川内原発が再稼働してしまった。