NLPは三人の卓越した能力をもつセラピストをモデリングしたところから始まりました。
モデリングとは、相手を詳細にキャリブレーションして、相手そのものになりきることです。
セラピストの優れた能力に再現性をもたせ体系化したのがジョン・グリンダーとリチャード・バンドラーです。
この時、二人は自分を超えて相手そのもになっていたと思います。
モデリングすることにより、相手と同一化していくこととは、自己を超えることでもあります。
私に、このことを気づかせた言葉が「妙観察知(みょうかんざっち)」です。
この「妙観察知」は密教の5つの智恵の一つです。
(法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察知、成所作智)
「妙観察知」とは、一切の主観を入れず、物事を客観的に観察することです。
NLPでは、キャリブレーションですね。
あまり安易に知識と知識の間にリンクを張るのも、なんなんですが、私はそう思ったわけです。
キャリブレーションとは、主観的なフィルターを通さず、測定するかのようなデータ収集です。
この集められた情報をもとに相手をモデリングします。
モデリングに「妙観察知」の解釈を加えていきます。
『主体(観察している本人)と客体(観察されている対象物)の「二元性」を超越することに相当する。』
つまりモデリングを深めると言うことは、自分と他人(相手)という区別(境界)からの脱却でもあるということです。
これは紛れもなく「自己超越」です。
「妙観察知」という言葉に出会うことによって、モデリングに新たな可能性を見る事ができました。