ごめんね、秦くん、

昨日のライブ、すっぽかしてしまいました。

なんとなく体が乗らなくて、

というか山崎くんがまだ胸に残っていて、

お財布の中にはチケットが入ったまま、

クアトロの前を通りながら、

昨日だったら、と考えないといったら嘘になる。

今日は横の映画館でこれを観た、『転々』。>>


借金を抱えた大学8年生の文哉の家に、

ある日、突然借金取りの男・福原がやってくる。

幼い頃に両親は離婚、育ての父親は逮捕されていて、

返済のあてのない文哉は借金を返せぬまま期限だけが迫る。

その期限の前日、福原はある提案をする。

それは100万円と引き換えに、東京散歩に付き合ってくれと。

嫌な予感のする彼だったが、借金返済の為しかたなく同行。

こうして文哉と福原の東京散歩が始まった。


オダギリジョー×三木聡による完全なる時効警察ムービー。

時効ファンにはたまらない作品ですよね。

私は、オープニングタイトルの映像、商店街をてくてく歩くふたり、

背後の果物屋のミカンが崩れ、子犬が通り過ぎていき、

たった1分あるかないかの映像で、うれしくなっちゃいましたけどね。

不幸を絵にかいたような男・文哉は、

それでも日々飄々と生きていてまるで時効の霧山くんみたい、

執着とかなさそうだから見てて楽だし、

いい加減で茶目っ気たっぷりの福原は借金取りなのにどこか温かみがあって、

でも本当は奥さんを殺してしまったと言うし、

彼のどこまでが嘘かなのか本当なのか?とか、

なんでそこで岸部一徳?とか、

そんなことをいちいち疑問に思っていたらナンセンス、

おお!こんなところに"スナック時効"、

おお!笹野さん今度は畳屋さんなのね、

おお!三日月くんもしっかり交通整理してる!と小さな発見のオンパレード、

っていうか、こういうオダジョーは格好良くって好きだけど、

三浦友和さんがこんな強面でだらしのない福原なんて、

ちょっと受け入れ難いというのは別問題、

岩松了さん、ふせえりさん、松重豊さんのスーパー3人組は、

一体いつになったらマンションに到着するのでしょうかねぇ。

散歩のようなブラブラ感、たまにちょっと道草して、そんな感じの映画。

肩肘張らず映画館の椅子に座っていられるのは、なんとも良い心地だ。


良い意味のいい加減さで続く散歩、突然現われた石原良純に驚きながらも、

二人の後姿がそっくりだ感じたのはどうも私だけではありませんでしたね。

いつしか福原と文哉は本当の親子なんじゃないかと、

他人だらけの偽装家族がいつしか本当の親子のように見てくるから不思議。

ひとりぼっちのはずの二人のロードムービーが、

最後には温かい家族の図になるなんて、私は予想もしていませんでした。

家族の形を知らない文哉が、親父と呼び、母さんと呼び、

チャツネを持って逃げようかと迷っている姿が可笑しくも切なく、

カレーが辛いよと泣く文哉に思わず胸がキュン。

再び歩き出した二人が歩く銀杏並木の美しいこと。

福原はさらりと行ってしまいましたね。

でも、それは彼らが出会う前の状態に戻っただけのこと、

目的地に到達しただけのこと。

ラストは全然感動的でも湿っぽくもありません。

でも、心はじんわりじんわり確実に温かい、そこが素敵。

後に観た『ALWAYS~』より、私はこの作品のほうがよほど好きですね。


はい、和み映画の次は、憩いの映画だそうで。

ついに流れましたた『全然大丈夫』の予告。

"憩いまくりたい人々に贈る 恋のユル騒ぎムービー"。

荒川良々の『憩いまくりたいのぉ~!』が頭から離れませんっ。