比較されると苦しくなるのはなぜ?

「〇〇さんのほうが覚えが早くて助かる」

そんなふうに誰かと比べられると、誰でもいい気はしませんよね。

でも、アダルトチルドレン(AC)の方は、こうした比較に対して過剰なほど強く反応してしまう傾向があります。


時には、直接言われなくても反応が起きることがあります。


たとえば、他の人が褒められている場面――

「〇〇さん、最近すごく頑張ってるね!」

そんな言葉を聞いただけで、頭の中では

「ということは、自分はできていないってことだよね…」

というストーリーが勝手に始まり、胸がギュッと締めつけられるような気持ちになります。


そして一度そのストーリーが動き出すと、感情がどんどん膨らんでいきます。

「やっぱり私はダメだ」「認められたいのに…」「また見放されるかも」

と、次々に新しい感情とストーリーが生まれてしまい、やがて感情の嵐に飲み込まれていきます。


  AC特有の「条件反射的な感情反応」


このように、比較されることによって感情が激しく動くのは、アダルトチルドレンの方に多い特徴のひとつです。

特に注目したいのが、その反応がまるで条件反射のように思考を飛び越えて起こるということ。


普通なら、何かを考えてから感情が動きます。

でもACの方の場合、「比較」や「否定」の場面に遭遇すると、考えるより先に感情が爆発するのです。

それはまるで火に油を注ぐように、瞬間的に心が反応し、自動的にストーリーが始まってしまうのです。


しかもそのストーリーは、感情が強ければ強いほど、現実からどんどんかけ離れていきます。

現実ではただ誰かが褒められただけなのに、心の中では「自分はダメな人間だ」という結論に結びついてしまう――

こうした反応は、ACの方が幼少期に身につけた生き延びるためのこころのクセとも言えるでしょう。


  感情に振り回されないために


ただし、この感情反応にはひとつの大切な特徴があります。

それは、「条件反射で生じた感情は、時間が経つと自然と弱まる」ということです。


つまり、感情のピークは最初だけで、何もしなくても徐々に落ち着いていく力を持っています。

ところが、多くの方がその直後に「自分はダメだ」「きっと見捨てられる」といったストーリーを加えることで、感情を再び強くしてしまい、何日も引きずってしまうのです。


逆にいえば、「今のこの感情は、条件反射によるものなんだ」と理解できれば、必要以上に自分を責めずに済みます。

そしてストーリーの展開をストップさせることができれば、感情の嵐も次第におさまっていきます。


私のカウンセリングでは、こうした感情とストーリーの悪循環に気づき、そこから抜け出す方法を一緒に探っていきます。

さらに、条件反射の元となった「過去の体験」――つまり、「誰かと比べられて傷ついた記憶」や「存在を否定されたように感じた場面」などにもやさしくアクセスしていきます。


「人に認められたい」「存在をわかってほしい」

そうした願いが叶えられなかった経験が、比較や否定に過敏に反応する心をつくっていることが多いからです。

 

  おわりに

「自分は自分でいい」と心から感じられるようになるには、少し時間がかかるかもしれません。

でも、感情のしくみを知ることで、「つらい」と感じる頻度や深さは確実に変わっていきます。


あなたが少しでも楽に、安心して自分らしく生きられるように――

これからも、そんなヒントをお伝えしていきたいと思っています。




最後までお読みいただきありがとうございました。


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