先日、能の装束をつけるところを鑑賞する
イベントがありました。
これは11月3日に大濠能楽堂で公演される
能「班女」
のプロモーションイベント
普段みることの出来ない舞台裏で
どうやって能楽師さんたちが
あの衣装や面をつけているのか?
を、なんとごくフツーのお料理屋さんで
開催!

装束は、「班女」のシテ方(つまり主役)演じる
遊女の花子が身に着けるモノ
最初に、汗をつけないように、また体形補正して
登場人物のボリュームを出すために
綿入りの胴着を着るそうなんです。
綿入り!。
冬ならまだしも夏はタイヘン(;^ω^)
今回モデルになった女性は、
代わりにセーターを着用して
マジックテープもボタンもジッパーもないので
全部
ヒモで留めて行きます。
位置は「おあたり」
紐のしまり具合は「おしまり」
と声を掛けてOKだして
こういうのも伝統なんですね~
鬘も、頭の形にそったものではなく
馬の尾の毛をまとめたもの。

そして、
唐織、金糸銀糸が豪華な上着ですが、
「車一台買えます」

つまり、どれもこれも
「だれか特定の個人サイズにつくられている」
わけではないんですね=

ここまで見て、
このイベントのちょっと前に見た映画を思い出しました。
まだ上映してるところもあるかも?
『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』
言わずと知れた
フランスを代表するモード界の巨匠
ゴルチエの半生
「ファッション・フリーク・ショー」
の裏側に密着したエンタテインメント・ドキュメンタリー
ショーのための衣装作りのシーンが出てきますが、
ダンサーひとりひとりのサイズに合わせて
ピタピタに作るので
激しく踊ったりすると、すぐ破れてしまう。
西洋の服づくりは
プレタポルテでもオートクチュールでも
ある一つの型しか作らないので
プレタなら、自分にあったサイズを着る人が探す
オートクチュールなら自分の
「その時のサイズ」にあった服しか作らない
から、直前までお直しが必要になったり
死ぬ気で?ダイエットが必要になるわけで、、
服は人に合わせてくれない
人が合わせないと?
3人がかりで着せ付ける
能の装束

今回モデルになった女性は痩せて小柄な方、
だけど
いつもは男性のシテ方さんが身に着けるので
着る人のサイズはぜんぜん違う。
でも、きれいにヒダをとったり
折り込んだりして
ヒモで締めてとめていけば
着る人それぞれに合わせて着付けができるんですね~
着付け終わったモデルさんを横に
「班女」の一場面を小鼓の伴奏で謡って頂きました。

ワタシがこの時着てたキモノも

着る人に合わせてキモノの方が合わせてくれるのだ。
着付け習った最初の頃に言われたのが
「きものは、毎回着る度に自分の手で自分の身体に仮縫いして」
纏っていくように着る。
ひとりひとり、毎回「車一台」分の値段の装束つくれないし!
日本のきもの文化と西洋の洋服文化は
もともとの考え方が違うんだわ~とフムフム。
ちなみに、能舞台の装束着付け、
舞台が始まる前に着つける分は
時間があるからいいものの
途中で装束が変わる、つまり
シテ方(主役)が後場のために
途中で着替えないといけない時
時間制限がある中で着替えていると
どうしても、うまくいかないことが
あるそうです。
裏でバタバタしているときは
舞台が静かな時に
なんとなく裏から声が聞こえてきたり?
することもあるそう。
今度能舞台見る時
ちょっと氣をつけて耳をすませてみましょう。
もう一つ、知らなかったことが
イスに座って装束を着けられるのは
シテ方だけだそうです。
ふむふむ。。。
こういう能楽トリビア
知ってるとちょっと楽しい?!
https://www.facebook.com/esmeralda.fukuoka/
https://ameblo.jp/cotedazure
https://www.instagram.com/esmeralda_chanoyu_kimono/

