ようやくイェールまでたどり着きました。トランプちゃんはいろんな事件を起こすので、どうしても時事ネタに走りたくなります。

 

さて、旅行二日目にはコネチカット州New Havenにあるイェール大学に立ち寄りました。

 

イエール大学と言えば名門中の名門、ハーバード、プリンストンに並ぶアメリカ私立大学の雄です。そして、数多くの大統領を輩出していることから、ハーバードが「学問研究の中枢」と呼ばれるのに対し「国家権力の中枢」と呼ばれることもあるのだとか。

 

イェール大学はロースクールが有名で、最難関と言われています。ビル・クリントンとヒラリーもその最難関のロースクールで学位を得ています。そして、ここが二人の出会いの場、ということですね。そう思うとちょっとドキドキ。古い建物が多く、おそらく彼らが見ていた景色と今もそれほど変わらないのでは、なんて思いました。

ちなみに、パパブッシュと子ブッシュ大統領もイェール出身、チェイニー副大統領なんかもイェールです。

更にちなみに、オバマ大統領もミシェル夫人もハーバードのロースクールで学位をとっています。

トランプはUniversity of Pennsylvania、こちらもIvy Leagueに属する名門ですね。

 

で、イェール大学の設立は1701年。ハーバードが一番古い大学で、イェールが3番目だそうです。

設立の経緯は、というと、先に設立されたハーバード大学が堕落した(リベラルになりすぎた)、と考えた宗派によって設立された、ということです。その後、イェールも堕落した、と考えた人たちがプリンストン大学を設立したとか。

とはいえ、現在でも一応ハーバードの方がリベラルでイェールはやや保守的、とはとらえられているそうです。オバマ大統領もハーバードでリベラルになりすぎた、と批判されてたり。

いつの時代も、大学にいく若者たちについて「近頃の若い者は」という感じで新しいアイデアに触れ、リベラル化していく若者を嘆く、というのは変わらないのでしょうね。

 

この時代から大学のリベラル化は懸念されていたようですが、現代でも特にPublic School、公立学校はリベラルすぎる、とクリスチャン、というかEvangelicalsの親は考えているようです。

例の保守派ラジオでも、ものすごく高い学費を払って大学に行き、リベラルな思想を勉強し、愛国心をわざわざ否定するなんて馬鹿げている、とよく言っています。そして、よく流れているCMが「公立の学校のリベラル化があまりにも激しいのでホームスクールをすることに決めました。私が育ったように子供にはキリスト教の価値観、愛国心を学んでほしいから」というホームスクール用の教材の宣伝があります(アメリカは学校に行かせずに家で親が教えるのもOK)。

 

そして私も、例のBible Studyの別の先生とトランプについて話していて(先生はトランプ支持)、私がアメリカの大学を卒業している、と伝えたら、「あーそれはあなたはリベラルね。大学ではリベラルなことしか教えないんだから」と一蹴してくれました。その先生が、「ヨーロッパの歴史を見れば神の偉大さがわかる。歴史には神の意志が働いている。」というので、その考えは面白いから、それに関するおすすめの本があったら教えて、というと5冊ぐらいどさっとかしてくれました。

 

ちょっとその本が衝撃的すぎて、、

何冊かあるのですが、そのうち一冊のタイトルが America's Providential History

Providential=神の意志

要するに「アメリカは神の国」という本です。「神の国、アメリカの歴史」、です。

https://www.amazon.com/Providential-Including-Principles-Education-Government/dp/1887456007

(評価が高いのがまた面白い)

いかにプロテスタンティズム、聖書の教えに直接従うことが国の繁栄を導くか、アメリカは神がその教えを証明するためにプロパガンダとして作られた、という思想です。

本の裏表紙に「Great for Homeschooling!」とか書いてあったので、あー公立に行かせずに、こういう思想を学ばせたいのね、と思ってしまいました。

ちょっとこれを大学で大真面目に講義されてたら、私はきっと大学を辞めていたと思います。

逆にこれの批評のクラスは面白いかも、と思いますが。

 

いやいや、まてまて、アメリカの公立学校がいつまで聖書を教えていたかご存知でしょうか?

1962年です。

そのころの歴史の教科書がどうだったのかはわかりませんが、この「神の国の歴史」とあまり大差ないのでは、と思ってしまいます。

つまり、太平洋戦争のころのアメリカ人はこういう思想だったのかも、というお話です。

 

これから旅は日露戦争の講和条約の地、ポーツマスに移り、私の思考も日露戦争に移ります。

その際にこの「アメリカは神の国」思想を理解できると、この時期の日本が置かれた国際情勢をちょっと違った目線で見れて面白いかな、と思うので、次回は「アメリカは神の国」思想をまとめてみたいと思います。

 

 

ちなみに、我が息子がいつかイェール大学に、いややっぱりボストンの方が親が訪問するには楽しそうだからハーバードに、、なんて妄想をして、イェール大学のグッズ販売店で世界地図のパズルを買いました(息子はパズル大好き)。実はうちの近所の教育グッズの店でも同じパズルを販売しているのは知っているのですが。

 

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このパズル、日本で売ってる地図とは違ってヨーロッパが中心です。日本はまさに極東。東の端っこにポツン。この地図をみていると、ヨーロッパに近いことがいかに各国、各民族に悲劇をもたらしたかが容易にわかります(中東、インド、アフリカ、そしてアメリカ)。少なくとも近代の歴史はいかにヨーロッパが全世界に影響を与えてきたか、という歴史だと思うので、高校などで世界史の勉強をするときはこちらバージョンの地図を使う方がよいな、と思います。

 

アメリカの神の国思想、日本も神の国、と教えられていた時代がありましたね。

アメリカが神の意志で清教徒(ピューリタン、プロテスタント)によって支配されたのだとしたら、日本だって神の意志でヨーロッパから、アメリカから一番遠い位置に置かれたんじゃないか、なんて考えてしまいます。一番小さくて遠い島国。もっと欧米にとって植民地として魅力的だったら。先に中国が侵略されてなかったら。。日本の運命はどう変わっていたか。

 

長くなったのでこの辺で。

 

歴史を思う旅②独立戦争へ http://ameblo.jp/cosettey/entry-12237589833.html

歴史を思う旅①そもそもアメリカに来た人はどんな人 http://ameblo.jp/cosettey/entry-12235723563.html