アメリカ東海岸を旅行するには、いや、せっかくアメリカに住んでいるなら歴史を知っていなきゃ面白くない。

まぁ、今回の旅の所感は、やっぱり欧米というのはとんでもない奴らだな、ってことなので、その印象を念頭に読んでいただければと思います。シリーズがいくつ続くかは不明ですが。
 
アメリカの独立は1782年だから、まだ建国から235年。浅いな、浅いなーって思ってるのですが、よく考えると、というか考えなくても、独立戦争以前にアメリカに入植を始めてる人がいたから「独立」なんですよね。なので、今回はそんな当初にアメリカに来たひどい奴らに注目。
 
1492年 コロンブスが「新大陸」を発見
 
アメリカの歴史は、先住民の歴史を除くと、ヨーロッパ人がいかにアメリカ大陸を侵略し、征服してきたか、の歴史ですので、ヨーロッパ大陸の歴史の流れからはもちろん切っても切れません。
 
まず、1492年、コロンブスが「新大陸」を「発見」というか、カリブ海の島にたどりついたことから、アメリカ大陸侵略の歴史が始まるわけですが、コロンブスがこんな旅に出る、ということは、時代は「大航海時代」そして、コロンブスを送り出したスペインやポルトガルが絶頂のころ、ですね。
更に少しさかのぼると、「大航海」を可能にする技術が花開いたのはいわゆる「ルネサンス」のころですから、このあたりから「中世」というカトリックによる伝統と慣習法にしばられた「永遠の昨日」と呼ばれたあまり進歩のない時代が変容してきたんだな、と推測できます。
ルネサンスにより「科学精神」が発達したことにより、航海も可能となったと同時に、「宗教改革」という、これまでヨーロッパを支配してきたカトリック教会への反発が芽生えてきます(1520年ごろから)。
この宗教改革はイギリスやフランスなどヨーロッパ諸国で「宗教戦争」という名の内戦を引き起こすことになりましたので、のちにアメリカに移民を排出する大きな理由となります。
 
コロンブスに戻りますと、彼はスペイン国王に「黄金と奴隷を見つけてきます」といって旅にでた野心家の残虐な男です、というか、この当時、地球が丸いかどうかもわからなかった時代にそんなリスクをとるのは同じような野心に駆られた男たちです。彼に続いた男たちも「発見」したアメリカ大陸で先住民たちに残虐の限りを尽くします。先住民は鉄をもっていなかったので、武力でかなわなかった、かつこの侵略者たちのもってきた病原菌に耐性がなかった、そして部族間の対立などを利用されたために、あっという間に征服されてしまうことになります。
征服においては、とにかく先住民に同じ人間だと思わせないために、金をもってこないと手を切り落とす、など徹底的に残虐な見せしめ行為を行い、従わないものはとにかく殺す。
ちなみにカトリック教会はこのような先住民に対する残虐行為は、彼らは異教徒なのでOK,ということにしたそうです。
このブログを書くにあたり、今一度高校時代の世界史の教科書を開いてみたのですが(なぜか持ってきている)、その一文、「発見のあとには残忍な征服が続いた」。
 
よって、1500年代は欲に駆られた残虐な男たち中心にアメリカ(南北)に来ていた、と。
 
そして、前述の宗教改革、ここでプロテスタントが登場するわけですが、ヨーロッパ各国で新教(プロテスタント)か、旧教(カトリック)か、で内戦が起きるんですね。血で血を洗う内戦。イギリスのカトリックでプロテスタントを虐殺したのがかのブラッディーメアリー。フランスでもユグノー戦争と呼ばれる40年近くに亘る内戦へ。
 
日本人的にはなぜにカトリックかプロテスタントかを巡ってそんなに戦わなきゃいけないのかがさっぱりわからないのですが、まあ、今のイスラム国に至るシリア内戦だって、いってしまえばイスラム教内におけるスンニ派、シーア派の内戦ですから、本当に一神教って恐ろしいものです。
 
話がそれましたが、イギリスもフランスもドイツもみんな大混乱。混乱が100年近くに亘り続きます。
そして、イギリスでは、カトリックかプロテスタントか、よりもヘンリー8世が、離婚したいのにカトリック教会が許してくれない、というくだらない理由で作った「イギリス国教会」の迫害を受け一部の「清教徒・ピューリタン(今のアメリカのEvangelicals福音主義派の前身)」がアメリカにキリスト教の理想の国を作ろう!とアメリカに旅立つ、これが1620年ごろ。
 
当初は先住民が食料を分けてくれたり、食物の栽培方法を教えてくれたり、ということでなんとか生活ができていたそうですが、その後、やはり先住民と土地と食料を巡って争うことに。武力と病原菌の力でどんどん入植地を広げていきます。
そりゃそうですよね、そもそもが人のいた土地に「理想の国家をつくろう」と考えていて、おまけに先住民を同じ「人間」とみてないのですから。白人を信じたのが間違いだった。
 
ということで、1600年代には宗教的な理由からどんどんイギリス人が入植してきた、ということになります。その後、経済的動機を持った移民などで植民地が膨れ上がり、ニューイングランド植民地が形成されました。
 
だから今回旅をした地域の先住民を除く歴史は400年ほど、ということになりますね。
 
ちなみに、いまでもアメリカの支配者層はWASP(White Anglo Saxon Protestant)と呼ばれます。歴代の大統領はずっとこれ。実はケネディ大統領が初のカトリックの大統領だそうです。
 
世界史を覚えやすくする方法。想像力、妄想力。
1600年と言えば、関ヶ原の戦い。覚えやすくていいね!
大河ドラマが好きな人なら、戦国時代、つまり関ヶ原の2,30年前くらい、には既に鉄砲が伝来していて、キリシタンがいて、キリシタンOKだの禁令だのがなされていたことが想像できます。つまり、そのころには欧米が日本にまで到達する能力があった、というかもうすでにアフリカやインドの植民地化、列強による支配・分割がはじまりつつあった、と覚えるといいかもしれないですね。
ちなみに、日本にきたフランシスコ・ザビエルはカトリック。大陸でプロテスタントが勢力を増し、形成が悪くなってきたので、カトリックも海外に進出です。
 
とりあえず第一回はこの辺で。
 
 
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