この選挙、もうヒラリーの勝利が固まったように報じられていますが、ここにきてややトランプが盛り返してきている気がします。最終討論会の後は、二人の候補を直接見比べる場がない。そして、ここにきて例のWikileaksがどんどんヒラリーの選挙事務所のメールを公開し、もともと根強いヒラリーの金権政治のイメージをより強めている、といった印象です。

 

激戦州オハイオの世論調査はほぼ同率、ややトランプがリードですが、ほぼ誤差の範囲内です。道路を走ると、そして田舎の方に向かえば向かうほどほぼトランプ支持の看板しか目につかず、オハイオでヒラリーが勝つとは看板だけ見ると想像できない状況です。オハイオ州は人種の構成から「アメリカの縮図」と言われ、オハイオ州を落として大統領になれた候補はここ数十年いないことから、最重要の州に位置付けられ、共和党の党大会(トランプを候補者として指名)はオハイオ州のクリーブランドで開かれています。

もう一つの激戦州、フロリダでも、ヒラリーがリードしていますが、トランプがここにきて差を縮めています。

ただ、アメリカの人種構成はどんどん変わっているため、かつては共和党の州と呼ばれたアリゾナ州やアトランタを擁するジョージア州などが民主党に流れるかもしれない、とも言われています。南の州はメキシコからの移民などによりヒスパニック系が増えていますが、トランプはやはりヒスパニック系の層には食い込めていないためです(そりゃ、レイプ犯よばわりされてますからね)。

この選挙、どちらにしても過去の州の色分け(共和党=赤、民主党=青)を変える選挙になりそうです。

 

ちなみにヒラリーのWikileaks関連のメールは保守系と言われるFox Newsではよく取り上げられますが、CNNなどではあまり取り上げられません。トランプがメディアは偏ってる!とののしっているのもあながち間違いとは言えません。

ヒラリーは「Pay to Play」と言われています。お金を払ってくれれば、そのために働いてあげるよ、という感じでしょうか。

最近話題になっているのは、「クリントン基金」 の問題です。

クリントン基金はいろんな企業や個人から寄付を募り、貧しい国でのエイズ撲滅や女性の教育等、様々な支援を行っています。それだけだと問題はないのですが、クリントン基金に寄付を行っている企業が優先的にヒラリーに面会できるとか(国務長官時代)、基金のイベントに関連して講演を行い、講演料として、ビルクリントンなどが多額の報酬を受け取っている、というものです。基金を糧に私腹を肥やしているのではないか、もしヒラリーが大統領になったら、クリントン基金の寄付者とそうでない人(企業)を便宜を図らずに本当に平等に扱えるのか、といった問題です。

これが、根強い「うそつきヒラリー、お金と権力が好きなヒラリー」というイメージに追い打ちをかけています。

ちなみに、民主党はこれらのメールのついてはあまり語らず、ロシアがハッキングをして、アメリカ大統領選を操作しようとしている、と繰り返しています。

 

なんとも皮肉だなあ、と思うのは、ヒラリーは中産階級の出身で、父親は繊維業のビジネスをしていたそうです。彼女は特別お金持ちに生まれたわけでもない。名門女子大、ロースクール、と卒業したあとは、子供の権利を守るための弁護士事務所に入り、差別を受ける子供のために戦った、と。彼女くらいであれば、有名な大手事務所で相当稼ぐことができたであろうに、です。

かたや、父親から多額の遺産を受け継ぎ、不動産業を成長させたトランプ。豪勢な暮らし、有名人扱い、美しい三人の妻。

 

いまは世論調査ではリードを保っているヒラリー。その世論調査さえ、トランプがずっと操作されている、と言い続けると、本当に操作されてるんじゃないかと思えてしまう今日この頃。

選挙線も最終盤に。最後の切り札として、人気の高いミシェル・オバマと一緒に演説をはじめました。

 

さあ逃げ切れるか。あと投票まであと11日。