楽しみにしていた、サントリーホールでのコンサートに日曜日行ってきました。

実は、2つほど、コロナの影響で延期になったり、中止になる中で、今年の1月以来、久しぶりにクラシックのコンサートでした。

 
 

ショパン ピアノ協奏曲第一番
ショパン ピアノ協奏曲第二番
 
いずれも、大好きな曲で、あの空間で素晴らしい音色が聴けると思うと、本当に嬉しくて、予約をした時からとても楽しみにしていたのです。
 
指揮には、世界的ソプラノ歌手である、中丸三千繪さんを迎え、ピアノは、田中理恵さん、オーケストラは、東京ニューシティ管弦楽団。ピアノは、ホロヴィッツが愛したピアノ CD75だそうで、こういうコンサートで使われる、スタンウェイの音色とはまた全然違う、味わい深い音色でした。
 
 
当日、座席はひとつ空けての配置だと聞いていたので、空いているのでは?と思っていましたが、意外にも多くのクラシックファンが駆けつけていました。入場の際のマスクの着用や消毒などの感染対策はもちろん、開演前や途中休憩の際に利用するカフェスペースでは、アルコール類、簡単な軽食の提供は行っておらず、ソフトドリンクのみの提供となっていました。
夫は、ここでサントリーのウイスキーを飲むのを毎回楽しみに私に付き合ってくれるのですが、この日はソフトドリンクのみだと聞いて、ちょっとがっかり。でも、最終的には、素晴らしい演奏を聞けて良かったと満足していたので、良かったです。
それから、このコンサートは事前に申し込むことでライブ配信されたり、DVDとして販売することで、直接足を運べない方でも楽しめるようになっていました。
 
 
演奏について、私は素人につき、どうこう言える立場ではないので、ここでは書きませんが、あの空間で最初の音が奏でられた瞬間、心がいっぱいになるほど、感動しました。生で直接素晴らしい演奏を聴けること。心に栄養とは、まさにこのことだと改めて実感しました。
 
 
ピアニストの田中理恵さんは、第一部は、純白のドレスに髪形は夜会巻きで、舞台に出ていらっしゃった時に、思わず息をのむほどの神々しく、美しかったのですが、第二部には、フューシャピンクというか、赤のもっと明るく、ピンクが入ったような色のドレス、髪は毛先をカールさせたポニーテールのような髪形で登場されました。
純白から、ガラッとイメージを変えての華やかな登場に、思わず、わぁ~っという会場の雰囲気になりました。
 
指揮者の中丸さんも、第一部は黒いスーツで、インには、シルクのカシュクールのブラウスを着て、長い髪はおろした状態だったのですが、第二部は、髪をアップにまとめ、黒のロング丈のジャケットに、少しスパンコールがついているような、シックな大人の女性の装いへと変化されていました。
着るものが与える効果の大きさを改めて目の当たりにした次第です。
 
 
ここで、どうしても書いておきたいことがあって、記事にした訳なのですが。。。
 
1部、2部と終わり、アンコールかな?と思ったら、アンコールの前に、指揮者の中丸さんが、ふと舞台の中央に立たれたのです。
 
普通のコンサートでは、このようなことは無いので、驚いたのですが、まずはこのような状況にも関わらず、この場に足を運んでもらえたことへの感謝の気持ちを話されました。
実際、中丸さんも春先のみなとみらいでの演奏会以来ぶりの舞台だったそうで、こうして自分たちが指揮をしたり、あるいはソプラノ歌手なので、歌を歌えるのも、オーケストラの方があってこそと、オーケストラの方への惜しみない感謝の気持ちを述べられていました。
 
特に印象に残ったのは、

音楽家、というのは、突然なろうと思って、今日からすぐに、なれるものではないのです。
ここにいる一人一人。。。オーケストラの皆さん、お一人お一人、皆さんがそうですが、小さいころからずっと勉強をして努力をして、ようやくその道に進んで来れるものなのです。コロナの影響で、軒並みコンサートの中止や延期で、我々音楽家は非常に厳しい現実に直面しています。
どうか皆様、これからも私たち音楽家を応援してください。
 
 
そうおっしゃって、深々と頭を下げられました。
 
素晴らしい演奏のあとで、こちらの挨拶を聞いて、より一層、その一言、一言が心に沁み渡りました。その場にいた皆様もきっと、同じ気持ちだったと思います。
挨拶のあと、惜しみない拍手が送られました。そして、演奏する側も、聴く側も、どちらも感謝の気持ちが溢れた、とても温かい演奏会となりました。
 
そのあとのアンコールは、ピアノだけではなく、オーケストラも一緒になっての演奏でした。
来年も、9月11日にサントリーホールにてコンサートが開かれるそうです。今度は、ひとつ空けた座席ではなく、満員の聴衆の中での演奏会となりますように。
 
 
 
 
最後に、ピアニスト 田中理恵さんのFacebookより引用です。
演奏のあと、丁寧に「ありがとうございます」と、何度も観客に向けてお礼言いながら頭を深々と下げていらっしゃいました。
お人柄が伝わって来ました。
 
「どんなに強い想いも1人では叶わなかったサントリー大ホールで、オーケストラと共演という1つの夢。あと少しで叶います。コロナ禍の中、主催、協賛、後援、協力会社、先生方、チケットを買ってくださります方々、何回感謝しても足りません。サントリー大ホールで弾きたいという想いから始まり、信じられないご縁が続きました。何よりも大好きな、身体の一部と言っても過言ではないピアノを通して、想いをお伝えできましたら...共有できましたら...嬉しいです。9/6(日)17時半サントリー大ホールです。1人でも多くの方にお聴かせできますよう願っております。」