運命が目に見えるのならば

満員電車で書いたラブレターが

誰かの心の扉に挟まって

終着駅で恋に落ちるだろう

三大夜景では場所が足りなくて

町ごとに幸せの鐘を鳴らす

デートスポットが創られるだろう

結婚式場も一年後まで予約が埋まり

聖なる愛を毎日唱える神父に見慣れるだろう

 -恋をした時の運命はいつだって都合が良い

 

誕生日ケーキのロウソクが

寿命の長さに見えるのならば

生きる事を可視化した運命であり

目に見える事で誰もが幸せになれるかと言えば大間違い

流れ星に願い事を託したつもりが

宇宙の塵が肉眼で見えただけだったのは

夢が儚い事を可視化した運命なのである

 

運は慣性に好かれるから

靴が片方脱げたまま目的地に辿り着いても一日が終わるけど

命は感性に導かれるから

靴がなければ痛みを抱えたまま一生が終わるね

(私に関わる全ての人々が運命である事を歓迎できたなら

 問題はより簡素化されるはずなのだが)