下村敦史さんの『生還者』を読みました。

 

 


増田直志の兄・謙一が、ヒマラヤ山脈の未踏峰・カンチェンジュンガ登頂中に、雪崩に巻き込まれて死亡した。
兄の遺品を確認していた直志は、ザイルの切断面に刃物で切られたあとを発見する。
その雪崩から生還した高瀬正輝は、謙一と同じ登山隊の加賀谷善弘に助けられたと証言する。
一方、謙一と同じ登山隊で、奇跡的に生還した東恭一郎は、加賀谷は登山隊を見捨てた卑怯者だと言う。



大倉崇裕さんの『聖域』でちょっとハマってしまった山岳ミステリ。
今回は、下村敦史さんの作品を読んでみました。
大倉崇裕さんの作品に比べ、装備や技術に関する説明が丁寧な分、私のように登山に関する知識が浅い人でも読みやすいかも。

目撃者も、物証も乏しい山の上。
そこで何があったのかを調べるのは、至難の業だと思うのですが、大倉崇裕さんにせよ、下村敦史さんにせよ、上手く組み立てますね。
作者だけは反対方向からストーリーを見れるとは言え、いつも感心してしまいます。

終盤は手に汗握る展開。
真実が明らかになって、そのままエピローグへなだれ込むと思いきや、ちょっと意外な展開に驚き。
"味"な結末が用意されていました。

山に詳しくない方でも、説明が丁寧なので、楽しめる作品になっていると思います。

 

 

 

 

 

 

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