『姥捨て山』




震える膝で歩く姿さえ醜く映ってしまう
背負いきれないほどの憂鬱

乾いた、手の平に包まれた幼い日の記憶が
今鮮やかに蘇る

頬を 預けた 背中を 今捨て去って

呼びかけた声さえもう届かずに
見知らぬ視線の先僕の顔が映る

憎しみ 裏切り 嘘 悲しみ
どれだけ なにをのぞめば
洗い落とせる罪なのか

頬を 預けた 背中を 今捨て去って


小さく覚えたての涙さえ
包み込んだその手で

過ちを優しく叱って欲しい
そして強く抱きしめて
もう一度だけ

頬を 預けた 背中を
今捨て去って

頬を 預けた 背中を
今抱きしめて








『fate』




凍る 針葉樹の間を

深く 駆け抜ける運命

望み 儚く抱き寄せ

燃える 嵐の渦へ


あぁ 遠ざかる光

あぁ 鼓動の叫びに



切ない程に君を想って

この腕が この胸が

大地を越えて心を越えて

大切な人のために・・・?



長いレールの彼方で誰が笑うというの?


いつ許しあえるのか

いつ終わりが来るのか



止められなくて逃れられない

幻想に操られ

手探りだけで走り続ける

この先が過ちであろうと


何が愛なのか? 何が嘘なのか?

解らない―無情な時間が迫る―



今しじまを切り裂き

今奴らに降り立つ・・・・・・あぁ

今狙いを定めて

手をかける瞬間に



切ない程に君を想って

この腕が この胸が

凍える程に震える程に

君だけを 君だけを

春が来れば夜が明ければ

あの空へ あの場所で

faster than anyone

if I ran through the dark

本当に結ばれるだろうか?


何が愛なのか? 何が嘘なのか?

解らない・・・・・・ただ 君だけが恋しい









『薬指』




揺らめいたまま優しく沈んだ
切り離された私を

慈しむように優しく閉じ込め
安らぎの中浸し続けて

通り過ぎた雨の後に残され
流れを知らず留まった水溜りには
映し出されたもの全てが歪んで
形を変えて閉じ込めた 薬指

軟らかい水の音で
目覚めて溺れた
形も無く色もあせて 消え行く
私を見て あなたの中満たし続けて

通り過ぎた雨の後に残され
流れを知らず留まった水溜まりには
映し出されたもの全てが歪んで
形を変えて閉じ込めた 薬指








『遊歩道』




泣き出した空 急ぎ足で
君の手を引いて 歩いていた
行き先なんて どこにもない
帰り道さえも どこにもない
照らし出された 終わりを見ては 嘆いた君
息を止めて 時間をとめる

沈んでしまった 夕日を見て
君は一言も喋らない
見え隠れする月の裏で
僕は一言も話せない
愛が深まるほど 失う事に目を奪われ
君は愛の形を表せない
今もきっと 頼りない肩 震わせてる
そんな君に

逢いたくて
君に逢いたくて
逢いたくて
今すぐ逢いたくて
逢いたくて
君に逢いたくて
逢いたくて
今でも逢いたくて

見えないものを 見ようてしては もがいてみても
僕は愛の形を示せない
今もきっと 何も変わらずいるけれど
それでも僕は

逢いたくて
君に逢いたくて
逢いたくて
今すぐ逢いたくて
逢いたくて
君に逢いたくて
逢いたくて
今でも逢いたくて









『深い森の中のさなぎ』




深緑の中 過ぎ去った痛みを抱え
一人きり今日も探すのか空白を

届かせて 「この声」 向こう側へ
消えかけた「過去 今」 全て乗せて

静けさが襲う 耳鳴りが止まない夜に
少しでも前に 踏み出せば 辿り着く

舞い上がる 景色はめまぐるしく
舞い落ちた 体は生まれ変わる

さなぎの様に柔らかな僕は 壊れやすくて
少しでも握り締めれば それで終わってしまう
ほら触れてごらん

色鮮やかに 飛び散った僕の残骸は
人知れずいつか 朽ち果てていくのだろう

終わらせて その手でひと思いに
消えかけた 願いはかなた遠く

さなぎの様に柔らかな僕は 壊れやすくて
少しでも握り締めれば それで終わってしまう
ほら触れてごらん