先日から、金木犀、金木犀と騒いでいるのですけれど。
ちょうど満開の時期にあたった、というのもひとつの理由。
もうひとつ、ちょうど山田詠美の「放課後の音符(キイノート)」という本を読み返しています。
放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)/山田 詠美
¥380
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女子高生たちの恋だったり恋以前だったりを描く短編集。
その中の「Red Zone」、彼を年上の女の人に盗られた彼女の話です。
諦めきれない彼女が、彼の家の前で話す二人を覗き見てしまう。
その二人の会話がとても素敵で。
「金もくせいの匂いがする
甘くて歯が痛くなりそう
秋には恋に落ちないって決めていたけど
もう先に歯が痛い
金もくせいを食べたの
金もくせいを食べたの
だから
歯の痛みにはキス」
…なんか、いいでしょ?
山田詠美、好き好きの分かれる作家だと思いますけど、私はとても好き。
もうしばらく、金木犀の香りにこだわっていましょうか。