ヨーロッパ企画『サマータイムマシン・ワンスモア』感想 | ぽけっとにチケット~おきらく観劇日記~

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小劇場からシェイクスピアまで、観てきたお芝居の感想をつづります。
基本、ネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。


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本多劇場で上演された、ヨーロッパ企画20周年ツアー・上田誠作・演出『サマータイムマシン・ブルース』と、『サマータイムマシン・ワンスモア』を観てきました。

『サマータイムマシン・ブルース』はDVDで映画版と舞台版を観たので、今回は『サマータイムマシン・ワンスモア』だけ観ようと思っていたんですが、間違えてブルースの方のチケットをとっていたので、あわててワンスモアのチケットを買い足しました。

 

でも、結果的には、両方観れてより楽しめたと思います。

まあ、『サマータイムマシン・ブルース』の方は、大学生を現在の年齢の方たちで演じるので、ビジュアル的には・・・ですが、そこは20周年記念ということと、演劇のマジックということでOK。

それに、大学生のあのワチャワチャ感が今でもすごくよくでていて、みなさん体もよく動くし、若いなあ!と思いました。

 

そして、15年後を描いた『サマータイムマシン・ワンスモア』でも、みなさんあんまり変わってない・・・(笑)でも、この作品は、15年間のあれこれのリアルを求めるものではないし、作劇においては熟達しても、逆に、劇団として、根っこのところは変わっていないのかも、と思いました。いや、変わらないことはないのかもしれないけど、ファンが求めているものを提供してくれているのでしょうか。

 

今回も、タイムマシンをめぐるドタバタのシチュエーションコメディで、複雑なエピソードを組み合わせながらも最後は何となくつじつまを合わせてくるところがすごい。よくわからなかったところもあるんですが、まあいいや!と思えちゃうし。

作・演出の上田誠さんは、岸田國士戯曲賞をとったのに、気負いがない(と私には感じられる)ところがタフだと思いますし、作品も、小劇場的楽しさを持ち続けているのもすごいなあ、と思います。

 

以下、ネタバレありの感想ですので、未見の方は自己判断のもと、お読みください!

 

 

 

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2018年9月6日(水)14時

本多劇場

作・演出 上田誠

出演 中川晴樹 石田剛太 永野宗典 酒井善史 諏訪雅 土佐和成 角田貴志 早織 西村直子 本田力 藤谷理子 城築創 岡嶋秀昭

 

 

 

 

 

『サマータイムマシン・ブルース』は、2003年の夏、とある大学のSF研究会の部室のクーラーが壊れて困っているところに、部室に置き去りにされたタイムマシンを発見。

そして、そのタイムマシンを使って前日に戻り、まだ壊れていないクーラーのリモコンをとってこようとしてドタバタ。

でも、過去を変えてしまうと今の自分たちの存在が消えてしまうのではないかと気づいてヤバイ、ヤバイとワチャワチャ。

やがて、思いがけず雄大な時を超えた解決策が見つかったり、

そのタイムマシンは2028年の未来の後輩が乗ってきたもので、実はその後輩と、SF研究会の隣のカメラクラブの女子大生との関係が・・・

 

など、実に狭いスケールの中で巻き起こるタイムマシンもののコメディ、というのが画期的だった気がします。あと、タイムマシンの形状が、ドラえもんが乗っているそれによく似ていて、おかげですごく話に入りやすいというか(笑)

そして、SF研究会のメンバーの一人の、カメラクラブの女子大生への淡い恋心が青春ものとしての味付けになっていて、最後はちょっとキュン、とする終り方がまたよかった。

 

『サマータイムマシン・ワンスモア』は、まさにその『サマータイムマシン・ブルース』のラストシーンからはじまって、ああ、そこから始めるのかあ!とそこでまずヤラれた気がします。

まさに、続編。

淡い恋心の顛末は、そうなっていたのね・・と思ったところで、

 

次の場面は、15年後の2018年。

同窓会の後に元SF研究会のメンバーとカメラクラブのメンバーが、部室にやってきます。

「おー!懐かしいなあ!」等と盛り上がるメンバー達。

部室には、後輩のSF研の部員一名と、カメラクラブの部員一名がいて、元メンバー達が15年前のタイムマシン騒動の話をしていると、

 

そこにまたしてもタイムマシンが現れ、しかも3台も!

この、3台、というところに思わずテンションが上がりました。

そしてやはり、未来に影響のない範囲でタイムマシンを使おうということになって、(なんだかやっぱり慎ましいところがおかしい)それぞれに目的をもって乗り込むんですが、

 

過去の自分と鉢合わせしそうになったり、

乗り込んだものの帰ってこれなくなったり、と、またもや大騒動に。

 

人って、事情を知らないがゆえに困惑していたり、つじつまを合わせようと必死になっているのを見ると、どうしても笑っちゃうんですね。これ、シチュエーションコメディの基本でしょうか。

3台のタイムマシンに乗り込んだ顛末も、観客の予想・・というか期待に応えるもので、徹底して因果律な解決というのも観ていて気持ちいいものだなあ、と思いました。

 

そして、この後、今の大学をショッピングモールにする計画があることがわかり、そうすると2028年には大学は存在しないことになり、後輩が2028年から来た、ということの整合性がとれない、という危機が起こります。

さらに、現役のSF研究会の学生が、2018年から2003年に行ったまま、カメラクラブの女子大生とつきあうことになり、その彼こそが・・・

などなど、後半も盛りだくさんでした。

 

現在、過去、未来が入り乱れて話が進むので、置いていかれそうになったり、タイムマシンが3台あったことの理由など、わかりずらかった部分もあるんですが、とにもかくにも、大学のショッピングモール化は阻止され、大団円を迎えることに。

そして、冒頭の恋の顛末のさらにその後の甘苦い顛末が加わったのもよかったです。

 

タイムリープをする時は部室の外でするのも逆に想像力が刺激されるし、

早替えで時代や時間の変化を表すところも、舞台ならでは。

あと、ところどころ、ああ、過去の作品とリンクしてるんだ!と思うところもあり、(私は2作品しか見ていないので、他にもいろいろあったんだろうな、と思いますが)そのへんも面白い。

今回、新しく登場したキャラクターたちも、過不足なく物語の要素にはまっていたと思いました。

 

また、既出のキャラクターたちは、結局『サマータイムマシン・ブルース』と同じようなことをやっていたりするのも、「そうそう、人は根っこのところは変わらないものね~」なんて思って楽しかった。

 

普通、続編というと、「う~ん、いまいち・・・」となることが多いと思いますが、この『サマータイム・ワンスモア』は続編として十分に面白かったです。

息をつめて全身で集中して観る芝居も好きだけれど、リラックスして笑いに身を任せて観ることができるシチュエーションコメディも好きだなあ、と改めて思ったのでした。

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