ぽけっとにチケット~おきらく観劇日記~

お芝居大好き。今日もぽけっとにチケットを入れて劇場へ。
小劇場からシェイクスピアまで、観てきたお芝居の感想をつづります。
基本、ネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。


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本多劇場で上演中の、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出・ナイロン100℃44th  SESSION『ちょっと、まってください』を観てきました。

私は、ナイロン100℃の舞台は生ではあまり観ていないのですが、ナイロン100℃の劇団員さん達の独特な台詞のやりとりと間合いの面白みが好きで、今回も、客演の方達を含め、それらを大いに楽しみました。

 
今回の作品は、別役実を模倣しようとした意図があったとのことで、別役実作品へのオマージュがたくさんあるようですが、悲しいかな、にわか観劇ファンの私は、別役実作品はケラさんが2015年に演出した

『夕空はれて』しか観たことがないので、オマージュとしての楽しみ方はできませんでした。

 

でも、ベケットや別役実のような不条理劇というと理解できないものとして敬遠したくなりますが、ナイロン100℃の作品ならば、まず、ともかく、劇団員さん達が笑わせてくれるだろう、という信頼があり、今回もそれは裏切られませんでした。

とはいえ、この作品、どこか不穏な空気をまとってもいて、サブリミナルのように何かが込められていたようにも思えるんですが、あまり過敏になりたくない、という今の自分の気分もあり、

 

ケラさんの、

「わかんないけど面白い」「わかんないから面白い」というふうに楽しんでほしい、という言葉の通り

「よくわからなかったけど面白かったなー」と感じたことを大切にしたいと思います。

 

以下、ネタバレありの感想ですので、未見の方は自己判断のもと、お読みください!

 

 

 

 

 

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2017年11月24日(金)19時

本多劇場

作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演 三宅弘城 大倉孝二 みのすけ 犬山イヌコ 峯村リエ 村岡希美 藤田秀世 木之江祐希

小園茉奈 水野美紀 遠藤雄弥 マギー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回、登場人物達は白塗りに目の周りを大きく隈どったメイクで、冒頭、マギーさん演じる金持ち一家の使用人の男が、実は自分は若い頃、ペテン師でした・・と客席に向かって語りましたが、メイクやその台詞から、ああ、これは戯画化された世界なのだな、と思って、リラックスして見始めることができました。

そして、いつもながらのカッコいいオープニングには、胸が躍りました。

 

前半、金持ち一家の父親(三宅弘城)、母親(犬山イヌコ)、息子(遠藤雄弥)、娘(峯村リエ)の、ズレてるけれども思いやりがあるとも言える会話に笑わせられますが、実はこの家は借金まみれなのに父親はそのことを知らないとか、この街では市民運動が起こっていて、息子もその運動に入っているとか、使用人の男の態度がなんとなく怪しい、とかがありながら、

 

やがて、リヤカーを引いた乞食の一家がやってきて、乞食の娘(水野美紀)が、自分はこの家の金持ちの息子と結婚するのだと言い、兄である乞食の息子(大倉孝二)に電柱に登って金持ちの息子の部屋を覗いてほしいと頼みます。

 

乞食の息子が電柱に登っているうちに乞食の娘がするりと家の窓から中に入ると、そこでは金持ちの息子が婚約者(木之江祐希)とままごとをしているんですが、乞食の娘が割って入って、婚約者の市民運動での不正を暴いて、自分が金持ちの息子の妻におさまってしまいます。

 

けれども、金持ちの息子とは「思想」が合わないために即刻別れ、次には金持ちの父親の妻に。金持ちの母親は家を追い出され、気がつけば金持ち一家と乞食一家は入れ替わってしまいます。

 

「電柱」とか「ままごと」とか、「リヤカー」とかは、別役実作品のアイコンとのことですが、この金持ちの父親は主体性がなく、妻もあっさり出て行ってしまうし、あげくは乞食の父親(みのすけ)が金持ちの娘に求婚したりと、この世界における「結婚」とか「家族」とかって、なんだかよくわからない。

けれどもそのわからなさの中に、何か普遍的なものがあったような気もします。

 

そして、乞食の母親(村岡希美)は、市民運動における賛成派でも反対派でもない中立派を作る、と言いだし、そのメンバーを募るのですが、実はその名簿は罪人名簿で、名簿に署名をした者に死刑の宣告をしに警官(廣川三憲)がやってきたりと、このあたりからは緊張感が加わってきました。

 

実は、金持ちの家の使用人は、家にお金がないと嘘をついて借金をしては自分の懐に入れていて、それを知った使用人の女(小園茉奈)もそれに加担し、二人して金を持ってこの家から逃げようとするんですが、なぜか使用人の男の足が動かなくなってしまう。

 

そして、名簿に署名をしたとされる金持ちの父親は死刑を宣告されるけれど、本当はそれに署名をしたのは使用人の男で、さらに、実際に捕まってしまうのは署名などしていなかった使用人の女。その、使用人の女の、自分でも罪を犯したのかどうかわからなくなっている表情が印象的でした。

 

「思想」が合わないことを許せない。

中立派の子供たちがその中で反対派と賛成派に分かれていき、対立は続いていく。

理不尽な逮捕。

ラストシーン、倒れている使用人の男の上に何かが降ってきて、それによって街が壊滅していく・・・

 

こういうシーンを拾ってしまうと、ケラさんが言わずにはいられない危惧や皮肉を感じる部分もありますが、ラストに向けて緊迫していく感じや、ナンセンスな笑いの中にあるシリアスさ、独特の情緒などはやはりナイロン100℃ならではだと思います。

 

今回、ナイロン100℃ではじめて不条理劇に挑戦した、とパンフレットにはありましたが、そこはちょっと意外でした。これまでの作品も、私にとっては不条理劇という感じだったので。

ケラさんの作品は、それぞれの振り幅が大きくて、自分的にはケラMAPあたりが好みに合う感じなんですが、その振り幅の大きさを楽しめるのもまた嬉しいことだなあ、と思います。

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