ぽけっとにチケット~おきらく観劇日記~

お芝居大好き。今日もぽけっとにチケットを入れて劇場へ。
小劇場からシェイクスピアまで、観てきたお芝居の感想をつづります。
基本、ネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。


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三鷹市芸術文化センター星のホールで上演された、MITAKA Next Selection18th参加作品

屋代秀樹作・演出・日本のラジオ『カーテン』を観てきました。

日本のラジオは、アガリスクエンターテイメントが主催したコントライブ『新宿コントレックスVol.17』ではじめて観て、独特の間とシュールな作風がおもしろかったので、興味を覚えて、本公演を観に行きました。


劇場の使い方や、前説からのオープニングなどはとても斬新でしたが、上演中、何度も意識が遠のいてしまい、同時に頭がすごく疲れてしまって、終演後は、ともかく甘いものが食べたい!となり、ちょっと辛い観劇体験になってしまいました。

劇団メンバーの田中渚さんや、安東信助さんの演技や雰囲気はとても好きですし、客演の方々も、独特の間や熱量の演技をよくこなしているなあ、と思ったのですが、

「私は、日本のラジオの観客には選ばれなかったのだな・・・」と思って、残念な気持ちになりました。


ひとつには、開演前に当日パンフレットを読まなかったのが一因かな、とは思います。とても立派なパンフレットだなー、とは思ったんですが、字が小さくて、老眼の私は瞬間的に「つらい」と思い(笑)、友達とおしゃべりをしていたんですが、パンフレットに物語の顛末が詳しく書かれていたんですね。

(そういえば、他の観客のみなさんは、静かに目を通していました)

それを知った上で観た方が、より入り込みやすく、違う見方ができたかもしれません。

前知識がなく観たので、劇中の人物の相関関係や、事件の経過などを理解しようとして、頭を使ってしまった気がします。


今さらですが、パンフレットを読んでみると、登場人物一人一人のプロフィールも、思わずクスッと笑ってしまうほどおもしろく、根底にはある種のユーモアがある作品だったのだな、と思いました。


私は、劇を観ながら、沖縄の基地問題や、過去に過激派が起こした事件、ISILなどのテロを思い起こしていましたが、千秋楽後に作者の屋代秀樹さんがツイッターで明かした元ネタは、2002年のチェチェン独立武装勢力によるモスクワ劇場占拠事件とのこと。

そして、他にも元ネタや作品の意図が明かされていて、ああ、なるほどなあ・・と思い、題材もおもしろかったんだな、と思いましたが、観ている間はキャッチできなかったので、残念。多分、それらの演劇としての表現方法が、私自身の生理とあわなかったのだろうな、と思います。


以下、モヤモヤありの感想になってしまいましたが、お許しください。






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2017年10月9日(月)14時

三鷹市芸術文化センター星のホール

作・演出 屋代秀樹

出演 安東信助 田中渚 今村圭祐 大塚尚吾 さいとう篤史 野田慈伸 むらさきしゅう 横手慎太郎 吉岡そんれい 太田ナツキ 木村みちる 藤本紗也香 永田佑衣 松本みゆき 三澤さき





いつもとは違う入り口から案内されると、そこは舞台上で、目の前にはカーテンがかかっていました。実際の舞台上に観客席を作るのは、さいたまゴールドシアターなどで経験していますが、席についた時から、何となく居心地が悪い感じも。

そしてカーテンの向こうから前説の声が聞こえてきて、やがてその内容が、「この劇場を占拠した」との、独立武装戦線「海鳴り」の声明に変わり、カーテンが開くと、目の前には座席が。そして、オレンジの頭巾をかぶった二人組が、座席のあちこちに座っています。

この始まりはなかなか衝撃的で、今もその場面は鮮やかに心に残っています。


「本土」の国立劇場で、「外国」からの演出家を招聘して演劇作品を上演している時に、「海鳴り」と名乗る「島」の武装グループが観客、俳優、劇場職員を人質にとり、以前、本土資本の銀行に対する爆破事件で逮捕されたメンバーの釈放と、「島」に駐留している連合軍の即時撤退を要求します。


武装グループの「海鳴り」は、もともと、「島」の民謡サークルに集まった若者達が、駐留軍へのデモ等を行うようになり、やがて先鋭化して「本土」へのテロ行為を行うようになったもので、

かつて「島」の祭祀を行っていた巫女の末裔や、「本土」出身の者、「外国」出身のテロリストなどで構成されていて、そのメンバーが今、武器を持ち、人質達を監視しています。


と、こうして書くとなかなか激しい芝居のような感じですが、実際には、オレンジの頭巾をはずした者が話しはじめ、話し終わるとまた頭巾をかぶって席につく、ということが延々とくり返され、武装グループのメンバー、劇場職員、外国の演出家と通訳、などが淡々と(というのはちょっと違う感じですが)会話を交わしていました。


その中で、生き残ったであろう人質が、時おり事件の経過を説明する場面があって、事件発生から3日目ということがわかりました。


「島」「本土」「外国」それぞれの間で言語が違うことによるディスコミュニケーションが笑いを誘いつつ、ここに作品の肝があるように思いましたが、途中、人質と武装グループのメンバーが一瞬、熱く会話を交わす場面があっても、またすぐに同じリズムに戻っていくので、時々集中力が切れてしまいました。


“暴力”が次第に“日常”に変わっていくところは、野田秀樹の『THE BEE』を思い出しました。でも、この作品は徹底的に“熱”を排除して描かれているところが、ある意味、恐ろしいような気もします。


今思うと、観客である私は、目の前で起こっていることを「ひとごと」と言うには近いし、かといって巻き込まれるところまではいかない、という中途半端で居心地の悪い位置に閉じこめられていたような気がします。それも作者のねらいだったのでしょうか?

途中、武装グループのメンバーの一人が、記録動画用のカメラを私達観客に向けるシーンがありましたが、その時、むしろこちらを巻き込んでほしいと望んだ気がします。


そして、物語が大きく動くこともなく、「これで終わりです」と突如終演になりました。

パンフレットを読んでいれば、4日目に軍の特殊部隊がガス兵器を用いて突入して、全員が昏睡し、テロリストは全員射殺され、人質も、ガス兵器によって33名が窒息死した、とあり、その前日の話だったのだ、とわかるのですが、私は、これからどうなるのか?と思いながら観ていたので、突然、放り出されたような気持ちになりました。


屋代さんのツイートで、今回は、物語の起伏をなくし、突然の暴力によって始まり、理解しあえない人々の会話が脈絡もなく続き、また突然の暴力によって終わる世界を描いた、とありましたが、なるほど、確かにそうでした。

でも、初見の私にとっては、それはちょっと乱暴な感じを受けましたし、作者のエゴイズムを感じるところでもありますが、


ここで思い出すのが、劇中、外国から招聘されて事件に巻き込まれた演出家が言った台詞。

正確な台詞は忘れてしまいましたが、要は、「俺は自分が作りたい物を作るから四の五の言わずに観ろ。後からガタガタ言うんじゃねえ」って言ってたと思うんですが、(あってるかしら?)

それって、作り手の本音?どこまで?全部?とか思ったのを覚えています。


こんな風にブログで感想を書いていると、誰かを嫌な気持ちにさせてしまうこともあるだろうし、そもそも感想文とはいえおこがましいのではないか・・と時々思うので、印象に残ったのかもしれません。

でも、以前、イキウメの前川知大さんが、ツイッターで、「表現はどのジャンルも半分は無意識の発露なので、作家はすべてを理解していないし説明できないもので、だから評論家が必要だし、客は観劇後にあーだこーだ言ってしかるべき、、」と言っていたのを、支えにしています(笑)


あと、劇作家の方々の、「物語性を排除する」とか、「お話しでないものを作る」という言葉を散見するんですが、なんで、「お話し」じゃダメなのかなー?といつも素朴に思います。

私がお金と時間を使って劇場に行くのは、「お話し・・・物語」が観たいからなんですが。これも嗜好性の問題かしら。


感性と好みは千差万別なので、当然、自分に合う、合わない、というのはあって、自分でも、きっぱりと、合わないなー、と思う作品や劇団もあるんですが、日本のラジオに関しては、観ないのは損失、という直感も感じていて、ただ、あの独特の表現の作品をはじめから終わりまで観るのは自分にはつらいのだなあ、と思ったのが、残念です。


でも、まさにその独創性をお好きな方もたくさんいらっしゃると思いますし、これからも、唯一無二の作品を創り続けてほしいな、と思います。

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