ぽけっとにチケット~おきらく観劇日記~

お芝居大好き。今日もぽけっとにチケットを入れて劇場へ。
小劇場からシェイクスピアまで、観てきたお芝居の感想をつづります。
基本、ネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。


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下北沢OFFOFFシアターで上演された、劇団MCR主催の櫻井智也さんのプロデュースユニット、ドリルチョコレートの『私が漫画家になっても』を観てきました。

出会って26年になるという、櫻井智也さん、おがわじゅんやさん、北島広貴さんの3人芝居で、私はドリルチョコレートを観るのははじめてでしたが、あうんの呼吸と軽快なテンポで、あっという間の70分でした。

途中からはパニックもの(?)のような様相になっていきましたが、笑いの中にもデリケートさがあったり、いろいろ感じるところもあったりで、とても楽しい時間を過ごしました。



以下、ネタバレありの感想です。





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2017年8月30日(水)19時30分

下北沢OFFOFFシアター

作・演出 櫻井智也

出演 櫻井智也 おがわじゅんや 北島広貴






地下の稽古場での櫻井(櫻井智也)、おがわ(おがわじゅんや)、北島(北島広貴)の3人の会話で話が進んでいくんですが、

実際、18歳の時に出会って、以来26年間、44歳になった今でも、3人でお芝居を作り続けている、ってシンプルにすごいなー、って思います。

でも、案外、お互いのことを知っているつもりで知らなかったり、

なにかの拍子に一人だけ疎外感を感じてしまったり、

と、3人というのはビミョーな感じになってしまうこともある、そんなデリケートな部分を突っついて笑わせるのは、櫻井さんらしいなあ、と思いました。



冒頭、北島が、櫻井とおがわに向けて、ZARDの『負けないで』を歌うところから始まって、北島のビミョーな歌声と(ごめんなさい)、この場面をどう受けとめるべきか?と思いながら観ていたんですが、

途中で、親の死を経験すると、『負けないで』の歌詞の意味が違って聞こえる、という話になって、親の死を経験した櫻井と北島が、親が存命のおがわに向かっていばっていました。


確かに、26年の間には、いろいろなこともあるわけで、親の死や、結婚とか、離婚とか、ある経験をすることで物の見方が変わったり、経験した者とそうでない者との溝を意識したり、自分の経験を自慢したり、と、どこまでが事実なのか、本音なのかわからない会話の中で、3人の関係性が変わるのがおもしろかった。


そんな中、稽古場から外に出て戻ってきた北島が、「外におびただしい数のかなぶんが飛んでいて、空を覆い尽くしている」と言います。

もしかしたら、日本中かなぶんだらけで大変なことになっているんでは?と心配するおがわに向かって、「いや、この辺だけでしょ」と妙に落ち着いている北島が可笑しかった。


そのうち、北島とおがわの携帯がつながらなくなり、なぜか櫻井の携帯だけが通じるため、櫻井の携帯を借りておがわがバイト先に電話をすると、バイト先では、空から大量の魚が降ってきて道路が魚だらけになり、もっと恐ろしいことには、黒い部分がぬめぬめしている3メートルもある細身のパンダが、人を襲っていると言います。





なにこの展開。




黒い部分がぬめぬめしている3メートルの細身のパンダ。

・・・人の想像力って、すごいですよね。

その台詞の情報をもとに、頭の中で、黒い部分=目の回りと耳と手足がぬるぬるしている3メートルの細身のパンダを思い描く私。


どうやら、外ではそのパンダが人間を喰っているらしく、阿鼻叫喚の様子。

たまたま地下にいる3人は、今のところ危険を回避できているわけですが、

「むしろ俺たち勝ち組じゃん。」という櫻井。


演劇界の片隅で、自分達の場所はここ、としてやってきたけど、自分の場所はここではない、と出て行った者達もいるわけで、

「ここにいるべきではないと言って外に出て行ったやつらは、結局死んじゃうんだから、生き残った俺たちは勝ち組。」という櫻井の言葉のトーンに、どこか苦味を感じてしまった私ですが、


そのうち、櫻井がどこかに電話をかけて、少しモメている様子もありつつ、どうやら相手は大切な女性の様子。櫻井は、相手の安否が心配で、いてもたってもいられず、外に行く、と言い出します。

おがわと北島は、今外に出たら死んでしまう、と止めるんですが、櫻井の決心は揺るがない。


ならば、携帯を置いていってくれ、と頼む二人に、櫻井は、それはできないから、一人ずつ、最後に話をしたい人に電話をかけてくれ、と言います。

そう言われて、「誰にかけるべきか。」と悩む二人。


北島は、一番電話をしたい相手は死んだ猫だというし、

「もう、お母さんでいいじゃん。」と言う櫻井に、「いや、この場合、母親ではないと思う。」と答えるおがわとか、一刻も早く彼女のもとにかけつけたい櫻井と、なかなか決められない二人のやりとりが面白かった。

そんな3人を観ながら、私も、世界の終わりに唯一声を聞きたい相手は誰かなあ、なんて考えていました。


やがて、おがわは、かねてからファンだったアイドルグループのアイドルに電話をかけて(業者から電話番号を買っていた)、相手を助けるために、自分も外に出ると言います。

一人、北島だけはここに残って、もう、相手は死んでいるかもしれないし、自分も死ぬかもしれないのに、終わっているかもしれない世界に出て行く二人のために『負けないで』を歌います。


ここで、冒頭と同じシーンがくり返されたわけですが、この時聞いた『負けないで』は、劇のはじめとは違って聞こえました。

櫻井は携帯を置いて出て行き、おがわも去った後、北島は、長年部屋に引きこもっているという妹に電話をかけて、終演となりました。


途中からは、シュールな展開になっていったし、3メートルの細身のパンダのイメージに翻弄されそうになりましたが(笑)、そんな中でも、相手を助けたい、相手のもとに行きたい、という衝動もそれはそれで良かったし、3人の心情に共感を覚えるポイントもいくつもあって、観終わった後には、いろいろなものを掘り当てたような、満足感がありました。


暴力的ともいえるハイテンションとエネルギーに満ちた櫻井さん、

おっとりとして包容力を感じさせるおがわさん、

わが道を行く、という感じで独特な世界観をもっているように見える北島さん、

この3人が創り出す世界をこれからも観てみたいな、と思います。

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