ぽけっとにチケット~おきらく観劇日記~

お芝居大好き。今日もぽけっとにチケットを入れて劇場へ。
小劇場からシェイクスピアまで、観てきたお芝居の感想をつづります。
基本、ネタばれしていますので、未見の方はご注意ください。


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本多劇場で上演中の、M&Oplaysプロデュース 根本宗子作・演出『皆、シンデレラがやりたい』を観てきました。

根本宗子さんの作品は、以前、『夏果て、幸せの果て』を観ましたが、根本さんの作品を楽しむには、自分はちょっと年をとり過ぎているかなあ、という印象でその後が続かなかったんですが、今回、キャストの顔ぶれが魅力的だったので、チケットをとりました。


女同士のあれこれの会話の妙や、痛さや苦さも含んだ笑い、後半にかけてのスピード感、最後のシーンのカタルシス、と、なるほど、今勢いがあるのも納得の、楽しい観劇体験になりました。

キャスティングもぴったりで、それぞれのキャラの魅力が十分発揮されていたと思います。


以下、すっかりネタバレしていますので、未見の方はご注意ください!




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2017年2月19日(日)マチネ

本多劇場

作・演出 根本宗子

出演 高田聖子 猫背椿 新谷真弓 新垣里沙 小沢道成 根本宗子



あるアイドル(通称りっくん)のおっかけをしていて知り合った3人の女達。

榎本(高田聖子)はパート勤めで倹約家、神保(猫背椿)はスナックのママ、角川(新谷真弓)はお金持ち、と収入もライフスタイルも違う3人ですが、ファン同志という共通項で仲良くなり、ライブの帰りは神保のスナックに寄ってライブの感動を反芻しつつ、楽しく過ごしています。


この、キャッキャッする感じは、すごーくよくわかる(笑)

今回、キャストの年齢が高めなので、根本さんはどんな物語にするのかなあ、と思っていましたが、なるほど、そうきたか!と。

好きな人のことで共感しあえる友達と盛り上がるのは、いくつになっても楽しいし、心にアイドルをもつことに、年齢制限はないのだし。


当のりっくんは、まだメジャーデビューはしていないらしく、3人は、

「りっくんは私達が育てる」という使命感のもと、

プレゼントの手渡し禁止というルールを守り、ぬけがけしないように牽制し合ったりしています。

一番年上と思われる神保が、老眼でガラケーの文字が読めない、とか、なかなかスマホにしないとか、ツイッターのやり方がわからない、とか、私は心の中で“あるあるボタン”を押しっぱなし(笑)

仲良くしているのに、一人がトイレに行った隙にいない人の悪口を言っちゃうところとかも、「あいたた・・・」と思いつつ、前半は、高田聖子さん、猫背椿さん、新谷真弓さん達演技巧者の味のある演技を満喫しました。


そんなある日、神保がスマホを使い始めて、3人でツイッターを始めたことから事態は急変。

メジャーデビュー間近のタレントの三村まりあ(新垣里沙)が、自らりっくんと一緒にいる写真をツイッターに載せており、炎上していることがわかります。

りっくんに恋人!?

しかもそんな写真を流出させるとは!と怒り狂う3人は、スナックに泊まり込んで不眠不休で三村の悪口をツイッターに書きまくります。

(イタすぎる・・・)


そして、3人が疲れ切って寝ているところへ、三村のマネージャーが訪ねてきます。マネージャーは、3人に金を渡して悪口を削除するように頼みますが、「お金の問題じゃない。」と3人は拒否。

さらに、三村本人もスナックに乗り込んできて、3人に言いたいことがある、と話始めると・・・


実は、りっくんはホストクラブに勤めていて、それを勧めたのは角川で、内緒でりっくんと会っていたこと、さらに榎本も神保も他の二人に内緒でホストクラブに通い、りっくんにプレゼントをし、お金を貢いでいた・・ということがばれてしまいます。

嘘がばれていく過程で、敵と味方が入れ替わったりと、関係性が二転三転するところは爆笑の渦。


三村によれば、りっくんは、3人からもらったお金で風俗に通っていて、今、その風俗嬢に入れ込んでいる。三村は妊娠していて、それを告げたところ、堕ろすように言われた。彼がどんなにひどい男かを3人に知らせたかった、と。

・・・最低の男、りっくん・・。


すったもんだの末、神保と角川は、りっくんに幻滅してしまい、もう追っかけをする気は失せてしまうのですが、

榎本だけは、「そんな話は聞きたくない」と三村に怒り、「りっくんに対する気持ちはそんな程度なのか」と神保達に怒り、

自分はそれを聞いてもりっくんへの愛は揺るがない、おっかけをやっている今が人生の中で一番充実している、そしてホストクラブでりっくんにシャンパンコールをしてもらうために、洋服はユニクロとしまむらだけ、節約に節約を重ねているのだ!と叫びます。


神保には、由依(根本宗子)という前妻の娘がいて、由依は継母のスナックを手伝っているんですが、由依自身、好きな男に貢ぐために風俗に勤めていて、それはカッコいいことだ、と常日頃から言っています。

継母達の騒ぎを面白そうに見ていた由依ですが、榎本に、ホストクラブはつけがきくから、今、シャンパンを入れて、後からつけを返すこともできる、と教えます。

それを聞いてスナックを飛び出していく榎本。


実は、りっくんが入れ込んでいるという風俗嬢は由依で、三村が神保達の場所を特定できたのは、由依がわざと神保のスマホで位置情報がわかるようにしていたからでした。

それを聞いて由依に殴りかかる三村・・


と、次の瞬間、奥からシャンパンタワーが現れ、たくさんのホスト達とともに榎本が出てきました。

角川からもらったワンピースと、神保からもらったシャネルの靴を履いて、シャンパングラスにシャンパンを注ぎ、ホスト達に囲まれてシャンパンコールをあびながら輝くような笑みを浮かべる榎本は、まさにシンデレラ、と言っていいほど美しい。

ここはもう、カタルシスを感じてしまいました。


こうして書いてみると、筋書きはシンプルなんですが、中盤から後半にかけてと最後のシーンに至るまでの、物語が加速していく感じがすごかった。

女の嫌なところとか、痛々しい部分も描かれるけど、共感と笑いに昇華するので、観ていて嫌な気持ちにはならない。

いくつかの伏線も、丁寧に回収されていました。


三村を演じた新垣里沙さんは、もとモーニング娘。だったんですね。アイドルという雰囲気と、鬱屈と、痛さや必死さを感じさせつつ、他のキャストにひけをとらないパワフルな演技で、とても良かった。

マネージャーを演じた唯一の男性の小沢道成さんも、ユーモアとメリハリがあって良かったし、あっけらかんとしているけど毒を秘めた由依を演じた根本さんを含め、すべてのキャストが過不足なく物語を成立させていたと思います。


“風俗に勤めて貯めたお金で惚れた男に貢ぐことはカッコいい”という主張に共感できる引き出しは私にはないんですが、

でも、

男に過度に依存したり、

男に過剰に怒りを向けたりするよりは、

自分の稼いだ金で好きなようにするのだ、と豪語する姿は、いっそ清々しい感じがしました。


皆、シンデレラになりたい、ではなく、

皆、シンデレラがやりたい。

もう、シンデレラにはなれないことは十分わかっているけれど、ならば、自分の覚悟と、自分の力で、シンデレラをやるのよ!という突き抜けたパワーに、私もなんだか力が沸いてくる気がするのでした。

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