アガリスクエンターテイメントの、『ナイゲン(全国版)』東京試演会に行ってきました。

『ナイゲン』とは、劇団メンバーの母校の千葉県立国府台高校に実在する、文化祭に関する内容限定会議ー略してナイゲンーをモデルにした、高校生の会議をめぐるコメディ。


東京試演会として、にしすがも創造舎の教室を使って上演するということで、

高校演劇部出身の私としては、教室で稽古した日々や、クラスの発表として教室で演劇をやったことを思い出し、


教室!教室で観れる!!

と、

我ながら異様なまでにテンションが上がり、


10月3日、4日で3ステージのみ、しかも1ステージのチケットは25名分のみで当日券や増席はなし、と聞いてからは取れるかしら?と不安になり、チケット販売当日は正座待機。

で、無事、チケットを取ることができました。

当日は、少し暑かったですが、お天気もよく、意外にも、教室にはクーラーがありました。



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2015年10月4日(日)12時30分開演

にしすがも創造舎

脚本・演出 冨坂友

出演 甲田守 沈ゆうこ 鹿島ゆきこ 金原並央 さいとう篤史 榎並夕起 古屋敷悠 斉藤コータ 津和野諒 細井寿代 淺越岳人 信原久美子 塩原俊之



そもそも、なんで、東京“試演会”なんだろう?

しかも、チケット代、1000円って、安っ!!と思っていたのですが、

リーフレットには、アフタートークでゲストを招き、観客も交えて意見交換をして、次の京都・東京公演への「作戦会議」としたいので、意見や感想歓迎、とあったので、

これは、「なんか、観客参加型的な、ソレなのね?」と思い、

OK、ならば、こんな機会はめったにないので、大いに楽しもう、と思いました。


試演会とはいえ、実際には、2時間の本気の上演。

教室そのものを使うので、照明器具もなく、スポットライトや暗転もなし。

窓からの光と蛍光灯の明かりのみでしたが、そんなハンディは感じさせず、目の前で繰り広げられた高校生達の、不器用で、必死で、熱い物語を観ることができて幸せでした。


観客は、授業参観のように、教室の後方や壁際に座って観るのですが、

「教室で展開する物語を、教室で観る」というレアな状況で、

狭い教室に、笑い声が響き渡っていました。

そして、クライマックスには、しん、とした空気が張りつめて、鼻をすする音も。


※以下、ネタばれを含んでいます※


「ナイゲン」は、高校1年生から3年生までの各クラスの文化祭での発表内容について話し合う会議で、問題なくすべて承認されて終わろうという時に、学校側から、どこかのクラスで、学校側で用意したイベントをやるようにと指示されます。

そのためには、どこか一つのクラスは、用意した発表ができなくなる。

しかも、それが決まらないと、すべてのクラスの発表は、一般公開ができなくなると言われてしまったのでさあ大変。

どこのクラスを落とすかの、泥仕合が始まってしまいます。


多数決で、その一クラスを決めようとするのですが、もうメチャメチャなやりとりになり、ここは笑いがヒートアップ。

落とすべきクラスの票が行ったり来たりするさまは、 

「十二人の怒れる男」や、

「十二人の優しい日本人」を思わせます。

大人数の劇なのに、一人一人のキャラが明確なのもすごい。


票が二転三転する中で、手続き上の不備で、あるクラスの発表ができないことが判明します。そのクラスは、仕方がないので、自分のところが降りて、学校の要求する内容をやる、となり、それに全員が賛成すれば、一件落着、となるところで、

一人、賛成の手を挙げない者が・・。


「そもそも、学校から言われるままになって、抵抗しないのはおかしい。」

「生徒のことは、生徒自身が決める、という国府台高校の自主・自律の精神に反するじゃないか。たとえ、文化祭ができなくなっても、抵抗することが大切なんだ。」

とのその三年生の切実な主張は、大人になった自分の心に響くものがありました。


そして、それからまた怒濤の展開があり、最後は、胸をうつラストを迎えました。

高校の一教室で展開される話なのに、社会の縮図が見え、反対した三年生の意に沿わない結果になったように見えて、実は、その主張と想いは、しっかりと次の世代に受け継がれているという、受け継いでいくことー継承ーの物語でもあるんだな、と感じました。

若い観客も、もう若くはない観客も、それぞれに感じるところのある作品だと思います。


アフタートークでは、ゲストに演劇企画CRANQ主宰で俳優の、吉田ボイス氏を迎え、観客との意見交換がなされました。

私は、観劇前は、できるだけ事前の情報なしに観るのが好きなので、『ナイゲン』の2012年版と、2013年版の全編の映像を、ネットで見ることができるのは知っていましたが、あえて観ることはせずに、今回の試演会に行きました。


以前の作品とは、配役の他にも、いろいろと変わっているところがあるようで、過去の作品を観た観客からの意見も興味深かったです。

アガリスクエンターテイメントのホームページに行くと、過去の公演の映像を見ることができるので、これから、観てみたいな、と思います。


で、アンケート用紙が配られたんですが、なんと、設問が16項目もあるアンケートで(笑)、でも、回収率はすごく良かったみたいです。

それは、アガリスクエンターテイメントさんの、「この劇をもっと、もっと良いものにしたい。」という、情熱と真剣さが伝わってきたからこそ、観客も自然に、意見や感想を書きたくなったのだと思います。


晴れた秋の日、教室で、間近で、熱意あふれるお芝居を観れて、ほんとに楽しかった!

アガリスクさん、ありがとう。

でも、今回は、あくまでも「試演」で、本番は、

10月9日(金)~12日(月・祝)の京都公演@元・立誠小学校音楽室

11月13日(金)~14日(土)の東京公演@新宿FACE

になるのでしょうから、劇団としては最後の再演ということもあり、きっと、よりブラッシュアップされた作品に仕上げてくるだろう、と期待しています。


終演後、にしすがも創造舎の1階のカフェで、友人達と反省会。

本日のおすすめの三色丼(500円!)を食べながら、いろいろとおしゃべりしました。

友人の一人は、お芝居を観ながら脳内で会議に参加していて、どうすればいいのかを真剣に考えていたので、疲れた、と言っていました。

おしゃべりしていたら、あっという間に17時近くなって、早くも17時30分からのステージの開場の時間になりそうだったので、楽しかったなーという思いを胸に、にしすがも創造舎を後にしたのでした。


ナイゲン(全国版)特設サイト


ナイゲン(全国版)予告映像


ナイゲン(2012年版)本編フル映像


ナイゲン(2013年版)本編フル映像