昨年末、私が米も買えないほど貧乏していると知った兄夫婦が、高価な但馬牛を５００ｇ届けてくれました。
以前聞いた話では、日本各地に○○牛と言う高級牛肉がありますが、それらは皆、但馬からやって来た牛を交配させた、犬で言うならうちの子たち同様雑種で（笑）、純血ペディグリーな牛は但馬牛しか存在しないんだって。そしてその最高峰がかの有名な神戸牛。
兄がくれたのは神戸牛ではないけれど、旦那の大、大、大好きな但馬牛。私も、もち好きだよ！私はホルスタインの♂でも構わない、牛肉一筋の人だからねぇ。
昨日はその但馬牛で、鍋をしていただきました。旨かったぁ！！！
牛しゃぶしゃぶ
この前牛しゃぶを食べたのはいつだ．．．？と、夕べ鍋をつつきながら考えたら、父のお通夜の夜、通夜振る舞いの後、身内の者だけで食べに行ったしゃぶしゃぶが最後。それ以降、牛しゃぶなんて一度も食べていない！
父の葬儀会場が準備してくれた通夜振る舞いの料理が、想像以上に美味しくて、親戚のオッサンもオバハンも食う食う。
これからしゃぶしゃぶを食べに行くんだから、腹八分でおきなよと言っても、またしては食い、またしては食い。
その後しゃぶしゃぶを食べに行ったら、あんたらさっき満腹になるところまで通夜振る舞いの料理を食べていたのに、まだ食べれるんか！！！と驚くほど、肉があっと言う間に消えてゆきました。
子供の頃は叔父や叔母、いとこたちが全員集まって、わいわいがやがや楽しく過ごす機会が年に一度は必ずあったけれど、大人になってからはそういう機会が全くありませんでした。父のお通夜で全員がこうして集まったのは、何十年ぶりのこと。
おまけに、いとこや私がオッサン、オバハンになったから、今なら話しても構やしないと思ったのか、祖父に隠し子がいるだのいないだの、耳を疑うような話が次から次へと暴露されたの。可笑しすぎて、みな涙流しながら腹抱えて笑っ放しの夜でした。
父が亡くなってから不思議なことがいくつかあった。液体ものが一切ない枕元がぐっしょり濡れていたり、電気がちかちかしたり、時にはスーっと消えたり。
その都度、父が今側に来ていることを私に知らせているなぁ．．．と思うんだけれど、あの通夜の夜ほど不思議な体験をしたことは、未だないね。
父は昔話をするのが大好きな人でした。反対に母はなぜか昔話が嫌いだった。と言うか、父が昔話をし出すとエキサイトするのが嫌だったみたい。顔をしかめて、父の話をいつも制止していました。
あの通夜の夜、目にはその姿は見えなかったけれど、通夜振る舞いの席でも、しゃぶしゃぶの席でも、父は我々と同席し、長旅に出る前に、兄弟達と思い存分昔話に花を咲かせていたんだろうね。うるさく言う母もいなかったし。
そして、叔父や叔母、いとこが恐ろしいほどの食欲で料理を食べたのは、父の分まで食べていたからかも知れないね。
牛肉、しかも、国産のロース肉しか食べたがらなかった父。死んだら胃瘻なんか糞喰らえじゃぁ！で、牛しゃぶもたらふく食って、この世に思い残すこと全くなく、長い旅へと出発したんだと思う。
父が旅立ってから、来月で早くも３年が経ちます。夕べ久々の牛しゃぶを食べながら、ふと、通夜の夜の不思議な出来事を思い出したのでした。
霜振った牛肉なんて、最近ではスーパーで目にするだけ。値段みたら手に取るのさえ恐ろしい。横に売っているアメリカ産の脂身いっぱいの小間切れでさえ、お財布の中と相談しないと手が出ないのに．．．
その霜降りが目の前に！すげぇ～っ！たらふく食ってやるぅ！と、意を決してテーブルに着いた。
せっかくの但馬牛なのに、旦那の大好きな春菊が高すぎて買って上げれなかった。青いものはこの前他の料理に使った残りの、ニラでゴメンチャイ！（汗ｘ汗）
肉は５００ｇ強あった。久々の国産霜降り牛だから、夫婦で完食できる自信満々だった。
なのにね、３切れも食べたら、そのこってり感に胸がつかえだしてさぁ、１切れ毎に数分のインタバルを置かないと、食えないんだよ！私だけじゃなく旦那も同じ。
何だ何だ、２人とも胃袋まで完全に貧乏人になっちまったのかよぉ！情けねぇ～よぉ！
結局、旦那が１８０ｇくらい、私が無理して１２０ｇくらいを食べ、残りは今晩別の料理に使うことになりました。
しゃぶしゃぶの後は顆粒中華だしやお醤油でスープを味付けし、中華麺を投じて食べました。そして今朝はそのスープの残りにご飯を加え雑炊な朝ご飯にし、２度美味しくいただきました。兄夫婦に心より感謝。
この次はいつ食べれるかなぁ、牛しゃぶ．．．？
旦那が再就職したら、その日はお祝いに但馬牛の最高峰・神戸牛を買ってしゃぶしゃぶしてやる。あぁ．．．いつになったらその日が来ることやら。
