カップ麺ギャラリーからは、まっすぐ西に向かい、歩いて20分くらいで新宿駅ALTA前に到着。たまには陽射しを浴びて外の空気を吸うのも大事ですね。
途中、紀伊国屋書店で先日発売になった、新井素子さんの新刊『星へ行く船』シリーズの最新刊(第4巻)『逆恨みのネメシス』を購入。長〜いあとがきには先日のトークイベントでのことなども盛り込まれていました。
新宿駅からは中央線で三鷹まで移動し、南口駅前のビルにある三鷹市美術ギャラリーへ。現在開催されているのは『根付 -江戸と現代を結ぶ造形』という展覧会です。
平成19年にオープンした大きなコレクション、京都 清宗根付館の所蔵品の出張展示になります。
江戸時代、衣服にポケットの無かった時代に、印籠や巾着を帯にとめる留め具として用いられたのが根付です。
現代の携帯ストラップのような飾りものですね(スマートフォン時代になってストラップも下火になってしまいましたが)。
初めて根付という言葉が登場したのは1670年頃と言われており、文化文政時代に花開きます。
掌の中の芸術品という言葉がぴったりの繊細な造形は、観る者を魅了します。
しかし、明治維新以降に洋装が一般化していくにつれて急速に衰退してしまいます。
今回の展示は、古い作品もさることながら、現代の匠の作品たちを数多く展示しています。一つ一つが小さく、展示数も約300点と多く、たいへん見ごたえがありますね。細かい部分を見るためにチケット売り場でルーペを貸し出してくれます。最初は要らないかな、と思いましたが、やっぱりあった方が断然良いです。細かな部分は拡大しないとわかりにくかったり、質感も大きくした方が伝わりやすい感じがしました。但しとても目が疲れます^_^;
展示ははじめに古典根付、近代根付に始まり、現代根付へと展開していきます。
動植物や身近なものを題材にした作品、季節感を出したものや、物語の登場人物などをあしらったものなど、本当にバラエティに富んでおり、色もシンプルなものからカラフルなものまで各種様々であり、素材もオーソドックスな象牙のものから鹿の角や鯨の歯、木製のもの、はたまた現代では合成樹脂なども使われています。
現代作家のアトリエの様子や作業道具なども展示されており、より理解を深めることができます。
私が訪れた時は、来場者もほとんどおらず貸切のようでした。帰る頃にはもう少し増えていましたが、年配の方がほとんどでしたね。
これだけの数の根付をまとめて観られる機会はあまり無いと思いますので、江戸時代から続く日本の粋な文化を堪能してみてはいかがでしょうか?
展示作品は図録にまとめられています。