クッキー編集部のブログ~投稿者向けアドバイスもあります!~

奇数月26日発売の少女漫画誌「クッキー」(集英社)の公式ブログです。漫画家志望者のための漫画の描き方に関する記事も。
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あと少しでCookie3月号の発売日ですね!

お久しぶりです。
ブログ担当のケンケンです。

さて、今回も新人・投稿者さん向けの記事です!

ネームを描いていると
「う~ん。何か足りないなあ」
「何か面白くないから筆が進まないなあ」

と思うことってありますよね。

さらにそういうネームを直していると
「これって…本当に面白いのかな」
「このネームやってて良いのかな…」

というスパイラルに陥ること、ありませんか?

「あるある!」という方は
ちょっと今回の記事、読んでみてください。

少しはお役に立てるかもしれません。


まず、作者自身も
「何か足りない」
自信を持って「これは面白い」
と言えないネームは

その漫画の、どんなところで
読者を楽しませたいか、

という視点が抜けているように思います。

狙い不足、
言い換えるなら「面白ポイント不在」です。

大体、そういうネームを描いた作者に
 どういうところを読者に
 楽しんでもらおうと思いったか、
 どういう面白さを読者にぶつけたいか、
と聞くと

「主人公の感情の変化を楽しんでもらいたかった」とか
「主人公Aが、最初は男の子Bが苦手だったけれど、
 最終的にはBを好きになるという物語で
 楽しんでもらいたかった」

という答えが返ってきたりします。


「主人公の感情の変化を楽しんでもらいたかった」・・・。

なるほど。
それをやること自体に間違いはないですよね。

でも、ほとんどの恋愛漫画や読み切りに於いて、
感情の変化があるということは、
当然の前提ではないでしょうか。

感情の変化は大事です。
でも、それを描いたからといって、
すべての漫画が面白くなるかといえば
そうではないですよね。


感情移入してもらうことは、
マンガを読みやすく、入りやすくするための
テクニック的なものであって、
それ以前に面白ポイントがないとダメなんです。

「主人公Aが、最初は男の子Bが苦手だったけれど、
 最終的にはBを好きになるという物語で
 楽しんでもらいたかった」
に関しては、完全にあらすじです。
そこに面白ポイントは見当たりません。


あらすじの時点で面白ければ、それでも良いのですが、

上記のような、至って普通なあらすじで、
ネームもいまいち乗って描けてないとしたら、
面白ポイントは、無いんじゃないかな~と思います。


ネームがいまひとつな上に、
そう答えてしまう場合、
作者自身も「この漫画の面白ポイントはここだ」
と言えていない時ではないでしょうか。



また、「伝えたいこと」と「面白ポイント」が
イコールなら良いのですが、

面白ポイントがないのに
「伝えたいことは、主人公の一途さです」
となってしまうようなネームも要注意。


主人公が一途なら、どんな漫画でも
無条件で面白いかと言ったら、そうではない。


まず「面白ポイント」を中心に作っているか、
そこをチェックしてみてください。


※もちろん、「面白ポイントここです」と言えなくても
面白い作品・ネームはありますので、

今回は、そもそも「これで楽しませよう」
「この漫画の売りはここだ」
っていう視点が抜けていて、
とりあえず起承転結だけでネームを作ってしまったケース
と思って読んでくださいね。




では、どうしたら面白ポイントは作れるのか。


「面白さって何!?」なんて、
頭をカタくして考えては良くないですよ(笑)。

自分の感情に素直に
「それ、読んでみたい!」
「それ、面白いじゃん!」
というものが面白さです。
そんな深く考える必要はないです。


面白さって、いろいろあると思います。

キャラクターの面白さ、
キャラ同士の関係性の面白さ、
設定・シチュエーションの面白さ、
展開自体の面白さ
見たことのない新テーマや企画の面白さ、


もっと具体的に言いましょうか。

・世界から悪をなくそうと思っている少年が
 人を殺すことの出来るノートを手に入れ、
 殺人という悪の手段によって、
 それを実現しようとする矛盾の面白さ。

・幼稚園児なのに、言うことや、やることが
 まるでスケベなオッサンか世慣れした主婦のようで、
 大人顔負けの行動をする面白いキャラ。

・平安時代の伝説の囲碁名人が現世に現れ、
 囲碁を何も知らない少年に代わって囲碁を打つことで、
 囲碁界を揺るがすという面白さ。


などなど。

(既にある漫画の面白ポイントは何だろうか?
 と考えてみるのも良いかもしれないですね。)


面白ポイントがなければ、

単なる正義の少年が悪人を裁こうとするだけの
お話になったり、

幼稚園児のほのぼのコメディになったり、

少年が囲碁でトップを目指すだけの
お話になってしまいますよね。


面白ポイント、大事です。


面白ポイントのある作品は
一言であらすじが説明でき、
かつ面白いあらすじなので
口コミで漫画が広まりやすい。




ただ、上記のような
その漫画ならではの面白さを作るでも良いですが、

少女漫画の場合は、
そういった変わったシチュエーション・設定よりも、

私たちとそう変わらない普通の人間関係、
普通の学園生活が舞台の作品が多いので、

そういう設定的な面白ポイントは
自分の少女漫画には活かしづらいなあ…
という方もいますよね。


そういう場合は、人間関係の面白さ!

たとえばですが、
神尾葉子先生の「花より男子」。
花より男子(だんご) (1) (マーガレットコミックス (2028))/神尾 葉子
お金持ちだらけの学校の中で、
さらに4人の超お金持ちなグループ・F4が
学校を牛耳っていて、誰もが赤札に怯えている。

結構この設定の時点でも面白いのですが、
(赤札っていうディティールが良いですよね)

庶民である牧野つくしは、
F4のリーダー・道明寺に飛び蹴りを食らわせた後、
道明寺に一目置かれ、好かれてしまうわけですね。

2人の関係性は、対外的には
いじめっ子のリーダーと
いじめられっ子。


※すみません。分かりやすくするため、そう書かせてください。



道明寺の内面は
「こいつ…オレの姉に似ているところがある…
 そばに置いてやってもいいかもしれない」。

「オレを見て赤くなるとは、この女、オレに惚れたな」。
という片想い&勘違い状態。

つくしの内面は、
「何なのこいつ。人の気持ちも分からない
 金持ち坊ちゃんが…!」
という相容れない状態。


『花より男子』の序盤では、
このように
「オレのこと好きなのか~まんざらでもないかな~」と思っている
いじめっ子のリーダーが
いじめていたはずの子を好きになっていく
主人公はとっても迷惑

という、何とも面白い人間関係性の中での
感情変化が描かれています。

これが人間関係の面白ポイントです!


※もちろん道明寺がお金持ちなのに
ちょっと抜けてておバカなところのギャップも、
たまにちゃんとカッコいいというギャップもあり、
キャラとしての面白ポイントもあることを
見逃してはいけません。


投稿作で、何度か『花より男子』の構図を
見習った作品を見たことがあります。

「学園を牛耳る男子グループと、それに対立する女の子が
 少しずつ恋仲になるお話」や

「学園を牛耳る理事長の息子に好かれた主人公が
 最初はイヤイヤだったのに、彼を好きになるお話」
などなのですが、

その設定を作っただけで満足してしまい、

面白ポイント不在で、ただその設定・あらすじを
なぞっているだけの作品がどうしても多く見られました。



たとえば、面白ポイントとして、
学園を牛耳る男子グループのリーダーと
転校生である主人公の関係性が

「元カレと元カノ」だったり、
「昔は男の子がいじめられっこで、主人公が助けていて、
 でも今はリーダー格のポジションを維持しないといけないから
 主人公だけの前では、しおらしくなる」とか、

何か関係性の面白ポイントを作った上で、
そのキャラなりの感情を描けていたら、
印象は違っていたかもしれません。



「花より男子」の面白ポイントは、
「逆ハーレム」設定ではなく、
この人間関係の面白さを作ったうえでの
キャラの立った2人の感情の変化だと思います。

「逆ハーレム」設定というのは、
外側から見たとき分かりやすいキャッチ‐な要素
もしくは面白い人間関係を作り出すための
布石にすぎません。

しかし残念なことに逆ハーレム設定の漫画を
投稿作で描いてくるる方の多くは、
人間関係の面白さを作ることを忘れがちなのです。

読者は「逆ハーレム」設定なら
何でも面白いと飛びつくわけではないですよね。
そこが落とし穴なのです。




僕が立ち上げから担当した作品で、
黒崎みのり先生の『バディゴ!』という作品がありますが、
バディゴ! 1 (りぼんマスコットコミックス)/黒崎 みのり

こちらは、
動画サイトで、男の姿でダンスをする女の子の踊り手が主人公。
ヒーロー役は、動画サイトのトップ踊り手なのですが、

主人公は彼のことをライバル視している。
彼の方は女の姿の時の主人公に惚れている。

そんな2人はアイドル事務所の目にとまり、
男性ダンスユニットにされてしまう。
という関係性です。

ライバルのはずがユニットになってしまったので
協力しないといけない、共同生活を送らないといけない。
そこが関係性の面白ポイントです。


(今回、関係性の面白さを分かりやすく
 紹介するために、他誌作品を出しましたが、
 3月号からのMaria先生の新連載は、
 主人公と継母、弟との関係性が非常に気になる
 作品になっていることを告知しておきます…!)


面白ポイントないな~と思ったら、
関係性の面白さから作ってみることをお勧めします。

その方が、キャラの感情を具体的に掴みやすくなると思いますし、


少女漫画において、
読者が興味を持つ一番のポイントは、
その漫画でどんな人間関係が描かれているか
興味深い人間関係の中で、
キャラがどんな感情を抱き、行動するか


だと思うからです。



また作者にもメリットがあります。

「ここが面白ポイント!」っていうものが決まっていたら、
そこに向かって自信をもって描ける&直せるので
作者もネームを描いていて楽しいはず。

「直すことで、この1点の面白さに磨きが掛かっている」
と思えるから、
直す作業も苦ではなくなるのではないでしょうか。


ということで、
読み切りや連載の1話を描いていて、
このネーム…あまり面白くないぞ…
となってしまう人は、

「この漫画は、ここが面白いところなんだ」
「ここで楽しませるんだ」
という
面白ポイントを意識してみると良いと思います。



キャラクターの魅力と
人間関係の面白さの両方がある作品は
その関係性の中で感情移入することが容易なので
かなり面白くなりやすいです。


長くなりましたが、
最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

最後にチラッと
26日発売のCookieの告知を…。


新人・投稿者さんに朗報!


Cookie3月号では、
C.C.C.のコーナーで
高須賀由枝先生による
キャラクター論
のインタビュー記事が載ります!!!

高須賀先生が
どうやってキャラクターを生み出し、
キャラを立て、動かしているのか、
かな~り詳細&濃厚に聞かせていただきました!



さらに、Cookieホームページでも
インタビューのやり取りをアップしますので、
HPの更新日になりましたら、
ブログでも告知いたします!

色々な作家さんに登場していただき、
シリーズ化する予定です!


普段、編集の目線で
アドバイス記事を書いていますが、

漫画を描くわけではない編集の目線だと
理屈っぽくなってしまい、


描き手からすると
「分かっちゃいるけど、出来ないんだよ!」
と思うかもしれません…!


実際のヒット作家さんの
生の声の方が、とってもとっても
みなさんの参考になると思いますので、


投稿者さん、新人さんは是非
1月26日発売のCookie3月号を
手にとって読んで欲しいと思います!


目からウロコの連続です!

乞うご期待!


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