GWも最終日、今年は特段出かけることもなく、更に5日は

中旬に締め切りの仕事に目途を付けるため、出社しました。^^;

そんな嘆き節は置いといて、今回は私的な記憶や記事を

ブログに残す、恐竜学の備忘録の2回目をお送りします。


今回は古生物学同人誌「PANGEA」を取り上げます。

事の発端は、ブロ友さんへのコメントを送る際に資料あさりを

していたところ、本棚か懐かしい資料が見つかりました。
魚竜館冊子
1999年の8月下旬、東北へ博物館めぐりした際に訪れた

歌津魚竜館の図録と、ミュージアムショップで売られていた

古生物学同人誌「PANGEA」です。

このPANGEAは、古生物イラストレーターの山本聖士氏が主催した

「ぐるーぷ三畳一間」という同人団体が刊行した同人誌で、

参加メンバーも蒼々たるメンバーが名を連ねています。^^
パンゲア1
サイエンスライターの金子隆一氏(故人)に古生物関連の

イラストや著書で有名な北村雄一氏、同じくチョコらザウルスの

原型や、2002年世界最大の恐竜博で復元画を担当された、

菅谷中氏というbigネームで編纂されています。^^

三畳紀を題材にしたもので、総ページ数56ページのボリューム。

前半を絶滅した海生爬虫類、板歯類をテーマに後半は聖地巡礼と

題して、アメリカ合衆国ゴーストランチでのレポ記事が載っています。
パンゲア2
ここで、板歯類(プラコダス類)について少し説明しましょう。

三畳紀中期~後期にかけて、欧州各地(中国でも発見されちます)の

浅い海に生息していた海生爬虫類のグループです。

体長は2m程度(3m級も居たようです)で、板状の歯を持ち、

その特殊な歯で貝類や甲殻類を殻ごと噛み砕いて食べていました。

イグアナの様な体型をしたものや、カメの様に甲羅を持ったものが

いました。^^
パンゲア3
改めて読んでみると、内容は完全に同人誌のレベルを超えています。

当時は丁度、鰭竜類(クビナガリュウ)や板歯類が広弓亜綱という

分類群から、双弓亜綱の1グループへ編入された頃で、そのあたりの

経緯や各クレードの特徴などがまとめられています。

現在でもそうですが、海生爬虫類について詳しい専門書はまずなく、

そういった意味でも、この同人誌は大切に扱わないといけないですね。


後半の聖地巡礼は、山本氏が心酔しているコエロフィシスの産地を

レポートしたものですが、こちらの記事もマニア必携の内容でした。
パンゲア4
パンゲア5
あくまで手製の同人誌ですので、発行されてから15年に近く経って

いるのに、良く焼けず(黄ばまず)に残っていたものと、我ながら

関心してしましました。^^;


ここで折角板歯類を取り上げたので、ほかに資料は無いかと探して

みたところ、恐竜学最前線とDinoPlessに欧州の博物館記事が・・・
パンゲア6
パンゲア7
恐竜学最前線ではドイツ・シュトゥットガルト自然史博物館の紹介レポ、

板歯類やプラティサウルスの全身骨格が展示されているそうです。^^
パンゲア8
パンゲア9
DinoPlessでは、イタリア・ミラノ自然史博物館のレポで、

三葉虫の様な甲羅を持った板歯類の記事が載っています。

どちらも昨年亡くなられた金子隆一氏によるものですが、毎回

詳細なレポを紙面を通して伝えて下さり、現地に行けない小市民に

とっては感謝の一言につきますね。

改めて個人のご冥福を祈りたいと思います。


今回同人誌について取上げた訳ですが、この本を手に入れることが

出来たのは、当時魚竜館で開かれていた「世界の魚竜展」を訪れた

ことでした。^^

残念なことに館内での撮影が禁止だったので、当時の画像は1枚も

ありません。

再度訪れる機会を伺っている間に、東日本大震災で津波の被害に

遭われてしまいました・・・

不幸中の幸いは館長夫妻が無事津波から逃げおおせたことと、

海水に浸かったものの建屋の形状のおかげで、標本が外に

流失しなかったことです。※水没したままの標本はあります。

その後レスキューされた標本が、仙台市科学館にて展示されている

とのことで喜ばしい限りです。^^

魚竜館の再建は簡単なことではありませんが、いつかまた

歌津町に復活した魚竜館を訪れてみたいものです。


ではまた。^^