時代小説文庫(ハルキ文庫)

2018年2月 第1刷発行

2019年2月 第5刷発行

307頁

 

「あきない世傳 金と銀」シリーズ第5巻

 

大坂天満の呉服商・五鈴屋の三兄弟に嫁すという数奇な運命を受け容れた幸

桔梗屋買取の件も無事片が付き「女名前禁止」の大坂で幸は夫の理解のもと奉公人らと心をひとつにして商いを広げていきます

 

六代目徳兵衛との間に夫婦としての強い絆が生まれ、幸のお腹には新たな命が宿ります

しかしその子は早産で亡くなってしまい幸も生死の境を彷徨うことに

悲しい出来事でしたが何とか立ち直った幸でした

一方、故郷の津門村に暮らしていた実母が亡くなり妹の結を引き取ります

優しい夫やたった一人の肉親、信頼のおける奉公人たちとの暮らしに幸は日々幸せを感じられるようになり、江戸出店に向けてこれから、という時に智蔵が倒れたという報せが…

ちょくちょく、顔色が悪い、疲れた様子、などの描写があったので心配だったのですが、3人目の夫も幸を残して逝ってしまうのでしょうか

 

五鈴屋の商売敵である真澄屋は「みをつくし料理帖」の登龍楼を思い出します

憎たらしい相手を遣り込めるのは溜飲が下がりますね

 

五代目徳兵衛だった惣次はどこかで再登場するのかしら

幸は次々とやってくる災難をどうやって潜り抜けていくのでしょう

面白い展開が待っていそうです

 

次巻も続けて読まなくてはいけません

高田郁さん、罪作りです