接客で感動した、感動する接客を受けてみたい!
な~んて言葉をしばしば耳にします。
私が参画している、飲食店の接客日本一を決める大会にしても同じで、
実行委員会の中にも感動できる接客を求める人は、大勢います。
私の仕事はと言うと、感動の接客をプロデュースすることではなく
接客の本質を人様にお教えすることです。
そんな仕事をしていてよく言われるのが、
「良い接客かどうかは顧客が決めることであって、あなたが決めることじゃない」
ということ。
確かにそうなんです。
それは究極に正しい。
だけど、そういう事を言う人が主張する「素晴らしい接客」ってのは、得てして感動の接客。
でも、接客の現場にいる人ならわかると思うのですが、
感動の接客なんて、お客さんに何かトラブルが発生したり、
何か条件が付いている時にしか発生しません。
と言うか、そういう特別な状況にならないかぎり、
お客さんが接客を受けて感動する事は有りえません。
接客の基礎が出来ているからと言って、100%感動させられるかと言えば
それは大きな間違いです。
感動の接客は、心の中の限界点を超えた時にはじめて発生します。
究極の感動は、心の中の臨界点を超えた時にはじめて発生します。
でも、その為には大きなハードルを越えなくてはいけません。
それが、お客さんのおかれた特殊な状況です。
感動だけを狙って、接客の基礎が出来ていない状態で目立つパフォーマンスばかり繰り返しても
お客さんはほぼ間違い無くどん引きしてしまいます。
良い接客と言うのは、日頃の接客の基礎がしっかり出来ていてはじめて評価されるもの。
お客さんが「良い接客だ」と思う時、それは接客の基礎が出来ている人の接客を受けたときのみです。
良い接客と言うのにも二種類あります。
純粋に基礎がしっかりと出来ている接客と、
お客さんにとって妙にチャンネルの合う接客者の接客。
基礎がシッカリ出来ている接客は、安定感があり、ブレがありません。
だから、多くのお客さんにまんべんなく、有る一定の満足感を提供し続ける事が出来ます。
お客さんが何か特殊な状況に置かれているときは、容易に感動を生み出すことが出来ます。
基礎が出来ていなくても、妙にチャンネルの合う人っていますよね。
なじみの酒場のオヤジの接客は、正にその典型だと思います。
チャンネルが合うから初めてお客さんに評価される。
でも、それで感動が生まれるかと言えば、まず滅多に無い事でしょう。
純粋に、その接客者の人柄にお客さんがついているんです。
では、もし基礎がシッカリ出来ていて、チャンネルの合う接客の場合、どうでしょうか?
この場合は、本気で人に惚れる事でしょう(男女関係と言う意味ではありません)。
そして、ほんの少しの、大したこと無いような特殊な状況でも、お客さんは容易に感動して下さいます。
つまり、基礎が出来ていた方が、多くのお客さんに喜んで貰いやすい、と言う事ですね。
感動の接客は、基礎がシッカリ出来ていた方が、ヒット率は高くなります。
そして何と言っても、接客の本質が解っていて、接客の基礎が出来ていて、しかもチャンネルの合う接客者。
こういう場合、何の変哲も無いようなことでも、十分にお客さんを感動に導いてくれます。
と言うか、そんな接客者はまず滅多にお目に掛かることが出来ないのですが(笑)
極めつけは、接客の本質が解っていて、接客の基礎が出来ていて、接客技術に優れている接客者。
こういう人は、どんなお客さんでも容易にチャンネルを合わせることが出来ます。
だから、どんなお客さんでも容易に感動に導かれてしまいます。
この手の接客者は、私もほとんど知りません。
数名は知っているのですが、私のような指導のプロでも滅多にお目に掛かることが出来ません。
真の接客力とは、基礎、技術、本質理解、この三つに尽きます。
これは私が「そう思う」だからだけでなく、あらゆる状況が常に証明してくれています。
それをご理解頂いた上で、
「接客の善し悪しは顧客が決めること」
と判断するならば、それは本当に素晴らしい考え方だと思います。
表面だけで接客の善し悪しを言うのは、極めて愚かな事です。
私は接客の研究者、学者の類かもしれませんが、
何と言っても接客の求道者です。
接客に従事したことがない方は、実感が湧きにくいかも知れませんが(笑)