女優ムン・ソリが監督した短編『女優魂』を
今年のショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2015
SSFF & ASIA 2015

アジア インターナショナル&ジャパン プログラム F
特別招待作として。

(あらすじ)

女優ムン・ソリが
好きな監督新作の役を取れなかったらしく、少々落ち込んでいる。
平凡な外見で女優を続けていく葛藤、
美貌なの?年齢なの?とキャスティングされなかった理由を
思い悩む、率直な姿がとらえられる。

一方、女友達との登山途中で会った
映画プロデューサーとその連れと
登山後のお酒(韓国ではお約束の習慣)を飲むことに。
男たちが酔うにつれ無礼、無作法になっていき
女たちは不機嫌になっていく...韓国らしい光景をコミカルに掬い上げる。

ムン・ソリ脚本・主演・監督
『女優魂 여배우(原題は女優) The Actress』(2014年)

(以下、映画の核心に触れる部分もございます)

韓国随一の演技派女優でありながら
平凡な外見で女優を続けていく葛藤を赤裸々に、
選ばれなかった理由は平凡な見た目のせいなの?
演技力だけでは選ばれないの?と悩む姿も忌憚なく描いて
その率直な演出ぶりが等身大、地に足の着いた感があって
楽しめた。

ホン・サンス監督『自由が丘で』 の中で
ゲストハウスでサンウォン(キム・ウィソン)が
女子学生ナミ(チョン・ウンチェ)にデリカシーなく話しかけ詮索し
嫌がられていたシーンを思い出し...
恋し愛する男女間の行き違いを描いて来たホン・サンス監督が
『自由が丘で』は社会に偏在する
個人の事情に「立ち入り」過ぎる、好奇心旺盛でおせっかい、
ずけずけ物を言いすぎ(て時に言葉で相手を傷つける)な韓国人を対象化もしていて
(それは、モリ=加瀬亮という外国人の視点・視線も
加味されているだろう)
その延長線上、
『女優魂』は
外国人から観た韓国人が描かれてもいた『3人のアンヌ 다른나라에서』『自由が丘で』 の視点も引き継いで
スピンオフのように感じられもした。

実は韓国/日本女性も
こんな韓国/日本男性(=おじさんたち)のデリカシーのなさに
傷つきイラついている(『自由が丘で』のナミのように)、
そのポイントをしっかり観察した上で(流さずに)
コミカルに描き出している。

前半の、若くはない女優の悩みを吐露した
女優としての貌のみならず、
「愛する私の夫(=『ファイ 悪魔に育てられた少年』等のチャン・ジュヌァン監督 )も
外ではこの韓国のおっさんと何ら変わりないのかもしれない」と
身内を対象化できる女性としての視点、
そして妻としての複雑な心境も。
さらにラストでは
愛息子大好きの屈託ない母の顔も見せて
女優七面相のような、日常の中の「ムン・ソリ」の多面性も
バランスよく目配りし盛り込んで巧み。

それでも肩ひじ張った所はなく、
衒いなく飄々とした雰囲気の演出で
(カメラワークもシンプルで)
ウソのないリアルな女優の日常が垣間見えて
かえって好感を抱き、愛らしさを感じるほど。
短編だからかもしれないが...
観終わってさっぱりした気持ちになる爽快感。
ホン・サンス監督風でもありながら
女優、女性が持つきめ細かさ繊細さも感じられた。

2014年の第12回アシアナ国際短編映画祭などで上映された本作。
タイトルからして続編風の、
『女優は今日も 여배우는 오늘도 The Running Actress』(2014年製作、
第16回全州国際映画祭で上映)も
早く観たい(๑•̀ㅂ•́)و✧

SSFF & ASIA 2015 CGアニメーション部門で韓国の作品

to be continued...!?

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