*心を打たれた言葉。
「人脈記」(朝日新聞10月23日夕刊)より抜粋
コラムにあった長門裕之さんの言葉。
キーボードを打つ手が……止まり……震える。
真実の言葉は胸に迫ります。
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「おれの一番大事なもの。さよならの気持ちをこめて、
一生分のキスをした」
「洋子の指のすき間からこぼれ落ちる記憶のかけらを
かき集めて、あいつの手のひらに戻してやりたい。
でも、落ちる速度が速くて追いつかないんだよ」
「どうしてもセリフが覚えられないの。
目の前に台本を置いてもいい?」
「セリフを覚えるのがおれたち役者の仕事だろ!」
「洋子の病気に向き合うしかない」
「自分の中に暗闇が広がっていくようで
心細いんだ。だから洋子は声を出して
その恐怖と闘っているんじゃないか」
「後悔の気持ちはない。おれ自身が再生されて
いる感じがする」
「『生きていてよかった』と洋子が思えるような
楽しい人生にしてやりたかったんだよ」
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南田洋子さん。メリハリの効いたきれいな動作。
真っ直ぐな目線。
気品とあふれる美しいお姿が、目を閉じれば思い出されます。
TVの画面を通じてでしたが、たくさんの豊かなひとときをありがとうございました。
あなたはきっと「生きていてよかった」と思えるような
楽しい人生を過ごされただろうと思います。
長門さんの言葉から、そう感じます。
同じ、ひとりの妻として、同じひとりの人間として、そう感じます。
心からご逝去を悼みつつ。
待ってくれ、洋子/長門 裕之