遂にゴール。
三ノ宮から、ポートアイランドへ。
盛岡市を出発してから、ずっと、ずっと、ずっと目指してたステージ。
最初は、あんなに遠いと思ってて、ほんまにたどり着けるんか分からん時もあって、諦めようと思った事もいっぱいあったけど、みんなに、ほんまに沢山の人に出会って、応援してもらって、今、すぐ手の届く場所にステージがある。
みんなが、ピストン平尾というバトンをずっと大事にリレーしてくれてたどり着けた場所。
司令官F氏が、「これがラストランやぞ。」と言い、ステージまで先導してくれる。
なんやろ?私は、常日頃あんまり泣いたりとか、せえへんタイプやのに、目が熱くなってくる。
司令官F氏と共に本気で生きた3週間。
本気で走って、本気で歌って、本気で食べて、本気で寝て、本気で考えて、本気で間違えて、本気で感謝して、本気で作ってきた3週間。
ずっと本気じゃなかったら、命すら危なかった日々。
今思えば、ずっと命懸けやったんやな。
それは大袈裟なんかな?
けど、私の人生の中ではそれくらい意味のある時間やった。
ほんまに過酷やったけど、今思い出せば、全部の毎日がいとおしく思える。
そして、遂にステージに上がれた。
司令官F氏と女性のスタッフらしき方が両端でゴールテープを持ってくれてる。
そして、ゴールテープを切るライダー。
ありがとう、司令官、ありがとう、スタッフの人。
スタッフの人、子供連れでテープを持っててくれてた。
忙しいのにありがとう。
・・・・・・?
えっ?
子供連れって、あの子供、私の子供にそっくりなんですけど…。
後、女性スタッフの人、私の嫁にそっくりなんですけど…。
嘘やろ?
間違いない。
嫁と子供やん。
何のサプライズ?
後で聞いた話しやけど、司令官F氏の提案だったとか。
嫁と子供に初めて見せるライブ。
そして、ずっと目指してたカミングコウベでのライブ。
やのに、なんやねんショッカー!邪魔すんなよ。
とか、
舞い上がってしまって、殆ど覚えてないけど、あのステージからの景色は、死ぬまで忘れられんくなった。
みんなの笑顔が見えた。久しぶりの人も、初めましての人も。
みんな笑顔やった。
それだけでも、走ってきた意味があったんかな?
一人でも多くの人を笑顔にできたから、それだけで全部報われた気がした。
ライブが終わっても夢見心地の私は、見に来てくれたみんなともちゃんと話ができんかった。
ごめんなさい。
それと、ありがとう。
あの場所に集まってくれた全ての人に、ほんまにありがとう。
カミングコウベが終わって、自転車で三ノ宮まで帰る道中。
ポートタワー…。
全ては、あそこから始まったんやな。
綺麗なぁ。
神戸は20年で復興したって言えるくらいになっとるよな。
東北はどうかな?
そんな事を思いながら、ポートアイランドと三ノ宮を繋ぐ赤い橋を自転車で走る。
春の風が心地好い。
明日から、普通の生活に戻るとか、今は想像できん。
けど、私のカミングライダーとしての旅は、今日で終わり。
ほんまに、沢山の人に感謝してます。
今まで出会えて来た全ての人に、ありがとうございました。