挨拶くらいしかベトナム語ができなかった頃は

ベトナム人との会話は日本語ができる人を除けばおのずと英語を使うことになる。

しかし、ベトナム人はベトナム語を使うのであり

ホテルや外国人相手の場所でもなければ英語はほぼ通じなかった。

 

そして、英語を話せる人がいたとしても

ベトナム語訛りの英語を聞き取るのは一苦労だった。

日本人がカタカナ読みのようになってしまうのと同様で

外国語の発音の癖は母語の影響が大きい。

ベトナム語では、単語の最後に子音があってもそれは実質発音しない

(厳密にいうと口の中の形を決定するための子音)。

それは英語にも反映され、つまり、dogは「ドッ」、catは「キャッ」、makeは「メーイ」、

eatは「イー」、air portは「エッポー」 pass portは「パッポー」...え、鳩?(笑)

ジェスチャーや擬音などが入ってやっと見当がつく。お互い様かもしれないけれど。

 

 

そんなこともあって、私のベトナム語の習得に拍車がかかることになった。

ベトナム語(サイゴン弁)は耳に心地よく魅力的だったし、そっちのほうが断然早い!

日本語教師の先輩は日本語(しかも関西弁)で

ベトナム語しか話せないベトナム人の職員さんと普通に会話してtなぜか通じているっぽく本当に感心したものだが、

私にはそんな能力はないので、単語ひとつずつ(ほとんど食べ物の名前から)、

地道に覚えては英語から置き換えていく日々となった。