玉名市天水町部田見に所在する市指定史跡の

明人林均吾墓です。

 

 県指定史跡の「経塚・大塚古墳群」近くに所在します。道路から山道をしばらく歩いて登ったところにあります。

 説明板によると、慶長9~12年(1604~1607年)の間に5回、貿易許可証を得た人物に「林三官」がおり、マカオ・フィリピン、ベトナムなどへ朱印船を出していますが、林均吾はこの林家に関係する一族と見られています。

 林均吾墓は、墓石の前に石で墓域を作り出し、その形状は中国風で福建省南部の様式と共通性があり、近くの四位官郭公墓(市指定史跡)と類似しています。

 墓石は上部に出身地を表す「龍郡」と彫り、「元和七年 林均吾墓 男新作立」(元和7年にその子新作が建立した)という銘文が刻まれています。

 この地域には他にも振倉謝公墳(市指定史跡)といった唐人墓があり、貿易港として栄えたことを示しています。

 

道路沿いのこの場所から山道を登ります。電信柱の所が山道の入口です。

 

山道を登ると林均吾墓に辿り着きます。平面凸字型の墓です。特に見える四角形の小さな石が墓石です。

 

墓域を構成する石材には矢穴がたくさんついています。

 

北側の石材。

 

墓石正面。

 

墓石アップ。

 

上から。思いのほか小さ目です。

 

※2020年7月撮影